僕の前世はたぶんオランダ人。

おもしろきこともなき世をおもしろく

冥途めぐり(鹿嶋田真希)

2015年09月12日 | よむ

 

ピース又吉の芥川賞受賞によって

空前の純文学ブームに叩き込まれた日本。

その熱狂の渦に遅れまいと初めて手に取ってみました

鹿島田真紀。

こ、これがジュンブンガク???

みきゃー!

難しー!

物語は

何が不満かわからないけど

ひたすらネガティブで嫌世的な主人公と

あっけらかんとすべてに頓着しないその旦那。

そしてある意味最も人間味のある

小市民たるその母と弟。

この4名で織りなされる

主人公の脳内ネガティブプレイを活字化したもの。

何気に一番共感できるのは

勘違い弟のロマンチックな一言一句。

特に姉結婚指輪を品定めした際の一言が秀逸。

「ハリーウィンストンのデザインじゃない、

とすぐにわかるところが恥ずかしい」

俺もこんなこっぱずかしいこと言ってみたい!

余談ながら

かつての高級ホテルとして登場する舞台地が

なぜかニューアカオのイメージを重なる。