僕の前世はたぶんオランダ人。

おもしろきこともなき世をおもしろく

風濤(井上靖)

2014年07月06日 | よむ

何かの本で引用されていたため気にはなっていた本書。

結局どこの本屋でも見つからずお取り寄せ。

元寇ものってことで

お決まりの北条時宗の玄界灘防衛戦線の話かと思えば

時宗のトの字もできやしねえ。

どころか戦闘シーンがひとつもない笑。

内容としては「朝鮮視点で見た元寇」で

以前に読んだ敦煌とは打って変わって

イマジネーションの欠片もなく

淡々と朝鮮半島の寒村が描かれる。

あえてそうしたようにも感じられるが

ひたすら読みにくい。

フビライはほんとは日本への支配欲も

半島への支配欲もなく

大陸を制圧した暇つぶしにちょっと嫌がらせをしたかっただけなのかもしれない。

唐入りの秀吉も半島民の恨みをかっているが

フビライも秀吉も半島を「島と大陸を結ぶ道」程度にしか

考えていなかった。

というのはおそらく真実なのだろう。

逆に言うとそんな半島民が二千年も態を保てている状況は驚きだ。