刑務所・病院は、盛り切りにして過食を不可能にする

2016年02月12日 | 中庸としての節制(節制論5)

5-2-1-4-2. 刑務所・病院は、盛り切りにして過食を不可能にする
 食の節制が無理なくできている刑務所も病院も、適正な全体量をひとつのトレイに盛りきって出す。過食する自由がないという有り方である。
 粗食にと思っても、料理する者でなければ、そううまくはいかない。あとは、出来た料理をどれだけの量にするかということになる。摂食量をはっきりさせることであるが、それには、単純には病院でもそうするように、その食の全体を盛りきりのお膳とかトレイに載せることである。そのお膳のうちで食の貪欲を存分に発現させて、そのうちに限定してこれを楽しませるのである(食欲不振の病人では逆に、「これを空に!」と元気づける)。それをはみだす「おかわり」とか「デザート」は、それが過食部分とわかって節制すべきものが明快となる。
 たくさんご馳走があっても、仮想のトレイを頭の中につくって、そのトレイのうちに、卵焼きは二切れのみ、ぶたの角煮は一つのみと入れておくような、仮想の盛りきり方もあろうか。定食とか、お弁当といわれるものも、それで全体になっているのであれば、盛り切りのトレイ・お膳のあり方と同じことになる。
 もちろん、そのトレイは、いっぱい入れても過食にならないものでありたい。お皿やコップに入れるときも、容量の小さいものを用意することが過食を防ぐ。食べだすと「とまらない」駄菓子類の入れ物の大きさは、日本ではお茶碗レベルであるが、バケツ大にして肥満を助長する国もある。