紀州新聞 THE KISYU SIMBUN ONLINE

和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

10月の土生祭(日高川町)中止決める 周辺祭礼の判断に大きな影響も 〈2020年6月3日〉

2020年06月03日 08時30分00秒 | 記事


双頭の獅子舞で有名な土生祭が中止を決める(写真は昨年)


 日高川町土生、土生八幡神社総代会(総代長・林保行)が、毎年10月の第3日曜日に行われる秋祭り・土生祭の中止を決めた。新型コロナウイルス感染症の拡大に配慮したもので、本番まで4カ月以上の日数がある中で早期の決断を下した。同祭りの中止は平成23年の台風12号豪雨災害直後以来2度目で、当日は神事のみを行う。秋祭りの有無が各地で検討される中で、土生祭の中止が、周辺市町の祭り開催を判断する関係者にも大きな影響を与えそうだ。
  
 土生八幡神社(間野常民宮司)の秋祭りは、毎年10月の第3日曜日に開催。小熊の奴踊りや各組の屋台とのぼり、四つ太鼓などでにぎわう。当屋は小熊、土生、鐘巻、千津川、中津川、入野・若野、下早蘇(玄子・早藤)、藤井の8つが持ち回り、「お頭」と呼ばれる「双頭の踊り獅子」や巫女の舞を披露する。
 双頭獅子は、4人で舞う獅子舞で、笛や太鼓などの囃子がなく、雌雄の鬼が持つ矛と簓(ささら・竹の先を細かく割って束ねたもの)が発する気配のみで舞い全国的にも珍しい。県の無形民俗文化財にも指定されており、今年は当屋の小熊が獅子舞と巫女の舞を奉納する予定だった。祭り当日は宮司と総代が神事だけを行う。
 中止の知らせを聞いた祭りの参加予定者は「少し決定が早いと思ったが、仕方がないのかもしれない」と残念がり、林総代長は「新型コロナウイルス感染の終息が見通せず、第2波、第3波も予想される中、余興は『3密』に該当する部分が多い。安全と命の大切さを優先し、準備を始める時期が近づき早めの決定をした」と話した。間野常民宮司は「本当に残念なことだが、総代会の意向に沿いたい」と話し、宮司を務める同町内三百瀬の紀道神社については「今後、総代が集まって開催の有無を決めることになる」と答えた。
 土生祭の中止判断を受けて、同時期に予定される各地の祭礼に与える影響は必至。日高地方最大の御坊祭について、小竹八幡神社の小竹伸和宮司によると総代会で検討する予定だが、日程などは未定だという。


 その他の主なニュース

JA紀州 移動スーパー「とくし丸」7号車が開業、印南町を巡回

印南町で全児童・生徒にタブレット端末を購入 

JA紀州 ガーベラで児童(御坊小)ら元気づける

民児委員の厚労相特別表彰