英紙ガーディアンは5月9日、母系遺伝性の難病ミトコンドリア病が子に伝わるのを防ぐ目的で受精卵の「核移植」を行い、‘遺伝的に3人の親を持つ子どもが英国で初めて誕生していたと報じた。
2018年に英政府の研究監視機関「ヒト受精・発生学委員会」(HFEA)が移植を初承認して以降、少なくとも30件が承認され誕生した子は「4人以内」という。
ミトコンドリア病は細胞内小器官「ミトコンドリア」の働きが低下することで運動障害などを起こす病気。
病気を持つ母親の卵子と正常なミトコンドリアを持つ卵子提供者の卵子それぞれに父親の精子を体外受精させ、病気の母親の受精卵から核を取り出し提供者の受精卵に移植した。
移植した受精卵には提供女性のDNAを持ったミトコンドリアがあり、子どもは父母とこの女性の計3人の遺伝子を持つことになる。
英国では2015年に法改正し、世界で初めて核移植を合法化した。
病気の遺伝予防が期待される一方、データが少ないことから専門家からは安全性について長期的な追跡調査も必要だとの指摘が出ている。
文部科学省によると、日本では同様の手法で受精卵をつくる研究を可能にするため、関連指針の改正を進めている。
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