前日、三井編集長がセントレアに着陸したB.787試作初号機の取材に行ったばかりのところ、
私こと神野が、昨夜は名古屋空港に急きょ出張することになりました。
というのも、6月1日深夜にダイバートしたソーラーインパルス2が
ついにハワイに向けて離陸するとの案内が届いたため。
離陸は空港のトラフィックがない0230時の予定で、2100時の最終天候ブリーフィングでも
OKの判断、2230時に集まった報道陣と、大村愛知県知事、ブーヘル在日スイス大使の前に、
深夜を過ぎたころ、まもなく太平洋横断に向かうアンドレ・ボルシュベルク氏が
その姿を現わし、セレモニーとインタビュー対応などが行なわれました。
その後、報道陣の前にモバイルハンガーから出てきたソーラーインパルス2が登場、
飛行準備と出国手続きを済ませたボルシュベルク氏が機体に乗り込みます。
B.747より長いウイングスパンは近くで見ると圧巻で、すでにLED照明も一部点灯しています。
このLED照明、消費電力はごくわずかだそうで、また離陸を前にモバイルハンガーの
白い屋根を通してしっかりと太陽光で充電は完了しているとのこと。
ソーラーインパルス2の準備は万端です。
プリフライトチェック後、サポートスタッフの手で滑走路に移動したソーラーインパルス2は、
離陸のときを待ちます。
がしかしここでモナコのMCC(ミッションコントロールセンター)から、ハワイの沿岸付近は
到達が予定される5日後ごろの天候が芳しくない方向に推移していると入電。
判断をするために30分の離陸延期が発表され、またさらに0400時まで待機が続きましたが、
残念ながらこの日の離陸はキャンセルが決定。
撤収の始まっていたモバイルハンガーもその作業を中断、再度組み立てられることが決まり、
機体もエプロンに戻ってきました。
取材をしていた立場としては、もちろん離陸の瞬間を見ることができず残念ではありましたが、
県知事やスイス大使の見送りを受け、パイロットは出国手続きまで済ませたにもかかわらず、
冷静に状況を分析、ギリギリまでねばって安全を優先した正しい判断を下したチームの
プロフェッショナリズムを見た気がしました。
チームの広報担当は「今日離陸できなかったのは残念ですが、記録飛行はまだまだ続きます。
私たちもインターネットや報道の皆さんの力を借りて最新の情報を発信し続けていくので、
どうか引き続きプロジェクトを応援してください」と話していました。
ソーラーインパルス2のホームページは
http://www.solarimpulse.com/、また
フェイスブックやツイッターでも最新の情報を逐次更新しているので、
皆さんもぜひ今後の動向にご注目ください。
なお、この取材が急きょ入ったため、昨晩予定していた『翼TV』とのコラボ企画、
ニコニコ生放送「航空ファン8月号情報トーク」もなんと名古屋から放送となりました。
同じくソーラーインパルス2の取材に行った岩吉プロデューサーに加え、
ゲストに赤塚 聡カメラマンにも参加いただき、賑やかな番組配信となりましたが、
放送場所も、名古屋空港内のNPO飛行クラブ、スカイシャフト21のハンガーという、
いままでにない、カッコいいシチュエーションでの放送となりました。
なお、スカイシャフト21はライセンスを持っていない人でも会員になることができるクラブ。
いろいろな職業の方が参加しているということなので、興味のある方はぜひ
ホームページをご覧いただければと思います。
昨夜快く場所をお貸しいただいたスカイシャフト21の皆さん、急なゲスト出演をいただいた
赤塚カメラマン、本当にありがとうございました。 (神野)