情報へのアクセス
【第32条】
1 何人も、以下の情報を得る権利を有する。
(a) 国が保有するあらゆる情報
(b) あらゆる権利の行使または保護に必要とされる他人が保有するあらゆる情報
2 この権利を実効化するため、国の法律が制定されなければならず、その法律は国の行政的及び財政的な負担を軽減するための合理的な手段を提供するものとする。
本条から第34条までは、個人の法益のために、公権力の何らかの行動を要求する受益権の規定であるが、筆頭は情報公開請求権である。簡単な規定であるが、国に対しては全面的に、私人に対しても一定範囲の情報開示を請求できる包括的な規定である。
公正な行政行為
【第33条】
1 何人も、合法的で、合理的かつ手続き的に公正な行政行為を求める権利を有する。
2 行政行為によってその権利に不利な影響を受けるすべての人は、書面で理由を示される権利を有する。
3 これらの権利を実効化するため、国の法律が制定されなければならず、その法律は次のようなものでなければならない。
(a) 裁判所、または必要に応じて独立かつ公平な審判所による行政行為の審査を提供すること。
(b) 第1項及び第2項の権利を実効化する義務を国に課すこと。
(c) 効率的な行政を推進すること。
本条は公正な行政行為を求める権利の規定である。第2項によれば、不利な行政行為を受ける場合は書面による理由の開示を要求することができる。これは、前条の情報開示請求権の補充規定でもある。第3項a号の行政行為に関する司法審査は、次条の裁判を受ける権利の先取り的な特則となっている。
裁判を受ける権利
【第34条】
何人も、あらゆる紛争について、裁判所、または必要に応じてその他の独立かつ公平な審判所もしくは審査会における公開の聴聞で決定される法の適用によって解決される権利を有する。
公開裁判を受ける権利の規定であるが、狭義の裁判所に限らず、必要に応じて独立かつ公平な準裁判機関による審査を受ける権利も含まれている。