「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

ハワイの天才画家も基本指圧に感激

2010年04月22日 | 基本指圧の素晴らしさ
 NPO法人基本指圧研究会の決算、新年度の通常総会の準備などに追われて、ブログの更新ができずにいました。この間も色々なことがあったのですが、報告できずにいました。

 3月29日、日本にやってきていたハワイ在住の若い天才画家の青年を、ひょんなご縁から指圧することになりました。彼は脳性麻痺ながら、世界から注目されている画家です。
 基本指圧のよさを1人でも多くの方に知っていただくことは嬉しいことですから、定休の月曜日でしたが、休み返上で彼の滞在先へ出向きました。

 西新宿のウィークリーマンションは、バリアフリーでなかなか快適な環境なのには驚きました。翌日はハワイに帰ってしまうそうでギリギリセーフ! 彼のドキュメントを制作中とかで、テレビカメラが2台回っている中での指圧になりました。
 まずはどのような身体状況なのか、少しお話を聞きながらさっそく施術に入りました。カメラが、回りっぱなしの中での施術は、果たして如何なものか? 効果にはかなり影響があるとは思いつつ、今回の企画の目的を考えれば、仕方のないことと割り切って妥協することにしました。

 私は、絵画鑑賞が趣味でヨーロッパまでも出かけて行くほどですから「画家」に直に会えるなんて…。ちょっとミーハー気分が頭をもたげてきたのも正直なところです。
 彼は障害を持って生まれてきました。多くの脳性麻痺の方がそうであるように、やはり彼も人に触れられるのはあまり好まない、とお母さんから聞きました。この日は、朝から37度4分の微熱があるとのことなので、解熱目的で右足から施術開始。

 圧し始めてすぐに、彼が手話で「素晴らしい仕事だ」と喜んでくれました。お母さんも彼が喜んで圧させていることに大変驚いていました。ハワイでは、指圧を受けても5分ともたずに止めてしまうということでした。
 成人後、麻痺の二次的症状で最近身体が硬くなってきていることに強い不安を感じていました。心臓の症状で、救急車騒ぎになることも多いそうです。右足の麻痺も進行しているし、左肩が内側に巻き込んできていることにも不安を強く持っているようでした。

 彼には専属の看護士さんがついてきていました。右足は、鼠径部をよく緩めると効果的であることを看護士さんに伝えました。
 左肩は、腋窩部の変化と頸、肩、背中の変化で巻き込みを広げることに成功しました。左肩が広がったのが一目瞭然であったのには皆さん大変驚かれていました。
 左肩から背中、胸郭が広がることで、心臓にかかっている負担は少なからず軽減されるはずです。テレビサイドは、施術後、すぐに彼がスタスタ歩くことに期待したようですが、現実は、それほど甘いものではありません。

 彼の場合は、歩き方よりなにより、まず心臓症状の改善が最優先されるべきだと判断しました。それは即、寿命にまでかかわる大問題ですし、その改善なくしてもしスタスタ歩けてしまったら、心臓の負担は大変なものになってしまうのです。
 施術後、ハワイの住所と電話番号を書いてくれました。時間がとれたらたぜひハワイにきてください、と握った手をなかなか離そうとしないのです。

 今回の体験で、またいろいろなことが勉強になりました。
 基本の圧し方を学んで指ができてきたら、なんだかいろいろな仕事が入ってくるようになりました。貴重な体験を積み重ねながら、一歩一歩前進して行きたいと思っています。
 それにしても底抜けに明るい彼は、またぜひ会いたいと思う素敵な画家でした。
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