MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

No.042 「ブロークン・フラワーズ」 (2005年 米 106分 ビスタ)

2006-05-06 02:11:08 | 2006年劇場鑑賞
監督 ジム・ジャームッシュ
出演 ビル・マーレー
    シャロン・ストーン
    ジェフリー・ライト



私は映画に好きなジャンルはあっても嫌いなジャンルはありません。
大抵は何でも見る方なんですが、ただ嫌いと苦手とは少し違うかもしれませんがどうしてもダメな作品や監督があります。
作品で言えば「ラスト・タンゴ・イン・パリ」・・・かのおすぎは昔、絶賛してましたが、数回挑んだけどいずれも途中挫折してしましました・・・
そして監督ではウォン・カーウェィ、ヴィム・ベンダース、そしてジム・ジャームッシュ・・・

20年近く前ですがジム・ジャームッシュ監督作を初めて見たのが「ダウン・バイロー」という映画でしたね。
ビデオパッケージの抱き合う男女とそれを見つめる男たちを1枚の画面に納めたモノクロ写真が何かドラマチックな印象を持ちレンタルしたのを憶えてます。
「パーマネント・バケーション」「ストレンジャー・イン・パラダイス」と初期の頃の作品を続けて見たけど「いい映画とは思うけど俺には合わんね~」と言う印象持って以来敬遠する監督の一人になりました。
数年後かの色男ジョニー・デップ主演の「デッドマン」に挑戦したけど敢無く撃沈(爆睡)・・・

そして今回、天敵ジム・ジャームッシュ作品を劇場で見るという暴挙に挑戦したのがこの作品です
今回は19歳になる息子の存在を知った中年男が、息子とその母親を探し当てるための旅に出るロードムービーという話に興味を持ったんですが、主演のビル・マーレーの独特の味とジム・ジャームッシュ監督の間合いが見事に調和した作品になっておりました。
まったりと淡々とした感じが苦手だったが今回は退屈する事なく最後まで見れました。

「ロスト・イン・トランスレーション」のキャラとどこと無く雰囲気が似てる今回のビル・マーレー演じるドン・ジョンストン(数回ドン・ジョンソン?と聞き返される)というかつてプレイボーイでならした中年男をとぼけた味とどことなく哀愁を感じさせるダメ男ぶりを上手く演じてたと思います。
作品全体とドンのセリフの合間に漂う独特の空気と間合い・・・早くもなく遅くもなく絶妙なテンポで中年男の人生を噛み締めるようで秀逸ですね。

息子とその母親を捜す旅に出るドンがかつての恋人を順番に当っていくがそれぞれ皆、当然ながら今の生活があり、そこへ現れた招からざる客=元彼の出現に戸惑いますが、このドンの元恋人を演じる豪華な女優陣も個性的な面々で、彼の訪問にそれぞれ違った反応を見せるのも面白いですね。

過去の恋人を巡る旅は自分の人生を振り返る旅でもあったりするのだが、それぞれの元恋人の今の暮らし見て自分を見つめ直し、いつしか{父親}と言う過去に無かった自分の姿を追い求める旅に変わって行ったように私は感じました。
後半のヒッチハイクの青年との交流のシーンのドンの行動はまさに父親の気持ちに目覚めたかのようです。
息子の存在を知らせる手紙から事を発したが、どうでもいい事と最初は思っていても過去を振り返る旅の途中に目覚めていった父親として感情がこの青年とのシーン一気に溢れたように感じました。

空港の待合での隣の女性の足や、クリニックの受付嬢の若い女性の太股などなどについつい目が行ってしまい、何となく嫌らしい目線になる姿は万国共通のオッサンの姿ですな(どことなく哀愁が・・・)



★★★ 2006.5.4(木) 動物園前シネフェスタ4 シネマ4 20:40 4列目


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