対局日誌

ネット囲碁対局サイトでの、私の棋譜を記録していきます。
全くの初級者がどう成長していくか、見守ってください。

定石後の打ち方(棋書評)

2006-12-07 22:15:55 | 棋書


定石後の打ち方」(棋苑図書:韓国棋院編)

先日紹介した「定石後の打ち方」は(韓国)プロの棋譜を題材に、定石後の攻防を学ぼうというものだが、出てくる定石(布石)は(韓国)プロの世界で一時流行したものとはいえ、「基本」とは言えないやや難しめのものが多く、大ナダレや妖刀(二間高バサミ)まで出現する。
解説も別段わかりやすかったり、親切なわけでもなく、おおよそ級位者にはオススメできない。

有段者にとっては、節ごとの問題図までの手順も記されているので、これはこれでプロの実戦における、序盤進行の裏側を知ることが出来て面白い面はある。
戦闘定石(布石)も多く、戦いの勉強にもなるので私も面白く読んだ。

だがあまりに我々の碁での出現率が低い図が多く、正直(日本の)アマチュアにはあまり実際的でないと思う。
加えて先日指摘した以外にも、
(P.76、第10図)「定石後の双方の最善」と書かれている図が、「筋違い」とあった。
(P.116 第8図)「手順中、黒3で8とホウリコメば…」→「黒7で8」の間違いと思われる。
(P.179 第10図)「黒は3でdと戦うべきでした。」→dがない。
(P.231)文の最後が切れている。
(P.240 第16図)白石が一つ抜けている。
と間違い(?)も豊富。
もっとも「この程度ならば」哀しいことに、棋書の世界では珍しくないけれど…。
あくまで実戦進行を解説するのが目的で、何か普遍性のあるものが記されているという感じはしない。
結論で優劣がついてしまっている型も多く、読者がタイトルから期待する「定石後の打ち方」というのとは、ちょっと違うのではなかろうか?

本当に我々がよく使う定番の定石後の打ち方を知りたいならば、同じ棋苑図書から発売されている大竹英雄プロの本、「星の基本定石後の決め方」「小目の基本定石後の決め方」の方が適切だと思う。
もっとも大竹プロの本の方には、索引がないので一長一短とも言えるが…。