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祝。日経平均株価2万円達成。で、本当のところ喜ばしい中身なのか?

2015年04月11日 11時01分06秒 | 日記
 10日の日経平均株価が20,000円に到達したという話題が、夜のTVニュース報道でも盛んに取り上げられた。

 日本経済が順調に成長しての結果であれば、世の中本当に金廻りの良い、結構な話であるが、筆者が世間の購買力の状況を判断するためにウオッチしている、自動車の新車販売の速報値などは、依然として低迷の極みだ。

 新車の中では価格や維持費の安い軽自動車が新車販売上位10車種のうち半分以上を占めている。(もっとも最近の軽自動車は結構、高価格の車も存在しているが)

 中古車市場も低迷している。売れ残った中古車が、海外に輸出されている台数が、大幅に増えているという。

 どちらにしても耐久消費財の動きを見る限り、世の中そんなに景気の良い話が見えないのだ。

 昨夜のTV東京のWBS番組では、今後の株価の動きの予測として、2万6千円程度まで期待できると囃したてていた。

 かっての3万8千円をピークにした頃からの、長期間の株価の乱高下の動きの、大きなグラフまで用意していたので、ボーッとTV画面を見ていると、そうだなと思うが、その後の長い低迷期の株価の動きの中でみてみると、2万6千円は、かなり日本経済が心底強くならないと、とても達成は難しいのではないかと筆者は思った。

 まず、今の2万円の瞬間達成にしても、GPIFや郵貯、かんぽ、共済年金、日銀等、寄ってたかっての公的資金の投入の結果の官製相場であり、11日の東京新聞の解説記事などは、「5頭のクジラ」が買い支え と銘打って大きく紙面を割いている。

 まあこの株価についてのまっとうな評価は、東京新聞の社説が筆者には一番納得できたので、お読みください。


(東京新聞の社説より貼り付け)

株価2万円 危うい緩和マネー相場
2015年4月11日

 東京市場の株価が15年ぶりに一時2万円台に達したのは、世界的な金融緩和でだぶついた投資資金が流れ込んだおかげである。実体経済の好転を伴わないバブル的な「金融相場」は反動が怖い。

 株価は下がるよりは上がった方が良い。株取引をする人だけでなく、広く国民経済的に利益になる。株価が上昇すれば、保有する人の資産が増えて個人消費の拡大につながるし、株式で運用する企業年金などの成績も好転する。企業の体力面も強くしよう。

 だからといって、上昇すれば何でもいいというものでもない。マネーゲームのようなバブル相場や、半ば強引に人為的な引き上げともいえる官製相場は「正しい株価上昇」とはいえまい。いずれ痛いしっぺ返しがあり得る。

 今回の株高が危ういのは、東証一部の売買状況で海外投資家の大幅買い越しが示すように、世界的な余剰資金が主役であることだ。一昨年、日銀が異次元緩和を始めたのに乗じて、海外投資家は株高を演出し、売り抜けて大もうけしたが、その再現を予想させる。

 世界の金融市場では、日銀に加えて欧州中央銀行(ECB)も先月、量的緩和に踏み切り、中国やインドなども金融を緩和した。米国は昨年十月に量的緩和を終了したが、金融引き締めとなる利上げ時期はまだ探っている段階だ。

 今は緩和マネーがだぶついているとはいえ、早ければ六月ともいわれる米国の利上げをめぐり、臆測だけで世界のマネーは大移動する。そういう危うい状況の上に成り立つ一時的な2万円だから手放しで喜ぶわけにはいかないのだ。

 加えてアベノミクスの成長戦略で年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が国民の年金資金を使って株式投資を増やし、日銀は金融緩和の一環で株価指数連動型の上場投資信託(ETF)を買い入れ、いわゆる「官製相場」で株価を支えている。

 株価とは本来、企業の業績や実体経済の姿を映し出すものである。企業業績への期待は高まっているが、このところの円安傾向と、原油安というボーナスに負うところが大きい。消費や投資など実体経済は依然として厳しいままだ。

 それはアベノミクスが機能していない証左でもある。

 実体経済のカギを握る消費を好転させるには働く人の所得増と非正規労働の縮小が欠かせない。経営者寄りのアベノミクスは真逆なのである。

(貼り付け終わり)