航空関連メーカー各社は日本国内でもさまざまな広報活動を展開していますが、
アメリカの2大航空機メーカーのひとつ、ボーイングの日本法人
ボーイング・ジャパンでは、各種ニュースの記者発表に加え、四半期に一度
メディアブリーフィング(報道向け説明会)を開催しています。
今日はそのメディアブルーフィングが開催される日で、東京丸の内のオフィス街の中で
最近引っ越しを終えたばかりの新オフィスに行ってきました。
エントランスにはボーイングのロゴが燦然と輝き、大きな787の模型が出迎えてくれます。
そしてその先の通路には、日本と関係の深いボーイングの軍用航空機の
デスクトップモデルがずらり。
誰です? 「1機欲しいな…」なんてつぶやいている人は(笑)。
ブリーフィングはJAL、ANAと共同で子供をセミナーや航空機整備工場に招待する
社会貢献活動を含めたボーイングの日本での活動を紹介、その後民間機部門、
軍用機部門、宇宙部門などの最近の動きを説明、そして来年の展望を披露して、
質疑応答に入るといった流れ。
民間機部門では11月に発生した787のパワーパネルからの発火事故に関連して
現在試験飛行がストップしており、数週間のうちにはその原因究明と新しい
試験スケジュールが発表できるであろうこと、またこの事故に関してはANAへの
納入を控えて日本の国土交通省航空局にも詳細な報告を上げたことなどが
説明されました。また一方で747-8についてはフレイターの飛行試験、
インターコンチネンタル(旅客型)の組み立てともに順調に進んでいることが
報告され、キックオフカスタマーのカーゴルクスには予定どおり2011年半ばに
デリバリーできるとしていました。
軍用機部門では先ごろ新たな防衛大綱が出され、次期中期防が発表されたことを受けて
防衛省が掲げたISR(情報収集偵察)、輸送/機動能力、ロジスティック、
サイバーセキュリティなどの強化項目に関する説明が行なわれたほか、F-Xとして
名乗りを上げることになるF/A-18E/Fについてのさまざまな最新の状況も
説明されました。次期中期防での新戦闘機12機購入の話も出ている中で、
F-XのRFP(要求仕様)が出るのを心待ちにしているようでもありました。
少し興味深かったのは宇宙関連事業のひとつ、CST-100プログラム。
NASAにはISS(国際宇宙ステーション)への輸送ビークルとして、また民間の
宇宙旅行ビジネスも見据えて、このCST-100の開発が始められているようで、
まもなく運用を終えるスペースシャトルに替わる新しい宇宙の時代を
感じさせてくれました。
今回ブリーフィングを行なったのはボーイング・ジャパン社長マイク・デントン氏(左写真)と、
防衛・宇宙・安全保障部門 ビジネス開発 日本担当バイスプレジデントの
ジム・アーミントン氏(右写真)。もともと民間機部門でキャリアを重ねてきた
デントン氏は主に日本での活動と民間機について、アーミントン氏は軍用機関連を、
それぞれの専門分野として担当しました。
なお、アーミントン氏は元米空軍のF-15パイロット。1990~92年にかけて、
航空自衛隊の第202飛行隊に交換教官パイロットとして勤務していた経験もあります。
ところで、ボーイング・ジャパンではこのほど
日本語のホームページを開設、
日本語でボーイングの最新情報を読むことができるようになり、今後は
コンテンツもさらに充実していく模様です。ボーイングのオリジナルグッズを購入できる
“ボーイングストア”にもアクセスできますので、一度訪れてみてはいかがでしょうか。
『航空ファン』、『世界の傑作機』など、
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