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日高町志賀で生活介護事業所「インクルひだか」開所 〈2024年4月6日〉

2024年04月06日 08時30分00秒 | 記事


完成した新たな事業所


 社会福祉法人太陽福祉会(皆川敏治理事長)が、新たに日高町志賀で建設していた生活介護事業所「インクルひだか」がこのほど完成。同会初の機械入浴設備、理学・作業療法士によるリハビリを導入した施設で6日に待望の開所式を行い、今後、重度障がいの利用者への日常生活を支援する。
「インクル」とは英語のインクルージョン(包括)からきており、社会的少数派にある人々も含め、市民一人ひとり、排除や摩擦、孤独や孤立から援護し、地域社会の一員として取り組み、支え合う考え方のこと。インクルージョンは、教育及び福祉で「障がいがある人もない人も、すべての人が違いを認め合い、支え合う共生社会を目指す」という理念として捉えている。
 同所では、主に障がい支援区分5~6程度の重度の利用者で定員20人。敷地面積1249平方メートルに、紀州材をふんだんに使った温もりを感じる木造平屋建ての総床面積484平方メートル。作業室3室のほか、浴室は家庭用1つ、機械浴2つ、事務室、相談室、医務室、多目的トイレなどを設けた。
 昼間に入浴、排せつ、食事の介護等を行うとともに創作的活動や生産活動の機会を提供。美浜と同じく軽作業を行うほか、機能訓練、レクリエーション等を支援し、日中活動の拠点としての機能を充実させる。特に入浴機器による入浴は、座らせるだけで楽に入ることができ、従来は帰宅後に自宅で入浴するが、入浴後に帰宅ができ、家族への負担軽減にも。理学療法士か作業療法士を配置予定で専門的リハビリも展開する。
 同会は、生活介護事業所を美浜と川辺で営業しているが、美浜は開所から40年が経過。利用者の高齢化が進み、年を重ねるごとに重度化する傾向が見られており、定員を超えて利用を希望する人が増えていることなどで施設が手狭になったことから、建設を計画。地域交流室等も設け、地域住民との交流を図り、地域共生社会の実現を目指すほか、東南海・南海地震等の発生時には、福祉避難所としての機能を持たせ、地域福祉に貢献できるようにする。
 総事業費1億7357万2000円。国、県から6000万5000円を補助。設計・監理は御坊市の(株)スタジオパートスリー、施工は湯浅町の中平建設(株)。


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