沖縄県知事選渠の立候補予定者が、仲井真弘多現知事、翁長雄志那覇市長、下地幹郎元郵政民営化担当相に加えて、民主党県連代表の喜納昌吉氏が知事選への出馬を正式に表明した。
さすがに地元のメディアも、この顔触れの立候補予定者に困惑気味だ。
今日26日の沖縄タイムス電子版の社説に、≪[混とん県知事選]なんでそうなったのか≫と題して掲載している。
≪菅義偉官房長官は記者会見で、埋め立ての是非は「争点にならない」と語った。沖縄の人々の切実な思いを無視した不遜な発言と言うしかない。有力4氏は、辺野古移設問題について、「推進」「反対」「県民投票」「承認撤回」など、4者4様の公約を掲げている。違いは鮮明だ。≫
どちらにしても、辺野古沖埋め立てが争点になっているのは、県民の関心事としては当然の事であろう。
まだ選挙まで1ヶ月半ほどあり、どのような事態になるのか予断を許さないが、推進派は仲井真弘多知事であり、その他3名は移設反対派であると思える。しかし、このまま選挙に流れ込むと、反対派の票が割れる事になり、なんとも予測がつかなくなる。
このままでは安倍晋三首相、菅義偉官房長官の二人の高笑いが聞こえてきそうだ。
本土の中央メディアが、特に最近は政府見解に同調する御用メディア臭くなっているだけに、沖縄地元の琉球新報、沖縄タイムス二紙は、ジャーナリズム魂を堅持しているように見えるが、どのような方向に、県民の動きを伝えていくか見ものである。
(沖縄タイムスより貼り付け)
社説[混とん県知事選]なんでそうなったのか
2014年9月26日 05:30
県知事選をめぐって前例のない政治状況が生まれている。こんな選挙、過去にあっただろうか。
民主党県連代表の喜納昌吉氏が知事選への出馬を正式に表明した。仲井真弘多知事、翁長雄志那覇市長、下地幹郎元郵政民営化担当相はすでに立候補を明らかにしており、県内政治に大きな影響力を持つ4氏が知事選に名乗りを上げたことになる。
民主党本部は自主投票の方針を決めている。喜納氏を公認しない考えだ。喜納氏が予定通り出馬すれば、党本部と県連の亀裂がいっそう深まるのは避けられない。
仲井真、翁長両陣営から熱烈なラブコールを受ける公明党は、この段階になってもまだ最終的な態度を決めていない。
なぜ、こういう複雑な状況になってしまったのか。
米軍普天間飛行場の県外移設を公約に掲げて当選した仲井真知事は昨年12月、県議会や県軍用地転用促進・基地問題協議会など関係機関・団体や県民への事前説明をせずに、辺野古埋め立てを承認した。これが混迷の始まりである。そうである以上、埋め立て承認と辺野古移設の是非が、知事選の最大の争点になるのは当然である。
菅義偉官房長官は記者会見で、埋め立ての是非は「争点にならない」と語った。沖縄の人々の切実な思いを無視した不遜な発言と言うしかない。有力4氏は、辺野古移設問題について、「推進」「反対」「県民投票」「承認撤回」など、4者4様の公約を掲げている。違いは鮮明だ。
■ ■
名護市の辺野古沿岸部では、防衛省によるボーリング調査が進んでいる。
工事を「粛々と」進めることによって後戻りできないような印象を有権者に与え、振興策や基地絡みの財政支出を増やすことによって「辺野古移設やむなし」の空気を広げる-それが政府の基本姿勢である。
だが、政府は見たい現実だけを見て、自分に不都合な現実を見ようとしない。
1996年の返還合意以来、今年で18年になるというのに、今なお、これほど反対が根強いのはなぜか。
沖縄返還交渉に携わった元米国防次官補代理のモートン・ハルペリン氏が指摘するように、困難な外交交渉といわれた日米返還交渉よりもはるかに長い時間を費やしているにもかかわらず、依然として辺野古移設の展望が見えないのはなぜか。無理筋の計画を地元の民意に反して押し通そうとしているからである。
■ ■
有権者の中には「誰が知事になっても変わらない」というあきらめにも似た声がある。本当にそうだろうか。
変わっていないように見えるが、そうではない。
大田昌秀、稲嶺恵一、仲井真弘多ら3知事の対応をつぶさに検証すると、その時々の選挙公約や知事の政策、方針転換などが、日米の取り組みに影響を与え、状況を変えていったことが分かる。
知事のアプローチの仕方が変われば状況も変わる。選挙で選ばれた知事の力は決して小さくない。
(貼り付け終わり)
さすがに地元のメディアも、この顔触れの立候補予定者に困惑気味だ。
今日26日の沖縄タイムス電子版の社説に、≪[混とん県知事選]なんでそうなったのか≫と題して掲載している。
≪菅義偉官房長官は記者会見で、埋め立ての是非は「争点にならない」と語った。沖縄の人々の切実な思いを無視した不遜な発言と言うしかない。有力4氏は、辺野古移設問題について、「推進」「反対」「県民投票」「承認撤回」など、4者4様の公約を掲げている。違いは鮮明だ。≫
どちらにしても、辺野古沖埋め立てが争点になっているのは、県民の関心事としては当然の事であろう。
まだ選挙まで1ヶ月半ほどあり、どのような事態になるのか予断を許さないが、推進派は仲井真弘多知事であり、その他3名は移設反対派であると思える。しかし、このまま選挙に流れ込むと、反対派の票が割れる事になり、なんとも予測がつかなくなる。
このままでは安倍晋三首相、菅義偉官房長官の二人の高笑いが聞こえてきそうだ。
本土の中央メディアが、特に最近は政府見解に同調する御用メディア臭くなっているだけに、沖縄地元の琉球新報、沖縄タイムス二紙は、ジャーナリズム魂を堅持しているように見えるが、どのような方向に、県民の動きを伝えていくか見ものである。
(沖縄タイムスより貼り付け)
社説[混とん県知事選]なんでそうなったのか
2014年9月26日 05:30
県知事選をめぐって前例のない政治状況が生まれている。こんな選挙、過去にあっただろうか。
民主党県連代表の喜納昌吉氏が知事選への出馬を正式に表明した。仲井真弘多知事、翁長雄志那覇市長、下地幹郎元郵政民営化担当相はすでに立候補を明らかにしており、県内政治に大きな影響力を持つ4氏が知事選に名乗りを上げたことになる。
民主党本部は自主投票の方針を決めている。喜納氏を公認しない考えだ。喜納氏が予定通り出馬すれば、党本部と県連の亀裂がいっそう深まるのは避けられない。
仲井真、翁長両陣営から熱烈なラブコールを受ける公明党は、この段階になってもまだ最終的な態度を決めていない。
なぜ、こういう複雑な状況になってしまったのか。
米軍普天間飛行場の県外移設を公約に掲げて当選した仲井真知事は昨年12月、県議会や県軍用地転用促進・基地問題協議会など関係機関・団体や県民への事前説明をせずに、辺野古埋め立てを承認した。これが混迷の始まりである。そうである以上、埋め立て承認と辺野古移設の是非が、知事選の最大の争点になるのは当然である。
菅義偉官房長官は記者会見で、埋め立ての是非は「争点にならない」と語った。沖縄の人々の切実な思いを無視した不遜な発言と言うしかない。有力4氏は、辺野古移設問題について、「推進」「反対」「県民投票」「承認撤回」など、4者4様の公約を掲げている。違いは鮮明だ。
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名護市の辺野古沿岸部では、防衛省によるボーリング調査が進んでいる。
工事を「粛々と」進めることによって後戻りできないような印象を有権者に与え、振興策や基地絡みの財政支出を増やすことによって「辺野古移設やむなし」の空気を広げる-それが政府の基本姿勢である。
だが、政府は見たい現実だけを見て、自分に不都合な現実を見ようとしない。
1996年の返還合意以来、今年で18年になるというのに、今なお、これほど反対が根強いのはなぜか。
沖縄返還交渉に携わった元米国防次官補代理のモートン・ハルペリン氏が指摘するように、困難な外交交渉といわれた日米返還交渉よりもはるかに長い時間を費やしているにもかかわらず、依然として辺野古移設の展望が見えないのはなぜか。無理筋の計画を地元の民意に反して押し通そうとしているからである。
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有権者の中には「誰が知事になっても変わらない」というあきらめにも似た声がある。本当にそうだろうか。
変わっていないように見えるが、そうではない。
大田昌秀、稲嶺恵一、仲井真弘多ら3知事の対応をつぶさに検証すると、その時々の選挙公約や知事の政策、方針転換などが、日米の取り組みに影響を与え、状況を変えていったことが分かる。
知事のアプローチの仕方が変われば状況も変わる。選挙で選ばれた知事の力は決して小さくない。
(貼り付け終わり)