MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

No.101 「ブラック・ダリア」 (2006年 米 121分 シネスコ)

2006-10-21 01:10:31 | 2006年劇場鑑賞
監督 ブライアン・デ・パルマ
出演 ジョシュ・ハートネット
    アーロン・エッカート
    スカーレット・ヨハンソン



私の好きな映画監督を挙げるとするなら、アルフレッド・ヒッチコック、ダリオ・アルジェント、そしてブライアン・デ・パルマをいつも挙げます。
この3人に共通するのは一つはサスペンス映画を得意とする巨匠である事と、その独特の感性からくる映像ですね。
特に変幻自在なカメラワークや凝った構図はいつもながら感心させられますが、特にこのブライアン・デ・パルマ監督はストーリーよりも映像の方が印象に残ったりすることもしばしばありますが、分割画面や数分間に及ぶロングショットや一人称カメラなどなどトリッキーなテクニックを毎回駆使してサスペンスを盛り上げてくれます。

またヒッチコックの影響を受けてるだけに「殺しのドレス」や「ボディ・ダブル」などの傑作はヒッチコックへのオマージュ的な要素が多く感じられます。
そして今回の「ブラック・ダリア」はいつものようなオリジナル脚本ではなくジェイムズ・エルロイの原作を元に作られジョシュ・フリードマン の脚本での作品。
題材的には良いが、果たしてデ・パルマらしさがどこまで出てくるのか・・・それが私なりの鑑賞のポイントでした。

(あらすじ)

1947年、LA市内の空き地で、女性が腰部分を切断された惨殺死体で発見される事件が発生。その女性、エリザベス・ショート(ミア・カーシュナー)はハリウッドで女優になる夢を見ながら哀れな最期を遂げたのだと判明する。LA市警の刑事、バッキー(ジョシュ・ハートネット)とリー(アーロン・エッカート)はその捜査にあたるが……。

「もしヒッチコックがフィルムノワールな映画を撮ったらこんな感じ?」と思ってしまいましたね。
特に前半の感じはヒッチコックの作品を見てるような感じでスカーレット・ヨハンソンなどは昔ならイングリット・バーグマンが演じてたんやろうな~と思って見ていました。
サスペンス映画としてはさすがブライアン・デ・パルマ監督らしい演出と御馴染みの彼らしい華麗なカメラテクニックが見るものを引きつけてくれます(好きな人は好きなんだがね・・・)
俯瞰からカメラがグ~と降りてきて、気が付けば逆に下から見上げてるようなショットだったり、人物の周りをカメラがグルグル回るのも健在!(これは「ボディ・ダブル」でも効果的に使ってた・・・元はヒッチの「めまい」だけど)
階段のシーンでの俯瞰からのカットは「めまい」を思わすし、ある殺人シーンでは犠牲者となる人物の後ろに紐を持った殺人者が壁に写ったシルエットで一瞬写ったり、(その殺人シーンも直接見せず壁に写る影で表現・・・これもヒッチの手やな)

好きな者には彼らしい映像表現が随所に詰まっていて、なかなか楽しめるんだが、ただデートムービーとして何気なく見に来た若い人たちから見ると特に前半は間延びがしてテンポがユルイめなのがどうかな~?
昔ながらのスタイルの表現でフィルムノワールな犯罪の世界を演出してるが、合うか合わないか好みが分かれるでしょうね~
正直、今の感覚で行けばもう少しテンポがあってもいいかな~と思いますね。
映像的にうまい!と思わせるとこもあり、地味なクラシックな犯罪サスペンスって感じで私は面白くみれたけどね。
最初の監督候補がデビット・フィンチャーだったらしいけど、もし彼が撮ってたらかなり違うサイコサスペンスになったことでしょうね(今ならこちらの方がウケがいいだろうな~)

また殺されたダリアに良く似た女が登場し、主人公を惑わせてしまうのはヒッチコックの「めまい」やデ・パルマ監督自身の「ボディ・ダブル」を彷彿させてます。
そういう意味でもこの「ブラック・ダリア」はブライアン・デ・パルマ監督ならではの題材だったかも知れないですね。



★★★ 2006.10.19(木) TOHOシネマズなんば スクリーン7 16;00 E-22



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