対局日誌

ネット囲碁対局サイトでの、私の棋譜を記録していきます。
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新刊棋書情報「覚のサバキ」

2006-12-23 22:15:15 | 棋書
日本棋院から待望の刊行、有段者囲碁選書第2弾!
一撃三変 覚のサバキ」(小林覚著)が発売された。
韻を踏んでいるのね?
ライターは相場一宏氏。

まず「一撃」とは、相手の勢力圏内に深く「踏み込み」(=打ち込み、キリ、ヒット)、戦局を混戦化させるということらしい。
その「一撃」に対して相手がどう応じるかによって、
「すぐ動く」(=シノギ、攻め、ヒットアンドラッシュ)、
「捨てる」(=サバキ、ヒットアンドアウェイ)、
「フリカワる」(=ヒットエンドラン…違う…)
を使い分けるというが「三変」の意味。
というわけで題名の「サバキ」だけをテーマに、扱っている訳ではないようだ。
どちらかといえば「踏み込ん」で「相手を自分のペースでコントロールしよう」というのが、本書の主眼の模様。

節ごとの形はほぼ統一されており、まず覚プロの実戦から選ばれた次の一手問題が出される。
その裏に問題図が出来るまでの、初手からの手順が掲載。
そして正解や不正解図を交えて、解説していくというオーソドックスな形だ。
同じ囲碁選書の「高尾の力学」から、本因坊戦自戦解説を除いた形式と思って貰って、間違いないだろう。

ただ1題目を試しに解いたところ、「高尾の力学」に比べて非常に難しく感じた。
解答を読んでも、今ひとつよくわからない。
柔軟性が要求される高度な手法であるためか、あるいは棋風の違いか?
少なくとも私のレベルでは、お目にかかった(認識した)ことがないテクニックなのは確か。
故に内容の善悪は判断できないが、感触としては有段者以上の棋力は必要とされそうだ。
読者に媚びない、興味深い内容であるのは評価するが、いつになったら読めるレベルに達するのやら…。

「踏み込む」が4題、「すぐ動く」「捨てる」がそれぞれ8題、「フリカワる」が7題掲載。
類型の少なさから、具体的な細かい手順よりも、感覚を体得させるのが狙いだと思われる。