先日、伊吹山に登ったときは、よい天気に恵まれ、近江平野の稲穂が青々と風に揺れていた。丁度、稲の花が咲き受粉の頃であった。近くに寄って稲をよく見ると小さな白い花が咲き穂が揺れると、微細の白い花が周りの泥土の上に散っていた。「花の命は短くて」というが、稲の花ほど短命なものはない。花粉の寿命はわずか2,3分で炎暑の正午に近い3時間くらいの間に一粒の稲の受粉のドラマがあるという。
良き日和続く近江の稲の花
穂の揺れて白きがこぼる稲の花
虫を聞く主婦の仕事をすべて終へ
峡の宿夜を鳴き継ぐ虫の声
爽やかに湖上行き交う遊覧船
爽やかに海の岸辺を夫と歩す
鰯雲漁港の活気戻りつつ
六甲を覆い尽くすや鰯雲
八月は忌日重ねて過ぎゆけり
朝風に九月の声を聞きにけり
写真は稲の花
小生も去年、一昨年と彦根状を訪れ近江平野のあまりにも広大な光景に驚きました。JR桂川駅から鈍行に乗っても1時間30分あまりであり、すっかり車窓の光景を楽しみました。さて稲の花ですが、微細なる花でも生命の営みのある花は愛しいものですね!。御句の上五ので出しの措辞「良き日和」大変効果的で、素晴らしい秋の気候の歓びが大変良く汲み取れ素敵な好きな句です。
☆虫を聞く主婦の仕事をすべて終へ
朝は起床しると直ぐ朝食の準備、その後掃除、洗濯、そして昼餉の準備、そして昼寝・・?(おっとすみません)、午後からは買物、夕餉の支度、洗い物など等全て終わりこれから俳句の勉強?、感性を養うため虫の音を聞く?一日の終わりのゆったりと、満ちたりた自分の時間ですね!。健康と趣味と良き伴侶がいれば、主婦の仕事も好いものですね。幸せを感じている、ひと時の心情が垣間見え素晴らしいです。
☆爽やかに湖上を行き交う遊覧船
琵琶湖の外輪船、「ミシガン」の事のようですね!。少しづつ秋めいた気候の中、湖上の遊覧船の光景は、如何にも爽やかです。小生もジャズバンドの現役の頃から、一度は「ショウボート」宜しく、外輪船の上で演奏「する事が夢でした。爽やか~、湖上~、遊覧船との措辞が、素晴らしく対応していて、好きな一句です。
☆八月は忌日重ねて過ぎにけり
8月の広島原爆忌、長崎原爆忌、終戦記念日、そしてお盆ともなれば親しい人、親戚、親族など色いろな忌日が重なります。暑い暑いと言いながらもあっと言う間の一ヶ月ですね!!。
「稲の花」「虫」「爽やか」「八月」の句をお選びくださって、それぞれに適切で、且つ嬉しいコメントを頂きありがとうございました。
先日伊吹山に行った時に、近江平野の素晴らしさに感激し、又、丁度、早稲が、花の咲くころと聞き、稲の穂の近くで花を良く見ました。見たままを句にいたしました。
「虫」の句はやはり厨事を終わらないと、主婦は落ち着きません。ほっとした時、虫の声も一段と大きく聞こえるようです。
琵琶湖を行き交う遊覧船を詠みました。身に余るお言葉、恐れ入ります。
「八月」は忌日が多いと思いませんか?
ヒロシマ、ナガサキ、終戦日、等、々 「過ぎにけり」ではなく「過ぎゆけり」です。有難うございました。
稲の花は少し黄味かかった控えめなものですね。作者はよく観察されているのに感心します。そして思いやりが御句から伝わってきます。
峡の宿夜を鳴き継ぐ虫の声
山間の宿にはさぞかし一晩中虫の声が聞こえたのでしょう。大変きれいな御句ですね。「鳴き継ぐ」がいいですね。
六甲を覆い尽くすや鰯雲
時々鰯雲が出ていますが、六甲山を覆うぐらい大きく広がった鰯雲。スケールの大きな希望に満ちた気持ちが伝わってきます。
近江地方は水害も無く、好天が続いたので豊作になるのでしょう。豊かな日本の秋を彷彿とさせてくれます。
峡の宿夜を鳴き継ぐ虫の声
谷間の夜ならばいろいろな虫の声で満ち満ちていることでしょう。こおろぎだけでなく、鈴虫や松虫、邯鄲、鉦叩きなども混じっているかもしれません。
「夜を鳴き継ぐ」でこのような情景が心に浮かびます。
「稲の花」「虫の声」「鰯雲」の三句をお選びくださって、それぞれに嬉しいコメントを頂き有難うございました。伊吹山に登った時、近江平野に降りて、早稲の稲の花を近くで見ました。小さくて、触れるとぱらぱらとこぼれました。
「虫の声」の句は、簡単そうで、難しいです。家の周りでも鳴いていますが、峡の宿とした方が虫の声もより美しく聞こえるのではと思い想像で作りました。
「鰯雲」は時々阪急に乗っていると大きく雲が広がっているのを見るときがあるのを句にいたしました。
コメント有難うございました。
「稲の花」「虫の声」の句をお選びくださって、嬉しいコメントを頂きありがとうございました。近江平野は広々として、見事に稲が実っていました。近くにいって、良く見ました。小さな花がついていて、すぐにこぼれてしまうのですね。
「虫の声」の句は、お書き下さった通りです。
峡深き所ならばより虫の声も美しく聞こえるだろうと思い作った句です。いろいろありがとうございました。