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「御坊祭」国指定文化財候補視野に総合的学術調査開始 〈2018年7月1日〉

2018年07月02日 08時30分00秒 | 記事

御坊祭の総合的学術調査実施へ(写真は戯瓢踊)


 御坊市教育委員会が、平成30年度から2カ年計画で御坊祭民俗文化財調査事業を実施する。過去の事業で映像資料は記録整理しているが、御坊祭の歴史を含めた奉納芸能の有形資料、歴史資料の調査は不十分なため、文化庁や県教育委員会指導のもと、各分野の専門家11人で構成する調査委員会を設置し、総合的かつ詳細な学術調査を行う。調査報告書が出来上がれば「国指定文化財候補になる可能性がある」ということで調査結果が注目される。

 市教委は文化庁事業を活用して平成23年度から28年度で御坊祭及びその奉納踊映像記録作成事業を行い、映像資料を記録整理し、御坊祭ガイドブックを刊行。多彩な奉納芸能や小竹八幡神社氏子組織、祭礼様式などが都市型祭礼の様相を示す典型例であることが明らかになったが、総合的かつ詳細な文化財調査は不十分なため、戯瓢(けほん)踊の記録作成や御坊祭の歴史を含む学術調査を行う。事業費約400万円。
 御坊祭民俗文化財調査委員会を設置。民俗学、郷土史、音楽学、歴史学、工芸・刺繍の専門家11人を委員に委嘱し、文化庁担当者ら3人がオブザーバーに入った。11日午後1時30分から市中央公民館で第1回委員会を開き、正副委員長を選任し、事業概要や今後の予定など説明する。
 今年度は▽各組や個人で所有する祭礼関係の古文書調査や資料収集▽屋台、四つ太鼓など祭礼道具の実測図面作成▽大道具、のぼり、獅子頭、祭礼衣装など工芸・染織調査▽獅子舞、道中囃子の芸能・音楽調査を実施。来年度は補充調査を行い、調査報告書を執筆・編集し刊行する。委員、オブザーバーは次の各氏。
【委員】民俗学=吉川壽洋(和歌山県文化財保護審議委員会委員長、美浜町)長谷川嘉和(元滋賀県文化財保護審議会委員、大阪府)福原敏男(武蔵大学教授、東京都)伊藤信明(関西大学年史編纂室、大阪府)藤森寛志(和歌山県立紀伊風土記の丘学芸員、和歌山市)裏直記(帝塚山大学非常勤講師、大阪府)▽郷土史=塩路正(御坊市文化財保護審議会長、御坊市)▽音楽学=梁島章子(京都教育大学名誉教授、京都府)出口実紀(京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター非常勤講師、大阪府)▽歴史学=小山誉城(和歌山信愛女子短期大学非常勤講師、和歌山市)▽工芸・刺繍=川崎順次(縫箔師・紀繍乃や代表、兵庫県)。
【オブザーバー】小林稔(文化庁文化財部伝統文化課主任調査官、民俗文化財)吉田純子(同課調査官、民俗芸能)蘇理剛志(和歌山県教育庁生涯学習局文化遺産課、民俗文化財)。


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