元気な高齢者こそ使いたい電子機器

80歳を過ぎても、日々の生活を楽しく豊かにする電子機器を使いこなそう

実質賃金の上昇が不可欠だが、今年は望めるのか?

2015年03月26日 15時08分00秒 | 日記
 3月26日の日経平均株価は、大幅な下落で始まった。昨日までの予測では今日は配当落ちの権利が取れる最終日である為、今日までは2万円をうかがう株価で推移するのではないかというのが、株屋の予想であった。

 しかし昨日のNY株式市場で、ナスダックも含めての下落相場で終わり、今日の日経平均株価の足を引っ張っているような感じだ。 (日経平均株価 19,471円 ▼275円  26日 大引結果 )

 自動車などの一部の企業を別として、日本の経済が本当に順調なのか、もっと分析する必要がありそうだ。

 住友商事が資源エネルギー関連の投資で、大きな赤字転落を発表しており、これは住商1社の問題ではない。他の大手商社にも大いにかかわる懸念材料なのである。

 原油の値下がりは、日本のメーカーのコストダウンや、個人の購買力にプラスに働くことは事実であるが、シェールオイルの輸入や投資に注力していた商社は、大きな痛手を受けている模様だ。

 東洋経済オンラインに経営コンサルタントの中原 圭介氏が、『安倍政権下で景気回復を実感できない理由 「過去最高水準の賃上げ」に隠れた真実』と題したコラムを掲載されている。

 TV等のメディアなどで盛んに、賃上げの報道がなされていたが、日経紙が調査した数字では、景気が回復していると感じている人は20%にも届いていないという。

 賃上げ報道も、聯合傘下の大手組合の企業の例だけであり、日本全体の企業からすると、たった12%だけの出来事であるのだ。

 そして、なんと言っても、2014年の消費税8%への改正は、実質賃金が増えていなかった状況下で強行された結果、大きく消費行動を落とした結果になっているというのだ。

 筆者もその通りだと思う。 筆者は新規霊園等で、墓石の販売を手伝っていますが、2013年までは、そこそこの金額の墓石を購入されるお客さまも目立ったのだが、昨年4月以降は、潮が引いたように来園客も減少し、求められる墓石の金額も、全般的に下落しており、消費者の財布の紐が堅くなったと実感している。

 中国人観光客の爆買いが、日本人にとっては羨ましく見え、我々の生活が縮こまっているのを、実感している人達が多い事でしょう。

 アベノミクスは決して成功した政策でもなく、儲かった人たちの余禄が滴り落ちるという、トリクルダウンも全くのでたらめだったのです。

 ただ、アベノミクスの政策には一言もなかった、原油価格の大幅ダウンの影響は非常に大きい。

 恐らくこのまま継続し、今後まだ一段と下がる可能性もあり、原油コストの値下がりは、ガソリン代などの値下がりなどに反映し、庶民の実質賃金上昇と同じ効果を生む事は間違いないと、筆者は見ている。

 しかし、これは安倍政権の行動の成果ではなく、中東原油とシェールオイルのガチンコ大増産競争の結果であり、労せずして得たボーナスと考えておくべきでしょう。(笑)

(東洋経済オンラインより貼り付け)

安倍政権下で景気回復を実感できない理由
「過去最高水準の賃上げ」に隠れた真実

中原 圭介 :経営コンサルタント、経済アナリスト
2015年03月26日

 読者の皆さんは景気回復を実感しているでしょうか。先日の日本経済新聞では、日経とテレビ東京が実施した世論調査において、景気回復の実感を聞くと、「実感していない」が81%にものぼったとの報道がありました。

 一方、「実感している」は13%にとどまったこと、アベノミクスを「評価する」は39%で、「評価しない」の41%と拮抗したことなどを同時に報じています。私もいろいろな場で「アベノミクスの恩恵を受けているのは約2割の人々に過ぎない」と訴えてきましたが、この世論調査でも概ねそれに近い結果が出ています。

●「過去最高水準の賃上げ」の真実

 連合の調査では、2014年春の労使交渉において、定期昇給とベアを合わせた賃上げ率は2.07%と、1999年以来の高さとなりました。2015年春の労使交渉においても、主要企業では過去最高水準の賃上げが相次いでいるようです。このままいくと、2014年と同じ水準、あるいはそれ以上の賃上げが達成できることになるでしょう。

 こうした報道を見ている人の中には、日本経済に明るさが戻ってきたように感じられる方もいるかもしれません。

 ところがこれは、連合に加入する労働者に限った話であり、その割合は日本全体の労働者のわずか12%程度にすぎないのです。つまり、メディアで盛んに取り上げられている「過去最高の賃金上昇」とは、労働組合がない企業の労働者は含まれていないわけで、賃金の大幅上昇はごく一部の大企業だけで達成されていることなのです。

 昨年の2014年も「2%の賃金上昇を達成した」という話題が、多くのメディアで取り上げられましたが、実のところ、日本全体では2014年の名目賃金は前年比で0.8%しか上昇していませんでした。そんななかで消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)が3.3%も上がったために、実質賃金は2.5%も下がってしまっていたわけです。

●本来2014年は消費増税に耐えられる環境になかった

 2014年の実質賃金の下げ幅はリーマンショックの影響を受けた2009年以来、過去2番目の大きさになっています。ちなみに、2013年の消費者物価指数は前年比で0.5%上昇したのに対し、名目賃金は0.0%とまったく伸びなかったために、その結果として、実質賃金は0.5%下がってしまっています。つまり、とても2014年4月の3%の増税に耐えられる環境ではなかったのです。

その一方で、前回の増税前にあたる1996年には、消費者物価指数が前年比で0.0%の伸びにとどまったのに対して、名目賃金は1.1%増えていました。

 つまり、2013年とは異なり、実質賃金は1.1%増えていたので、家計は増税前に購買力を蓄えることができていたのです。

 だから、1997年の4月の消費増税直後は、経済指標は悪くありませんでした。実際に、1997年4―6月期のGDPは前期比で増加していましたし、株価は経済指標の好調さを予想して5月に高値を付けていたくらいなのです。

 その後、7月からのアジア通貨危機や11月からの金融システム危機により、経済指標は急激に悪化していくことになりましたが、少なくとも1997年の増税は、外部的要因がなければ失敗ではなかったわけです。

 その時の状況をよく分析もせずに、単純に1997年と2014年の増税を同じケースとして括ってしまうのは、明らかに誤りで稚拙な考えです。

 2つのケースではそれぞれ、実質賃金という重要な指標が真逆の方向を示していたのです。そして、そういう誤りをしているからこそ、政治家は政策を見誤り、経済識者は経済見通しを大きく外してしまうわけです。

●国民目線で経済を見る場合に、実質賃金はとても重視すべき指標です。

 政府の「経済の好循環実現に向けた政労使会議」における内閣府提出資料によると、デフレが本格化した2000年以降の実質賃金の推移は、名目賃金が年平均0.8%減、消費者物価指数が0.3%減とされています。

 つまり2000年代に入ってからの日本の実質賃金は年平均で0.5%減少を続けているという計算になります。

 ただし、名目賃金の下落のおよそ3分の2がアメリカの住宅バブルの崩壊と、その後のリーマンショックの影響であったことを考えると、実は日本の実質賃金は外部的な要因を除くと、2000年~2012年のデフレ期でほとんど下落していなかったことがわかります。

 そして、4月に発刊になる『格差大国アメリカを追う日本のゆくえ』(朝日新聞出版)でも触れましたが、何よりも危惧すべきは、2012年末以降の第2次安倍政権誕生後の実質賃金の下落率や下落幅が2007~2009年の一連の金融危機のときに迫る勢いであったということです。

 これが安倍政権誕生から2年以上が経った、日本経済の実態なのです。

(貼り付け終わり)

コメントを投稿