世界的に右派系の指導者が台頭している。 ブラジルの大統領選でも、極右・社会自由党のジャイル・ボルソナロ下院議員が大差をつけて勝利した。 前大統領の政権の汚職などの腐敗の要因も大きい。
今回はドイツのメルケル首相が、各州の議会選挙で与党議席を減らす結果になって、キリスト教民主同盟(CDU)の党首を去る決断をしたという。
各国で見られる右派勢力の台頭の大きな原因は、中東からの移民受け入れ政策の影響も大きいと筆者はみる。
シリアなどからの数万数十万人の難民が押し寄せ、さすがに各国の住民も、移民受け入れを表明するメルケルなどの政策に、ノーを突き付けているのだろう。
難民の多くは宗教的にはイスラム教徒がほとんどであろうし、キリスト教国の市民とすんなりと溶け込むのは難しいことも予想される。
人手不足のドイツなどは、移民の受け入れには抵抗は少ないとはいえ、移民により仕事の場を奪われるという不安を持つ市民も多いのは間違いないだろう。
難民や移民の増加は、中東諸国の政治の不安定がもたらしたのが原因であるだけに、中東の政権側や反政権側など、欧米の政治的な思惑での関与が、より大きな混乱をもたらしているともいえる。
政治権力により宗教まで利用されるだけに、今こそ真の宗教界の指導者が大きな声を上げる必要が急務なのだが、ほとんどそれらしい声が聞こえてこないのが、なんとも寂しい時代だ。
(ロイターより貼り付け)
メルケル独首相、CDU党首再選を目指さず 首相も現任期限り 2018.10.29
[ベルリン 29日 ロイター] - ドイツのメルケル首相(64)は29日、12月に開催されるキリスト教民主同盟(CDU)の党大会で党首としての再選を目指さず、首相も4期目の現任期限りとする意向を示した。メルケル首相は2000年からCDU党首を、2005年から首相を務めている。
首相の決断の背景には、今月14日のバイエルン州、28日のヘッセン州の州議会選挙で与党が議席を大きく減らしたことがある。
メルケル首相は会見で、ヘッセン州議会選挙でのCDUの結果は失望させられるものだったと総括。バイエルン州、ヘッセン州両州の選挙は連立政権にとって転換点となったと述べ、昨年の連邦選挙以降に起こったことに対し責任をとると表明した。
メルケル首相は「まず12月にハンブルクで開催されるCDU党大会で党首に立候補するつもりはない」とし、「2番目に、首相としても今の4年の任期が最後である。2021年の連邦選挙で首相候補としても連邦議会の議員にも立候補しない」と述べた。
2005年の首相就任以来、メルケル氏はユーロ圏危機や難民・移民問題など、欧州のさまざまな難局への対応で主導的な役割を果たしてきた。