なんでだろう。
大して好きな作家じゃないのに
ついつい手に取ってしまうのは。
題材のうまさだろうか、
文体は好きじゃないのに
この人の取り上げる題材は
なぜか無視できないものが多い。
内容的には豊田譲の同期の桜のようなものだが、
最初と最後の特攻に題材をしぼった点がおもしろい。
どれほど言葉を尽くしても
当事者の心というものは決して全ては伝え得ることはないと思う。
しかし我々がたっているこの地には
先人たちの思いがつまっており
それを伝えていくということを
忘れてはならないと思う。