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日高川町が高台避難へ三百瀬の町道改修 〈2017年4月28日〉

2017年04月28日 08時30分00秒 | 記事

三百瀬の集落から高台(手前)に通じる避難道路

平成23年災害で日高川が氾らんし集落(写真左上)に
通じる三百瀬橋が水没


 日高川町が、平成23年の台風12号災害で田畑や民家など地域の3分の1が水没する被害を受けた三百瀬地内で、住民が迅速に高台に避難できるように改修を進めていた町道が完成した。同地内を東西に走る県道から、集落南側の高台にある三百瀬広場を結ぶ町道で、拡幅や一部新設で約400メートルを2車線道路に改修。避難所となる広場まで自動車などでも住民がスムーズに避難できる環境を整えた。総事業費は約1億2000万円。

 避難路として整備したのは町道三百瀬広場西回り線。同道路は、集落南側の高台にある三百瀬広場と、地内を東西に走る県道船津和佐線の三百瀬小学校西付近を連結する道路。今回の改修で県道への合流地点を既存の場所から約300メートル西側の三百瀬公民館前付近に移動。同地点から広場西側に通じる約400メートルを幅員約7メートル、勾配も緩やかな二車線道路に整備した。このうち約260メートルで既存の道路を拡幅、約140メートルで道路を新設した。
 三百瀬地内では、平成23年の台風12号災害発生時、日高川対岸の県道御坊美山線を結ぶ「三百瀬橋」と「千鳥橋」が冠水。集落側の県道船津和佐線も下流が通行不能となり、上流の藤野川を経由して林道で山野に抜けるルートだけが残ったが、地域全体がほぼ孤立状態に陥った。地区内でも日高川流域の田畑や家屋7棟など地域全体の3分の1を占める部分が日高川の氾らんで水没。同災害では、集落南側の高台にある三百瀬広場方面に避難する住民もいたが、広場に通じる複数の道路はいずれも幅員が狭い上に勾配もきつく、避難するには危険な環境だった。
 町では、同災害をきっかけに、地元の要望を受けて集落から高台に迅速に避難できる避難路を確保しようと町道を改修。完成した町道は幅員約7メートルの二車線道路で、緊急車両の通行なども容易になった。


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