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航空専門誌の文林堂『航空ファン』&『世界の傑作機』公式ブログ

日本に関連する米英の空母情報

2021-08-27 18:52:33 | BLOG×記事
いよいよ映画『トップガン マーヴェリック』の公開が11月に決まったり、
身近な話としては海上自衛隊の護衛艦「いずも」に
F-35Bを搭載して運用することができるようにする一次改修が終わるなど、
空母関連の話題も少なくありませんが
(ただし編集部では「いずも」のF-35B運用に準ずる改修をもって、
これを「空母化」と単純に表現するのには抵抗があります)、
そんななか、日本を取り巻く空母の話題がにわかに盛り上がっています。

まずは米海軍のUSSカール・ビンソン(CVN-70)が横須賀に寄港するとの発表があり、
明日の午後、入港するようです。
ビンソンはCSG-1(第1空母打撃群)の旗艦として
8月2日にカリフォルニア州サンディエゴを出港、
先ごろFDNF(前方展開海軍部隊)所属のUSSロナルド・レーガン(CVN-76)が不在の
第7艦隊担当区である西太平洋/インド地域に入りましたが、
搭載されるCVW-2(第2空母航空団)には
F-35Cを装備するVFA-147 ”Argonauts”とCMV-22Bを装備するVRM-30 ”Titans” Det.1が
組み込まれており、両機種にとっては今回が初のディプロイメントであることから、
日本にも初お目見えとなります。
また、同航空団には以前厚木に展開していた時代のCVW-5に長らく所属していた
VFA-192 ”Golden Dragons”(現在はF/A-18E)、VAQ-136 ”Gauntlets”(同EA-18G)も
所属しており、両隊にとっても里帰り寄港となります。




一方、イギリスを出発してアメリカやオランダとの合同打撃群CSG21を編成、
7ヵ月のディプロイメントを実施している英海軍空母HMSクイーン・エリザベス(R08)も
西太平洋地域に入っており、先ごろ米海軍や海上自衛隊とフィリピン海周辺で
演習を行なっています(写真中央がクイーン・エリザベス。
向かって左が米強襲揚陸艦アメリカ、右が海上自衛隊ヘリ搭載型護衛艦いせ)。
エリザベスについても9月に横須賀に寄港するとのアナウンスが出ていますが、
日程などの詳細は発表されていません。




そして本来横須賀を母港とする米空母USSロナルド・レーガンは、現在、
FDNF空母として2003年の「オペレーション・イラキ・フリーダム」参加以来となる
北アラビア海ディプロイメントを行なっています。
当時はF-14AやS-3Bも配備されていたCVW-5ですが、
現在の戦述機はすべてスーパーホーネット系に一本化され、様変わりしています
(当時の搭載空母はUSSキティホーク)。
北アラビア海で第5艦隊の指揮のもと「オペレーション・フリーダムズセンティネル」に
参加中のレーガンですが、アフガニスタンの政権崩壊にともなう政情不安などもあり、
今後が気になるところです。

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ブルーインパルス、三重とこわか国体での飛行中止に

2021-08-25 14:10:26 | 告知&ニュース


各種報道で皆さんご存じだと思いますが、昨日8月24日、
東京2020パラリンピック競技大会の開会日にあわせてブルーインパルスが飛行、
同大会のシンボルマークであるスリーアギトスのカラーをイメージした
緑、青、赤3色のスモークの航跡を東京上空に残しました。

今回のフライトについても、9月21日発売の『航空ファン』11月号での
ご紹介を予定しています。

新型コロナウイルスの感染拡大も懸念されるなかでの大会ですが、
今後約2週間、パラリンピアンの皆さんが安全に、
力いっぱいの競技が実施できることを願っています。

なお、この新型コロナウイルスの感染拡大が全国的に広がっていることから、
『航空ファン』10月号のL&Iコーナー(P.140)でお伝えした
三重とこわか国体でのブルーインパルスの展示飛行(9月4日)は
中止されることとなりました。
国体そのものについても中止されることになる模様です。
https://tokowaka.pref.mie.lg.jp/0000001447.html

また、同10月号のL&Iコーナー(P.141)でご案内している
航空科学館の催事「航空ジャンク市」(9月11、12日予定)も
延期が発表されました(延期後の日時は、現状未定です)。

同じく、航空科学館の催事「夢へのフライトプラン~航空学校説明会~」
(9月23日予定)は、中止が発表されました。



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東京上空のカラースモーク

2021-08-21 12:14:21 | BLOG×記事
発売中の『航空ファン』10月号で紹介しているとおり、
今回の東京上空でのオリンピック・パラリンピックフライトでは、
昨年の聖火到着式に続いてブルーインパルスはカラースモークを使用しています。

ブルーインパルスは、このカラースモークについては
F-86Fの時代から1990年代の終わりごろまで使っていましたが、
環境への配慮などさまざまな事情からその後使用されなくなり、
ホワイトスモークでの展示が20年以上続いてきました。
今回、東京オリンピックの開催が決まって以降、
五輪を描くことを想定してカラースモークを復活させたわけですが、
じつは「復活」といっても以前のものとはまったく違う新開発となっています。

以前のカラースモークは白いスモークの元になる
発煙油(スピンドルオイル。本来の目的は工業製品の加工などに使用される切削油)に
それぞれの顔料(染料)を混ぜたもので、航空祭の前週に整備小隊でその混合作業を実施、
ドラム缶に入った発煙油に一斗缶から顔料を注入し、
丹念に攪拌するという作業を毎回行なっていました。
それでも顔料は沈殿してしまうため、機体に給油する直前、
各機の近くまでオイルを運ぶ際には、あえて足で蹴とばしながらゴロゴロ転がして
最後の攪拌をする作業を見ることができました。
ちなみに、そうした作業をしても、状況によっては
顔料の小さな粒が地上まで落ちてきてしまうことがあったようです。

今回のカラースモークは、防衛省と契約した企業が新たに開発した、
粒子が細かく、揮発性の高いものとなっています。
発色にはエンジンの排気温もかかわってくるそうですが、
今回のフライトで五輪が鮮やかに描くことができなかった大きな理由のひとつは、
その環境に配慮した揮発性の高さで、
ノズルから噴出された後、予想以上に早く霧散してしまったことが
上げられるのではないでしょうか。
第11飛行隊ではこうした状況に対応すべく、
オリフィスと呼ばれるスモークオイルの噴射ノズルに取り付けられる噴射口の径も
少し太いものに変更しましたが、今回は上空にあった雲や、
その高度域にあった微風の影響を受けたこともあり、
思った効果が発揮されなかったのでしょう。
しかし航過飛行のパートでは、カラースモークを曳いて飛ぶブルーに対して
各所で大歓声や拍手が絶えませんでした。
コロナ禍におけるオリンピック開催に対するさまざまな意見はありましたが、
少なくともブルーインパルスのフライトに明るい気持ちになった人々が
一定数いたことは、間違いないようです。



ところで、今月号の表紙の上に配置したオンボードカメラの写真を見て、
気になることがありませんか? 
編集後記にも書きましたが、ノーマルT-4の後方につく機体の
尾翼に見えるポジションナンバーが、いつもと違うのです。
本来なら画面右、左翼側には2、5番機、画面左の右翼側には3、6番機の順でつくはずが
(画面に写っていない編隊長直後は4番機)、
4、2番機、6、3番機の順に並んでいるのです。
これは、カラースモークの見栄えを調整するための措置で、
今回編隊長機以外の全機が、いつもと違うポジションで編隊を組みました。

ちなみに、今回の展示のなかで行なわれた五輪を描く
「オリンピックシンボル」という課目は、
航空祭などでもたまに見るサクラという課目をアレンジして、
6機で5つの輪を描く構成になっています。
つまり6機のうち1番機だけは、スモークを出しません。
1番機は基準となるため、進入経路を確定させるとスモークを出さずに円を描きます。
そのほかの5機は進入時に徐々に間隔をとり、
サクラとは少し違う位置に占位して五輪マークに見える位置で1周するわけですが、
そのときの位置は下から見上げて左上(青)が3番機、真ん中(黒)が5番機、
右上(赤)が2番機、左下(黄)が6番機、右下(緑)が4番機となります。
そこで、そのスモークのまま通常の編隊を組むと、
下から見上げると左から黄、青、緑、赤、黒となってしまい、
オリンピックカラーのイメージと違ってしまうので、青、黄、黒、緑、赤と
並ぶように航過飛行の際にはポジションを入れ替えて
ワイドデルタ隊形を組んでいたというわけなのです。
いつもと違うポジションで臨み、長時間その態勢を維持する編隊飛行は
けっして簡単ではなさそうですが、それもしっかりとこなすあたり、
さすがブルーインパルスという印象です。

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別冊『F-4EJ/RF-4EファントムⅡの50年』誌上販売受付は8月30日まで

2021-08-20 17:30:40 | BLOG×記事


好評発売中の別冊『F-4EJ/RF-4EファントムⅡの50年』で実施中の
誌上限定販売企画、航空自衛隊F-4フェアウェルパッチ & Tシャツですが、
申し込み締め切りが迫っていますので、
いつものごとく再度ご案内させていただきます
(誌上限定販売では毎回締め切り後の購入希望問い合わせをいただきますが、
ご注文を承ったうえでの限定生産となるため、
事後の追加注文はお受けいたしかねます。ご注意ください)。

今月下旬、8月30日の営業時間中に全国の郵便局(ゆうちょ銀行)からお申し込みください。

Tシャツはホワイト、ライトグレイ、ダークグレイの3種類。
しっかりしたつくりの5.6ozコットン製となっています
(少しゆったりめのアメリカンサイズですが、サイズの詳細は誌面P.112をご確認ください)。
またパッチは全9種類、すべて裏面にベルクロ(面ファスナー)のオスが縫い付けられています。
皆様のご注文をお待ちしております。

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8月24日、パラリンピック開会日にブルーインパルスふたたび東京の空を飛ぶ

2021-08-20 14:27:57 | BLOG×記事


来週火曜日の8月24日、東京2020パラリンピック競技大会の開会日に際して
ブルーインパルスによる展示飛行が行なわれますが、
今週、航空自衛隊はその概要を発表しました。
ブルーインパルスは本日入間基地への前方展開を完了し、今回も都内を6機で航過飛行します。
また21~23日のいずれかに事前の訓練飛行を行なう予定になっていますが、
その日程や当日の時間についてはオリンピック時同様現時点では明らかにされていません。

航空自衛隊では今回の展示飛行に際して
「特定の場所でシンボルを描く飛行は実施しません」と発表しています。
ただし、松島基地での訓練の状況などを見ていると、
この航過飛行中にパラリンピックをイメージさせるようなフライトも
盛り込まれる可能性がありそうです。

なお、全国的に新型コロナウイルスの感染拡大が急速に進んでいます。
事前訓練や当日の展示飛行の見学をお考えの方は、くれぐれも感染対策や
周辺への配慮に、充分お気を付けください。

7月23日のオリンピック開会日に実施されたフライトに関しては、本日20日発売の
『航空ファン』10月号の表紙から巻頭で詳しく紹介していますので、
ぜひそちらもご覧ください。

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