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比井小・保の統合について初の保護者説明会 〈2017年6月2日〉

2017年06月02日 08時30分00秒 | 記事

保護者に説明する玉井教育長


 日高町教育委員会は31日午後7時から比井小図書室で、比井の小学校と保育所の初めての「小学校統合に係る保護者説明会」を開き、教育委員と事務局のほか、保護者33人が出席。平成32年度をメドに比井小を志賀小へ統合する方向性を説明したのに対し、保護者からは比井小存続をとの声が強かった。町教委は今後も懇談会等を重ね、統合のアンケート調査も検討する意向を示した。

 去る2月21日に開いた町長と教育委員5人で構成する日高町総合教育会議で、町内3小学校の児童推移状況、教育環境整備などを話し合っており、玉井幸吉教育長は将来的な統合の妥当性、必要性を協議した結果、比井小が完全複式と予想される32年4月をメドに、比井小を志賀小へ統合する方向性を示した経緯を話した。
 比井小では25年度から複式1学級で始まり、以降は複式2学級が続き、現状だと30、31年度も同じ予想。32年度は2月の教育会議開催時に3学級の完全複式と考えられていたのは転入者により回避できて2学級の複式見通しだが、翌年33年度は3学級の完全複式学級となると説明。町内3小各校の児童数ほか、志賀・比井や内原・志賀・比井の合わせた児童数、比井地区で28年度生まれの幼児はいない状況なども提示した。
 玉井教育長は、小規模学校は、きめ細やかな教育の効果があがるというメリットがあるが、多様な考え方や切磋琢磨する機会が少なくなりやすいというデメリットも指摘。町内の将来を担う児童の適正化、教育内容の充実化を図りたい考えで、今後も懇談会等を立ち上げ、話しあえる機会を増やして取り組みを進めたい意向を示した。
 保護者が「切磋琢磨、適正人数とあったが、具体的に言えば競争力だと思う。比井小の全国的な位置は?」と問うと、玉井教育長は「きめ細やかに取り組まれている。レベルは平均以上である」と答え、保護者から「良い環境にいるのに何のために統合するのかわからない。比井小が存続すると前提に意見交換したことはあるのか」と詰め寄る場面も。玉井教育長は「適切な規模で集団活動し、大勢の中で協力し合う。人と接する環境をつくってやることが良いのでは」と説明。「反対すれば、このまま存続してくれるのか」と求める声に玉井教育長は「存続、2校や3校の統合と意見が町内でもある中、何年も先を見越した統合計画でなければいけない」と理解を求めた。
 保護者からは「逆に比井小に来るという発想はできないか」「少人数のところへきたい子もいる。そういう環境も考えてもいいのでは」「統合すれば志賀小の教室を増やすため、多額の費用がかさむなら、現状ぎりぎりまで比井小で存続して、将来的に人数が減った状態で志賀小と統合すれば、教室増設費用もいらないのでは」「内原も含めた3校統合を考えて、ぎりぎりまで粘ったらいいと思う」「統廃合ありきではなく、議会でも一般質問で取り上げられていた小規模特認校制度を導入するなどし、地域振興も考えて、地元の気持ちを取り入れてほしい」などと意見が続いた。
 保護者から統合に対してどれだけ賛成なのか把握したい声もあり、町教委ではアンケート実施も検討。継続的に保護者に対しての説明会や地区懇談会も開く予定で保護者や地域住民ら代表者で構成する諮問機関も設けられればともし、玉井教育長は「対応の遅さが保護者に心配させることになったことをまず謝りたい。今後も話し合いを進めたい」と話した。


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