
昨年アメリカで公開された、第二次大戦での連合軍とナチスドイツの戦いがテーマの映画
『KG200 ナチス爆撃航空団』(原題:“WOLF HOUND”)が、
今週末3月3日からヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿などで
順次公開されます。
邦題にあるKG200というのは、ミステル(親子爆弾航空機)の試験的実戦投入なども行なった
ドイツ空軍に実在した偵察や評価試験を主任務とする爆撃航空団で、
鹵獲した連合軍機の評価試験なども実施したといわれています。
またそれらの鹵獲機で長距離偵察や物資輸送を行なったり、
米軍爆撃機編隊に紛れ込んで情報収集や攪乱を行なうなど
さまざまな特殊任務も担ったという説もあり、
本作はフィクションではあるものの、そうした機密作戦をテーマにしたアクション作品です。
本作の最大の見どころは、航空機の登場シーンがCGを排したほぼ実写であること。
昨今の航空映画では最新技術を駆使したCG映像全盛ですが、
大の航空機ファンでもあるマイケル・チャイト監督はリアルな描写にこだわったといい、
『トップガン マーヴェリック』同様に、
質感、動感、迫力の面でも実機を使った飛行シーンは必見で、
本作ではとくにウォーバードによる空中戦が目を見張ります。
撮影にはアメリカのミリタリー・エビエーション・ミュージアムと
ヤンキー・エア・ミュージアムが協力、
P-51D、B-17G、B-25J、スピットファイアMk.Ⅸ、ハリケーンMk.Ⅻ、Bf109G-4などが
スクリーン上を飛び回ります。
貴重な動態機であり無茶な機動飛行こそありませんが、
飛行シーンは文句なしに美しく、臨場感も撮影テクニックや演出のおかげでなかなかのもの。
さらに機銃発射シーンや撃墜シーンなどではVFXも巧みに採り入れて、
リアルな空戦が展開されます。


とくに4月号で紹介した零戦三二型など貴重なコレクションが多い
ミリタリー・エビエーション・ミュージアムが保有しているBf109とハリケーンについては、
実機の空撮シーンが見られるというだけでも貴重です。
ぜひ劇場の大スクリーンで鑑賞してください。
作品ホームページ
http://mid-ship.co.jp/wolfhound/
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます