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台風21号 史上最高50メートルの暴風、管内全域停電で「生活できない…」 〈2018年9月6日〉

2018年09月06日 08時30分00秒 | 記事

御坊湯浅道路の日高川上付近で3台のトラックが横転

松の木の倒木が相次ぎ県道などを塞いだ(美浜町吉原)


 台風21号が通過した4日、日高地方でも御坊市で観測史上最高の最大瞬間風速50メートルの暴風が吹き荒れ、生活に大きな影響が出ている。各地で屋根瓦などが飛び、トラックが横転、乗用車のガラスが割れ、倒木で通行止めが多発。管内の全域で長時間にわたる停電が続き、食料品などを扱う店舗も閉店となり、多くの住民が苦悩の一夜を過ごした。被害の全貌は掴めていないが、時間が経つごとに被害が大きくなっている。停電の影響で5日も全市町の小中学校が臨時休校の措置をとるなど生活への影響が続いている。
 
 台風21号は4日正午ごろに最接近し、御坊市消防本部では午後0時52分に観測を始めた平成15年以降で最高の瞬間最大風速50メートル、日高川町の川辺観測所でも午後0時11分、平成23年9月に記録した34・4メートルを大幅に上回る瞬間最大風速42・2メートルを記録するなど観測史上最高の暴風が日高地方を襲った。御坊湯浅道路の日高川上付近では3台のトラックが横転し、御坊市野口の駐車場や県道でも車が倒れた。管内全域で屋根瓦や民家の塀、看板などあらゆる物が強風で飛ばされ、軽乗用車を中心に突風で窓ガラスが割れ、台風通過後は道路に散乱する光景が広がった。
 住民を苦痛にさせたのは長時間に渡る停電。台風の最接近時から電気が止まり始め、5日朝も管内の広い範囲で停電が続いた。生活の機能は完全にマヒし、4日午後以降は食料品などを扱う店舗やコンビニも閉店状態となり、自家発電で営業するコンビニには長蛇の列が出来た。夕飯に苦悩する住民、暑さをしのぐために車の中で一夜を過ごす人もいた。

家屋全壊2戸、各所で一部損壊
負傷者2人 市内で大きな被害

薗で空き家が全壊(御坊市)

 
 暴風が吹き荒れた御坊市では塩屋町北塩屋の木造平屋住宅、薗の木造2階空き家がそれぞれ全壊したほか、市内全域で住宅の瓦やトタン、屋根の一部などが飛散し、道路に散乱。飛散物で住宅の窓カラスが割れたり、車が破損するなどの被害も相次いだ。
 電柱や街路灯、木が倒れたり傾いて一時通行止めになったところも各所であった。家屋の一部損壊は調査中だが、かなりの被害にのぼると見ている。また、名田町ではビニールハウスの被害も多かった。
 市役所では20数年ぶりに窓ガラス(横80センチ、縦2メートル)4枚が破損したほか、市斎場玄関外のエントランスの一部がはがれたり、市役所前駐車場に駐車していた車に飛散物が当たるなどの被害があった。
 名屋町では出動中の30代市消防隊員が飛散物にあたり負傷し、熊野では20代女性が自宅ドアに指を挟まれ負傷した。市が開設した避難所の福祉センターには53世帯71人、財部会館には7世帯11人が避難し、4日夕方には全員帰宅した。

潮位3.16メートル、御坊市で過去最高
 
 台風21号の通過に伴い、紀伊水道や大阪湾周辺各地で潮位が上昇し、御坊市では4日午後0時48分に過去最高の3・16メートルを記録した。


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