レロト調のようで近未来的、さらにメカメカしいなかにも有機的なラインを有し
相反するイメージを一緒くたにしたような不思議な魅力を湛えるヴィクター。
太古の巨大な昆虫を思わせるような姿態をもつヴィクターの
本邦初となる本格的解説書が、本日全国で発売となりました。
ヴィクターといえば、マレーシア建国時にインドネシアとの対立の鎮静化のため
アジアに展開したことはありますが、日本への飛来は一度もなし。
そのため、われわれ日本のファンからしてみれば馴染みは薄いものの、
独特でアニメのキャラクターのモチーフになりそうなそのスタイルは
存在感バツグンであり、不朽の輝きを放っているといえましょう。
イギリスの核兵器運搬手段として誕生し、スタンドオフ兵器の元祖ともいえる
ブルースティール搭載仕様へと発展するもイギリスの核戦略体系の変化によって
空中給油機へと全機改修されたヴィクター。有名なフォークランド紛争では
驚愕の空中給油オペレーションを展開してその名を轟かせ、湾岸戦争でも
老体にムチ打ちながら多国籍軍の戦闘機や攻撃機を支援しました。
本号ではその雄姿をたっぷり紹介しています。ぜひご購読ください。
ところでハンドレページの原語のうち最初の文節Handleyの発音ですが、
発音記号は「hándlɪj」、もしくは「hændli」 となっており、
あえてカタカナで表記すれば「ハンドリー」が近いようです。
ただ、聞くところによると日本では戦前から「ハンドレページ(ペイジ)」が使われ
かの故佐貫亦男先生もご自身の著作のなかで、そのように記述されています。
したがいまして、すでに日本ではこの呼称が定着していることもあって
本号もそれに倣いHandley Page のカナ表記を「ハンドレページ」といたしました。
↓ アニメのメカキャラクター・デザインのネタ元になっていそうな厳ついながらもエレガントなヴィクター。カッコよすぎです
Photo:Denis J Calvert/I-AP