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航空専門誌の文林堂『航空ファン』&『世界の傑作機』公式ブログ

ブルーインパルス、50周年シーズンDVDと訓練再開

2011-05-28 22:15:35 | BLOG×記事
東日本大震災当日、ブルーインパルスが九州新幹線全線開通記念式典に参加するため
福岡県の航空自衛隊芦屋基地に展開中だったことで、幸いにも航空機が無事だったことは
すでに皆さんご存じのとおり。
この九州新幹線全線開通記念式典が、ブルーの50周年シーズン(2011年度)最後の
展示飛行となる予定でしたが、式典そのものが中止となり、ブルーインパルス(第11飛行隊)も
その後被災した松島基地に機体を戻すことができず、隊員たちは地域の復興支援や
基地の復旧作業にあたっています。

そんなブルーの50周年シーズンをまとめたDVD『サンライズ』が5月上旬にバナプルから
リリースされました(弊社姉妹会社のモノショップでも取り扱い中)。



タイトルのサンライズとはブルーインパルスが創設50周年にあたって導入した課目の名称。
作品ではシーズン最初の展示飛行で、サンライズのお披露目となった熊谷に始まり、
全国各地で行なわれた2011年度のブルーインパルスのトピックとなるフライトが紹介され、
要所要所でパイロットたちの裏話などをまじえたインタビューが挿入されています。
フライトはもちろん、さまざまなサイドストーリーは各地にブルーとともに展開、
部隊に密着してきたバナプルだからこそ取材しえた内容で、ブルーファンは必見の作品です。
まだ震災後のブルーの展示飛行や航空祭がどうなるか、正式な発表はありませんが、
こんな時期だからこそ、50周年にわいた昨シーズンのブルーをDVDで振り返ってみては
いかがでしょうか。なお、本DVDの収益の一部は義援金として東日本大震災の被災者に
寄付されるとのことです。

さて、そのブルーインパルスですが、今週初め、5月23日から機体を保管してあった
芦屋基地での移動訓練を開始しました。今回の移動訓練は3週間という限定的なものですが、
パイロットたちにとって技量を維持するために飛行訓練は欠かせないもの。震災から
2ヵ月半がたって、地域や松島基地の復興支援にも多くの応援部隊の力が加わったことから
ようやくフライト再開となりました。
とはいうもののまだまだ訓練は洋上での技量回復などの基本的な部分で、飛行場上空での
アクロ訓練などは今回は実施されません。復興支援をいまも行なっている自衛官がいるなかで
第11飛行隊の隊員たちの心境も複雑なようですが、それでもこの飛行訓練再開は
ブルーインパルスが、そして自衛隊、日本全体が、ほんの少しずつでも復活に向けて
動き始めた証拠のように思います。
6月21日発売の『航空ファン』8月号では、この訓練再開の模様を紹介する予定です。






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“オペレーション・トモダチ”パッチの受付は23日まで

2011-05-21 12:47:01 | 告知&ニュース
本ブログでも何度か紹介した“オペレーション・トモダチ”パッチ(ワッペン)は、
既報のとおり6月号での誌上販売を行なっていますが、郵便振替でお申し込みいただける
こちらの誌上販売は、5月23日、来週の月曜日が申し込み締め切りとなりますので
ご注意下さい。
なお、『航空ファン』を購入しない場合でも弊社姉妹会社が運営するモノショップでも
取り扱っており、こちらはもうしばらくの間販売が継続されることになりましたので
モノショップをご利用いただく方法もあります(ただしこちらはクレジットカード決済のみ)。

『航空ファン』6月号の申込用紙で郵便局からご注文いただいたお客様は、締め切り後に
最終注文数を確認、米軍や関係者に贈られた実物をオーダーしたNavyGear4Uにて、
実物と同様のラインで追加生産が開始されます。
お手元に届くのは6月の下旬ごろになってしまいますが、いましばらくお待ち下さい。


『航空ファン』、モノショップでご購入いただいたパッチの利益は、義援金として
日本赤十字社を通じて被災地の皆様に寄付いたします。



なお、本ブログでこのパッチの販売を告知した際に「販売分は国内で生産できないか」との
声を頂戴しましたが
・現場で使用しているものとまったく同じものを皆様にお届けしたい
・時間・生産コストなどのロジスティック的理由
・『航空ファン』らしい方法で、「できることをできる範囲で行なう」といった理念
などの理由から、パッチは最初に生産し、米軍などに届けられたものとまったく同じ仕様で
皆様にお届けすることになりましたので、ご了承下さい。
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海自のYS-11T、完全退役

2011-05-20 21:41:41 | BLOG×記事


今週水曜日、5月18日に、千葉県の海上自衛隊下総航空基地で
第205教育航空隊廃止行事が行なわれました。

第205教育航空隊は海上自衛隊の航空士を養成する教育部隊として1961年に
鹿児島県の鹿屋航空基地で発足、以来50年にわたって活動を続けてきましたが
運用するYS-11Tの機体老朽化などにともない、今年の6月1日をもって
その歴史に幕を閉じます。
205教空が晩年使用していたYS-11Tは航空士を養成するための対潜機材やレーダー、
通信機器などを搭載した練習機型のYS-11。ご存じのとおり戦後初の国産旅客機YS-11は
すでに国内民間航空路線からは退役しており、日本で運用しているのは航空自衛隊と
海上自衛隊のみ。今回のYS-11Tの退役で、空自のYS-11C/P、YS-11FC、エンジンを換装した
YS-11EA/EBと、海上自衛隊の輸送型のYS-11Mが残るのみとなってしまいました。

航空隊廃止行事では同隊に残った3機のYS-11Tが約4時間の最終訓練飛行を行ない、
その後着陸した下総で最終訓練報告を行ない、最終クルーが隊員に見送られて
隊のピリオドが打たれることになりました。





最終訓練飛行では船舶識別訓練(上段写真)や島しょ発見訓練、
編隊飛行訓練(下段写真)などが行なわれましたが、千葉から静岡沖にかけての
太平洋上で実施された訓練では、無駄のないパイロットやクルーの動き、
気流の安定しない低空での編隊飛行でも安定した操縦技術など、ベテランの技を
感じました。また機体も老朽化にともなって維持が難しくなっているとはいえ、
機体内部も外装もキレイで、このまま退役してしまうのが惜しい印象です。

訓練飛行終了後、最後に着陸した01号機がスポットインするのを、基地の隊員が
出迎えます。



当日フライトを実施した3機は、先に退役した3機同様下総で廃棄処分となり、
一部の使用可能パーツ(とくにエンジン関係)が現役のYS-11に転用されますが、
もう機体として空を飛ぶことはありません。

まだYS-11そのものは自衛隊に残っているとはいえ、やはり時代の節目を感じさせ、
そしてまた現役のYS-11が減ってしまったことはさびしくもある一日でした。
この模様は6月発売の『航空ファン』8月号で詳しく紹介したいと思います。


なお、当日の最終訓練飛行中、静岡沖で編隊を組むYS-11Tの窓から、
こんな機体のシルエットが見えました。



海上保安庁のガルフストリームⅤのクルーも、同じようにシーマンシップを持った
海自航空機のラストフライトが気になったのかもしれませんね。




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『航空ファン』7月号は21日土曜日の発売です。

2011-05-18 13:20:00 | BLOG×記事


今月も無事編集作業を終え、本誌(航空ファン)の7月号は
校了(編集部ですべてのデータが確認され、印刷工程に入ること)を迎えました。
以前の本ブログでも紹介しましたが、今月は震災の影響で1ヵ月遅れてしまったものの
航空自衛隊のF-2を大特集します。
2009年度末に第8飛行隊が運用能力点検をクリア、航空自衛隊の3個戦闘飛行隊への
配備が完全に完了したF-2ですが、本格運用開始から1年が過ぎた現在、
マルチロールファイター(多任務戦闘機)としての熟成が進み、
搭載可能な兵装も増えるなど、その実力を発揮できる態勢が整いつつあります。
表紙と巻頭ではF-2のマザーベースとして日本で唯一の2個飛行隊のF-2を運用する
青森県三沢基地の第3航空団を取材、空対空、空対地、空対艦の各種兵装を満載で飛ぶ
F-2の空撮や、同基地の特徴でもある掩体運用の様子をリポートします。
また空撮カメラマン赤塚 聡氏によるフライトインプレッション記事、
FS-Xプログラムに始まる同機の開発経緯や将来の計画、技術的解説、さらに
先般の東日本大震災により甚大な被害を受けた宮城県松島基地で行なわれていた
第21飛行隊によるF-2パイロットの養成訓練が今後どうなっていくのかについても、
現状を分析したうえで展望します。

そのほかの記事としては、TIGER MEET 2011特集の第一弾として、
徳永克彦カメラマンがベルギー空軍のタイガー塗装のF-16を空撮、
巻頭のF-2とともにF-16ファミリーの豪華な空撮セットが実現しました。
またオペレーション・トモダチの関連記事では佐世保に寄港した
USSロナルド・レーガンを取材したほか、空自F-XのRFP(提案要求書)発出、
ビンラディン急襲作戦時に機体の破片が発見され話題となった新型特殊作戦ヘリ、
三菱MRJの最新情報、生まれ変わるロシアの航空宇宙戦力(前篇)などの記事を掲載、
さらに対リビア作戦の続報や、南極で活動した「しらせ」とCH-101の貴重な
フォトリポートなどもお届けします。




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スカイネットアジア航空、新ブランド「ソラシド エア」で再発進

2011-05-16 10:31:03 | BLOG×記事
1997年に東京と九州を結ぶエアラインとして設立され、
2002年の東京-宮崎線への就航を皮切りに、現在では
東京-宮崎、熊本、長崎、鹿児島、大分の5路線、
沖縄-宮崎、熊本、長崎、鹿児島の4路線で一日54便を運航している
スカイネットアジア航空が、新ブランド「ソラシド エア」として
生まれ変わることを発表しました。


ロゴのコンセプトは「人と人とが向き合うとき、笑顔が生まれる」。垂直尾翼
のロゴマークは、2色のグリーンで人が向き合っている姿と、同時に全体で
大きな笑顔を表わしている。ピスタチオグリーンは緑豊かな九州をイメージ
して採用された。


このほどスタートさせた中期事業計画(2年計画)では、
新型機としてボーイング737-800を6機導入する予定ですが、
今回のCI はこれにタイミングを合わせたもので、7月中旬に就航の1号機以降、
新型機はもちろん既存の機体にも順次新しいカラーリングが施され、
客室乗務員や地上スタッフのユニフォームなども一新されるそうです。
-800型機の受領予定は1号機に続き11月、2012年3月に各1機ずつと
2012年度中に3機で、その間に現有のボーイング737-400 10機のうち3機を返却、
2年後の-800型機6機、-400型機7機の計13機態勢を目指すとのことです。


キャビンも明るいイメージ。ボーイング社のスカイインテリア(LED)を国内で
初めて採用した。


5月12日、羽田空港第2旅客ターミナルで行なわれた発表会では、
日本のエアラインとしては非常に珍しい「ソラシド ピスタチオグリーン」という
グリーン系のコーポレートカラーと、英語表記のブランドロゴを
機体側面と下面にまで記入するという大胆な機体デザインが注目を集めたほか、
斬新なデザインの新ユニフォームもアピール度充分。
居合わせた空港利用者にも好評のようでした。


グレイを基調に、ピスタチオグリーンのアクセントを配した新ユニフォーム。 

なお「ソラシド」とは、新ブランドのコンセプトである
「空(ソラ)から笑顔の種(シード)をまく。」からとった造語で、
同時に音階の「ドレミファソラシド」のソラシドとかけて
上昇するイメージを表現しているとか。
約1時間におよんだ発表会は、伊東正孝社長の
「第2の創業とも捉えている。さらなる飛躍を目指したい」
との決意表明で終了しました。


社長を中央に記念撮影。下面のロゴは乗客やファンへのアピールを考えて。 
 
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