対局日誌

ネット囲碁対局サイトでの、私の棋譜を記録していきます。
全くの初級者がどう成長していくか、見守ってください。

不適切な関係?

2006-12-25 23:55:55 | 雑談
図1

図1にある時、ふと疑問が生じた。
勿論、これが定型であることは九十九も承知。
実際、第2期棋聖戦でも登場したことを知っている。

私が感じた疑問というのは、この定型が割と早い段階、初級者の頃に教えられる。
そのことについてである。
そういえば2年前、このブログを始めた時の私も、この定型から派生する形に、あれこれ想いを巡らせ、記事を書いていたことを思い出す。
思えば遠くに(?)きたもんだ?

まず第一にコスミツケそのものが、ややユルミ。
これは「定石がわかる本」で石田先生が述べておられる。

二つにこう打つ初級者は、石を「攻めよう」と思って打つのだが、これは「攻める石にツケるな」のセオリーに反するということ。

さらにタチの悪いことに、こうして攻めてもまず初級者は石を取ることが出来ない。
勿論取るのが目的でなく、「石を重くすること」、「その背中を利用しての二次的な模様形勢」が真の目的であるのだけれど、そんな考え方が出来るようになれば、既に9子の碁でない思うのだ。

加えて図1までは容易に実現するが、以降は状況に応じて打たねばならない上に、上手い人は地すら与えてくれない。

で、これで取れないとわかった初級者はどうするか。
図2

このように地を確保しに行くのである。

図3

一方で互先では、こういう定石を編み出す。
これは黒5までは容易に出現するため。
その簡明さと、大きくみえる隅が人気の秘密だろう。

どちらも考え方さえ一貫性があれば、悪いとは私の口からは言いにくいけれど、最早その原型の思想は失われたいえよう。

初級者に教えるならば、図1の黒2で黒Aのボウシでないかと思うのだ。
これとて決して容易な手法ではないし、場合の手という意味も強いのだけれど、一応はツケてはいないし、「石を関連させる」「石を囲う」という囲碁本来の思想が活きている。
梶原武雄プロや藤沢秀行プロが推奨している形だが、コスミツケより根幹的に優れていると感じる。
初級者を強くしたいなら、こっちだ。

大体、初級者というものはほっといても石をツケて打ちたがるもの。
それをさらに促すような黒1は、5子とかその辺りまで上達してからでも遅くはないのではないだろうか?