MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

No.010 「エグザイル/絆」 (2006年 109分 ビスタ)

2009-01-26 23:39:48 | 2009年劇場鑑賞
監督 ジョニー・トー
出演 アンソニー・ウォン
   フランシス・ン
   ニック・チョン



心斎橋シネマートの企画「男の旅路」も次の「エグザイル絆」で制覇になります。「その男バンダム」を見た後すぐに「エグザイル絆」のチケット買いました。
しかし「バンクジョブ」や「その男バンダム」は半券提示で1000円なのに、この映画だけ1500円なんですね。

ロビーでうろうろしてたらシネマート心斎橋の支配人が「三本目の鑑賞ですよね?」と聞いてきた。
先程「バンクジョブ」の半券見せて「その男バンダム」見たのを覚えていらしたようで「三本も見て頂いてありがとうございます。三本制覇された特典ございますのでこちらへ」とグッズコーナーに案内され、「バンクジョブ」のプレスシートか「その男バンダム」のバンダナとプレスシートまたは「エグザイル 絆」のプレス兼パンフレットのいずれかプレゼントされるらしいので「エグザイル 絆」のプレス兼パンフレットを貰いました・・・これは買えば700円するからなんか得した気分。
一緒にいた知人は「バンクジョブ」のプレス貰ってたな。
こんな特典は知らなかったな~しかし支配人に会わなかったら知らないまま帰ってたとこてした。
「エグザイル絆」のスクリーンにはいると結構人が入ってます。
さすが評判が良いだけありますね。



(あらすじ)

ブレイズ(アンソニー・ウォン)、ファット(ラム・シュー)、タイ(フランシス・ン)、キャット(ロイ・チョン)の4人は、中国返還が迫るマカオで再会した。
ボスのフェイ(サイモン・ヤム)を銃撃して逃亡したウー(ニック・チョン)を巡り、敵と味方にわかれることになってしまう。しかし、深いきずなで結ばれた5人の運命は予期せぬ方向へと突き進む。

久々にこういう香港映画ならではのギャング映画を見ましたね。
こう言う作品は「男たちの挽歌」で代表されるようにジョン・ウー監督が第一人者だったが、彼がハリウッドのヒットメーカーになった今、その後釜的な存在がこの映画のジョニー・トー監督。
トー監督の代表作であり大傑作の「ザ・ミッション 非情の掟」の続編的な雰囲気の映画だが、今作もイケメン野郎なんて出てこない無骨なオッサンたちの血と銃弾と友情のドラマです(前作は寡黙な男たちのダンディズムが痺れるほどカッコイイので未見の方は是非)



かつて仲間だった5人の内一人が裏切り、そんな裏切り者を残りの二人が暗殺に行き残りの二人は彼を守りに来る・・・かつての仲間が一人を挟んで展開されるという有り得ないような設定での銃撃戦はこれまた有り得ないような至近距離での激しい戦いで幕を開ける。
一歩間違えればあまりの設定の臭さに笑ってしまいそうなんだが、そこはアンソニー・ウォンを始めとする役者たちの芝居がエンターテイメントな男のドラマの世界に引き込まれます。

また銃撃戦の後、皆で弾痕や壊れた壁などを補修して片付けて中華料理をみんなで囲む・・・そんな男たちの絆が最後まで可笑しくも哀しくスクリーンから滲み出てきます。
いよいよ敵陣に殴り込む時にウィスキー瓶を歩きながら回し飲み、対決直前に子供のようにハシャギながら証明写真の撮影ボックスで写真をみんなで撮りまくり、空き缶をヘディングで回して行きそれが銃撃戦の開始の合図になったりと劇画チックな映像や描写が決まってるのがいいね。
死ぬ間際まで続く男たちの絆は、ある意味男と女の愛より深いかも知れない・・・そんな思いに駆られる、しびれる男の世界を堪能させてくれます。



この映画で出てくる女優さんは2人・・・一人はウーの妻で、4人の男に復讐するため乳飲み子を抱えピストルを忍ばせて、男たちの写真を持って探しまくるという凄い役。
ジョシー・ホー演ずるこの役ですが、腹の据わった極道の女房をこれまた主役のオッサン連中に負けじと気合いの入った芝居を見せてくれます。
もう一人は若く美人の娼婦なんだが、ほとんどセリフないけど、銃撃戦のどさくさに紛れて散乱した札をかき集めてトンズラするチャッカリしたお姉ちゃん・・・

スタイリッシュでありながらバタ臭い男の映画を久しぶりに見た感じですね。
これぞ香港映画って感じで、まさに90年代の返還前の香港映画を思わせる作品でした



★★★★ 2009.1.23(金) シネマート心斎橋 スクリーン2 19:00