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道成寺(日高川町)が念仏堂の納骨棚を拡張 〈2024年8月3日〉

2024年08月03日 08時30分00秒 | 記事


拡張が完了した納骨棚


 地元を出て県外で暮らすなど、墓守りをするのが難しい時代になりつつある中、日高川町鐘巻、道成寺(小野俊成住職)では、念仏堂の納骨棚を全330棚に拡張した。現念仏堂が完成した平成17年当初は72棚だったが、時代背景を受けて増設してこれまで予約を含む契約者は約150棚に。今回の拡張でさらに倍以上に増棚し、宗派を超えて安心して供養できる拠り所となりそう。
 道成寺の初代常念佛堂は約300年前の宝永6年、御坊市湯川町小松原出身の商人、岩崎治郎右衛門夫妻が建立。岩崎氏は、大阪難波で「日高屋」という回船問屋で大成功を収めた人物。夫妻の位牌は今も残されているという。
 お堂内の御本尊は、県指定文化財で、日本で3番目に古い五劫思惟阿弥陀如来が収められており、その台座には珍しいつがいの鳥や松や梅の花が表現され、岩崎夫婦がとても仲が良かったことも伺える。扁額は千日回峰行を二度も満行した酒井雄哉大阿闍梨が揮毫したもの。実物は納骨室に、ケヤキ製の扁額がお堂の正面に掛けられている。
 大正14年に台風で傾き解体。75年後の平成17年、現在の鉄筋コンクリート造りの念仏堂が建てられ、正式名を「二代目常念佛堂」に。拡張した納骨棚はアルミ製で縦1列に6段ある。第1期では72棚(完売)、第2期も72棚(残り19棚)。今回は第3、4期分(いずれも87棚)分を拡張。小野住職は「仕事や子どもらが県外で暮らすなど、一定のところで墓守りをするのが難しくなってきている中、安心して供養できる拠り所になれば」と話す。
 契約希望者は宗派不問。2期分の十数棚は、1棚60万円だが、アルミの高騰などの影響で今回拡張した3期分は75万円となる。棚の位置は、これまで列の位置は中央から外側へ順番に、段の高さは先着順で決めていたが、1日から列の位置は同じまま、棚の位置は住職立ち会いの元、厳正な抽選で決める。
 詳しくは、道成寺(電話22・0543)へ。


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