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御坊市 デジタル防災行政無線整備着工 6億2千万円 来春供用へ 〈2020年6月9日〉

2020年06月09日 08時30分00秒 | 記事

新設した子局の高性能スピーカー


 御坊市が平成30年度に着手したデジタル防災行政無線施設整備事業で、今月3日から屋外拡声子局の新設工事が始まった。今月末からは市役所にある基地局の移設・整備工事も始まり、令和3年4月供用開始をめざす。現行のアナログ無線システムが使用できなくなるため、アレイ効果のある高性能スピーカーを採用した最新のデジタル無線システムに更新し、市民サービスを向上させる。

 アナログの防災行政無線は昭和60年度に導入。市役所4階に基地局、市内61カ所に子局を整備し、35年が経過。昭和48年ごろに設置した子局も20局あり、保守部品もなく早期の更新が急務だった。平成17年の国による規格改定で、それ以前の旧規格無線装置は令和4年度から使用できなくなるため、国の緊急防災減災事業債(市負担3割程度)を活用し、平成30年度から事業着手した。
 今のシステムは音声による情報伝達しかできず、基地局と子局の情報伝達も片方向のみだが、デジタル化すれば音声に加え、文字伝送、基地局と子局の連絡通話など双方向での伝達が可能になる。現在個別に行っている緊急速報メールやJアラート(全国瞬時警報システム)など多メディアの配信も1回の操作で同時配信され、配信時間短縮や業務効率化が図れるほか、市民向けメール配信機能を取り入れることでサービス向上につなげる。
 30年度で実施設計と電波伝播調査(事業費1242万円)を行い、令和元年度から2カ年かけて基地局や子局を更新。市役所4階にある基地局は5階に移設してシステムを全面更新することにし、今月末から工事が始める。子局の新設工事は今月3日から始まり、丁畑集会所、北吉田集会場の2カ所が設置済み。子局同士の音の被さりで放送内容が聞き取りにくいなどの課題解消をめざし、アレイ効果のある高性能スピーカーを採用したことで子局は99局から66局に減らす。
 避難所となる学校にある子局は耐震化した校舎屋上への移設し、子局の柱は津波浸水予想を参考に受信機等を高い位置に設ける。
 市内では道路騒音や生活雑音、住宅の密閉性の向上などから放送内容が聞こえない、聞こえにくいという難聴地域がいくつか点在しており、デジタル化で解消が期待されるが、解消できないところは新たに登録制のメール配信や電話配信サービス、市ホームページへの放送内容掲載、聴覚障害者向けの文字表示装置サービスを実施する。
 施工は(株)きんでん和歌山支店=吉川正永執行役員支店長、和歌山市=、契約額は5億8520万円。災害時の現場調査、避難所との通信などに利用する移動系無線20台(車載機5台、携帯型無線機15台)のデジタル化も含んでいる。監理委託業務費935万円、新庁舎完成後の基地局移設費約800万円も含めた総事業費は約6億2000万円。


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