ついに百里基地のファントムがリタイアした。残った岐阜基地の飛行開発実験団所属機も年度末には引退する。ファントムの終焉でがっくり“写欲”が落ちる人もいるだろう。しかしファントムが消えたからと言ってファントム写真の楽しみが失われることは決してない。ファントムの記録と印象は写真の中に生き続ける。
今春の「写真を磨く・特別編」のテーマは「ありがとう、日本のファントム」である。半世紀にわたってわれわれの被写体となったファントムは長い付き合いの仲間のような存在だ。それに感謝して皆さんがこれまで撮影した「日本のファントムの画像」を募集する。ガンガン磨くので、どんどん応募していただきたい。
もちろん毎月写真1点を採り上げる定例の「写真を磨く」への作例も並行募集する。一般的なマニア写真もよいが、冒険心や遊び心、そして挑戦心にあふれる写真も大歓迎だ。特別編、定例編ともに採用された読者には掲載誌が贈呈され、筆者が磨き上げた画像データをプレゼントする。A4判以上の大サイズプリントに耐えるTIFFデータで、印刷誌面とはひと味違う本物の画像データだ。
「写真を磨く」は写真コンテストではない。最高の瞬間が撮れた!と思ったのに後で見るとどこか冴えない、そんな写真を採り上げる場である。迫るターゲットをファインダーに捉えたとき、われわれはカッコいい!きれいだ!いまだ!コレだ!の激しい奔流の真っただ中に投げ込まれる。ぐるぐる揉まれながらも飛行機の魅力がピークを達するのを感じて、シャッターをリリースする。自分が感じた魅力は必ず画像に捉えられているはず。問題はそれをしっかりと写真にできるかどうかだ。自分の力でこれができれば航空写真の楽しみはさらに広がる。「写真を磨く」が目指すところはまさにここにある。
「写真を磨く」を読めば“磨けば写真が輝き始める”こと、そして“磨き方”が分かる。記事ではデジタル画像をRAW現像・編集ソフトウェアで仕上げる手順をていねいに追う。どんな写真に仕上げたいのか、それはなぜかを語り、カメラ、レンズ、デジタル画像の技術面に触れ、撮影のヒントを示す。大切な手順や微妙な仕上げの説明には実際のPC操作画面を交えて具体的に説明するので、自分で試すときに参考になるだろう。
作例写真の採用はできるだけ新人を優先している。これまで応募をためらっていた方は思い切って応募していただきたい。もちろんリピーターの方も大歓迎だ。みなさんの応募を心からお待ちしている(講師:元井英貴)。
●タイトル写真は2021年3月号掲載の川原 敦氏の作品で、上がオリジナル、下が「磨いた後」。
●募集要領
・対象画像:自分で思うように仕上げられない画像や、エキスパートの仕上げを希望する画像をお送りください。コンテストではないので“うまい写真”の必要はありません。
・被写体:航空機または航空に関するシーン + 特別テーマ「ありがとう、日本のファントム」
・使用カメラ:デジタル一眼レフカメラまたはミラーレス一眼カメラ※メーカーと機種は自由。
・応募点数:ひとり7点以内
・応募画像データ形式:RAWデータ※未編集データで、Exifデータが付いていること。
・応募方法:画像データをCD、DVD、BDなどのディスクメディアに収納して送付。撮影場所、氏名、メールアドレス、住所、電話番号を添えてください。
・採用時に本名ではなくニックネームの掲載希望の場合はその旨明記してください。
・作品募集期間:
2021年2月末日までに下記着。※応募が締め切りギリギリになりそうで気になるという方は編集部までお電話ください(03-5385-5868)
・データ送付先:〒164-0001 東京都中野区中野3-39-2 ㈱文林堂「航空ファン・写真を磨く」係
・応募画像の取り扱い: 編集部で画像を管理、不使用画像および使用済み画像のデータを消去。ディスクメディアは返却しませんのでご了解ください。
・採用発表: 採用された読者に編集部から事前通知。
・使用ソフトウェア: 各カメラメーカーの純正ソフトウェア(例 :Nikon Capture NX-D、Canon Digital Photo Professionalなど)またはAdobe Photoshop Lightroom CC。ご希望があれば応募時に明記してください。