「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

新年おめでとうございます

2024年01月01日 | 新年のご挨拶

新年おめでとうございます。

本日、川越市は日本晴れの素晴らしい新年をむかえることができま

した。スタッフ一同、皆さまに喜んでいただける治療を目指し今年

も頑張ってまいります。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

令和6年 元旦

   川越市富士見町9-1

    村岡曜子治療院 一同


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画期的! すごく楽しみ! 古美術を鑑賞できる美容院

2023年11月25日 | 雑感

 歯医者さんと美容院は、馴染みになると替えがたいものです。8年前、当時お世話になっていた美容院が閉店することになり、はたと困っていました。仕事をしながらも時々、治療院の患者さん達のヘアースタイルに目が行っていました。
 見れば皆さん、それぞれ素敵にしておられると感心するばかり。そんななか、あるかたのカットが目に入りました。さっそく教えてもらって、その美容院に予約。

 この店は、東武東上線みずほ台駅から3分、店名は「B」です(時節がら仮名にします)。隣の店と店が並んで、密着して間口も狭いのですが、まるでヨーロッパの建物みたいで素敵です。紺の三角屋根風なのがまたいいのです。
 オーナーの理容師さんと、腕利きの美容師先生(男性で私と同じ歳)が頑張っています。そして実はこの先生、画家で骨董店も経営しているのです。写真にある壁掛け工芸品は、絵ではありませんが彼の作品で、題して「ミノムシ」。
 手元にあった木屑とオルゴールで作ったもので、オルゴールの曲はショパンのセレナーデ。優しい音色で素敵です。さらりと壁に掛けてありました。作品の中心線が、わずかにズレテいるのが粋でもあり、さすがと感心しました。

 今回、美容室部分を半分に、半分を骨董店に、楽しい店を開店しました。この骨董店はその世界では売れているようで、都内の骨董店には、お客様が地方からも出向いて来るそうです。さらにネット利用で日本中から注文が来るという。骨董店の名前は「H」(仮名)、店主の思いを感じる店名です。
 一言でいうと、居心地がよくなり嬉しくなりました♪ これからは、髪をきれいにしてもらいながら古美術品も鑑賞できるのでワクワクします。私はことに絵が好きです。古い絵画などは古美術のカテゴリーになるので、すごく楽しみです。


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Oさん、茶道について楽しいお話をまた教えてくださいね

2023年10月19日 | 雑感

 治療院には色々な職業や、素敵な趣味をお持ちのかたたちが来院されます。私はそんなお話をお聞きすることを、たいへん楽しみにしています。先日、にこにこして治療を待っていたOさん。バッグから大事そうに小さな花の束を手渡してくれました。

 「茶花(ちゃばな)です」

 Oさんは、茶道の先生(教授)です。治療中、茶道ついてわかりやすく説明し教えてくれます。茶花とは茶室の床に飾る花のことで、「ちゃか」ではなく「ちゃばな」と読むそうです。千利休の「花は野にあるように」という考えから、あんまり華美なものは使わないという。自然の風景をそのまま伝えるために、茶花には山野に生えている野草を使用することが多いらしい。
 お話は聞いていてとても興味深く、引き込まれてしまうのですが、お互いあんまり夢中になってOさんの治療が疎かになってはいけないので、その点を十分注意しながら圧しています。
 前回、Oさんの庭に育てている花(茶花)を小さな花瓶に飾ってくれました。中央に薄いピンクの可憐な高砂芙蓉。あと、ヤノネボンテンカ、時鳥紫、ワレモコウ、鷹の羽ススキ(矢羽ススキ)を小さな葉を立てておしゃれに仕上げています。自然の草花を飾り、季節を楽しむことを教えているように思います。茶道の中で唯一生きているものを愛でていることで、いっそう自然の素晴らしさを実感・共感できるのでしょう。

 ところで昔から「茶道」のことを「さどう」と聞いていましたが、最近は「ちゃどう」というかたも多く見かけます。調べてみたところ、室町時代に茶の湯が成立。安土桃山時代に千利休が茶の湯を完成させ、その千利休に4人の孫がいました。長男が家を出、残った3人が千利休以来の道統を継ぎ、それぞれ表千家、裏千家、武者小路千家(順不同)と呼ばれるようになったそうです。
 表千家は特に決められていないが一般には「さどう」を使った。裏千家では「ちゃどう」を、武者小路千家は「さどう」「ちゃどう」どちらでもよかったが、原則「茶の湯」を使ったという。呼び方ひとつを取り上げてもなかなか興味があります。
 Oさん、指圧治療効果の障りにならないように注意しますので、また教えて頂きたいですね。よろしくお願いします。


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「お母さんが一番好きな貝をゴールデン・ウイークに!」

2023年08月09日 | 雑感

    Sさんの家の三人兄弟は沖縄の西表(いりおもて)島で生まれ育ち、今はそれぞれの道に進み始めています。長男は指圧の道へ、次男は都内NT大学の3年生でやはり某資格習得を目指し、末っ子は専門学校へ進学しました。島に残ったご両親は、少し淋しいだろうと気になります。次男(大学生)が、今年のゴールデン・ウイークに帰省したとき、母の日のプレゼントに、お母さんが世界一好きだという「ゆりみな」という貝を食べさせてあげたいと思いついたそうです。「ゆりみな」は、西表島の梅雨の時期にしか採れない貝です。それを採りに行った場所は、「船浮」という集落で道がない「陸の孤島」。友達のお父さんに船を出してもらい出かけました。

 西表島では色々なところで採れる貝ですが、ハルくんが選んだのは船浮の「イダの浜」。ここは日本一美しいといわれる浜で、岸からすぐに壮大な珊瑚礁が続き、熱帯魚がたくさん泳いでいる海だそうです。到着後すぐに海に飛び込みましたが、その時に船の縁に腰を強打してしまいました。7月末になっても、打撲の痛みがずっと取れずにいたそうです。そこで指圧で治そうと思いついて治療院にやって来ました。
 指圧治療でかなりよくはなりましたが、打撲だけでなく捻挫状態もあったので、次の週も治療をして終えました。痛みが取れて嬉しそうに帰っていきました。よかったです!


西表島は車で一周できません。西側道路の終点が白浜地区。西表の絶景ビーチ
「イダの浜」は日本一の美しいビーチと言われているそうですが、ここは船を
用意しなければいけないそうです。


母に日のプレゼントに「ゆりみな」。


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二分脊椎症のSチャン、とにかく意欲的な親子です

2023年08月04日 | 指圧の活動

 都内在住のSちゃんは小学3年生の女の子です。二分脊椎症、障害レベルL3〜4で、月に1回親子で治療院に来ています。何にでも興味を持ち、学校生活の全てを吸収していく積極的なパワーをヒシヒシと感じます。
 お母さんの話ですと出産時、「将来、歩けるようにはならない」と医師から診断をされていたそうです。その時のご両親の気持ちを思うと、言葉もありません。でも私から見ると、言い方が悪いかも知れませんが、親御さんが、それで返って発奮されたように見えてしまうほど、何にでも前向きで挑み、傍目にも親子共々毎日とても濃い生活をされていると感じます。
 この写真は、今年3月のものです。親御さんからご了解をいただきアップしています。Sチャンはスポーツ、勉強、習い事等いろんなことをやっていて、「できない」との選択肢はありません。とにかく意欲的です。

 本題に入ります。
 治療院に来院する患者さんには、子供も結構多いのです。子供の背中が丸くなっているのを気にしている親御さんはかなり多く、子供に「背筋ぴーん!」を指導するお母さんを見かけます。だが残念ながらその成果を出している場面を見ることは少ないのです。
 治療院では、二分脊椎等の障害をお持ちの患者と家族には、指圧を親子共に受けていただいています。子供を圧すことを覚え、自宅で圧してあげてほしいので。圧すお母さんが、受けなければ圧す感覚を覚えることができません。風邪をひいた、腰が痛い、お腹の調子がイマイチ、頭痛、咳、鼻がつまる、足がつる、等々。身体の感覚は山ほどあります。その感覚を感じながら共に進んでほしいのです。
 母子ともに、身体が良くなっていく経験をしてもらうことも大事と考えています。Sちゃんはお母さんの指圧が終わるまで背筋ぴーん」で宿題をしていました。
 姿勢がとてもよくなって、背中がきれいになっています。Sちゃんのお母さんは、Sちゃんのお腹を毎日指圧しています。お腹と背中は文字通り表裏一体です。体幹とは顔、首、腕、足以外の部分で、体の中心部を指す言葉です。動態全体のことです。肋骨が身体をひと回りしています。肋骨に着いている筋肉もひと回りしています。お腹を圧していることで、背中まできれいになってくるのです。
 それにしてもこれほどの短期間で改善してしまうお母さんの力って凄いです。快挙です。「見事」というほかありません。お子さんの背中が気になる時は、ぜひお腹を圧してあげてください。


上の写真は背中が丸くなっています。お母さん
の「背筋ぴーん」の言葉で、指圧が終わるまで
背中がまっすぐでした


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百貨店から届いたお中元のジュース、ほとんどの缶が潰れていた

2023年07月06日 | 雑感

 またお中元の季節がきました。
 今年は、珍しく6月末に池袋のT百貨店に行き、7月の初めに発送してもらえるように依頼。一仕事終わった気分で安心していました。 
 中には富山に住んでいる叔母のために頼んだ缶ジュースもありました。叔母は施設に入っていて少し認知症もあるため、直接送るのも不安があり、やはり富山に住んでいる妹あてに発送し、妹に叔母の所へ届けてもらうことにしていました。届いた時の嬉しそうな声を聞くのも楽しみです。
 認知症があるため、すぐに忘れてしまうのかも知れませんが、喜んでいる様子をいつも妹から聞いて、私も幸せな気分になれます。「いつまでも健康でいてね」と願って送っています。
 最近は、こんな挨拶を省く風潮もあり少し寂しい気分がします。こういう年中行事がなくなると、気持ちがあっても忙しさにまぎれてやらなくなってしまいます。ありがたい習慣だと思います。

 前置きが長くなったのですが、叔母へのお中元を妹あてに送ったところ、さっそく妹から電話がありました。中身のジュース缶が14本、そのうち13本が、酷く凹んだ物だというのです。メールで写真も送ってきました。写真を見ると納得できますが、バラバラな凹みかたを見ると、故意に凹んだ物ばかりを詰めてあるとしか考えられないというのです。
 こんな酷い話ってありますか? 妹が事情をすべて知っていますので、T百貨店に問い合わしてもらいました。対応は言葉こそ丁寧でしたが、代替品を送るので、返送してほしいということでした。
 自分のほうの不手際(というか、怪しからん出来事ですよね)にかかわらず、返送の手間をかけさせるのはどういうことでしょう。これはT百貨店の催事場で発送を頼んだものですが、食品売り場で頼んだものもあるのですよ。まさか、腐ったものを送り付けていないでしょうね。
 これは妹の手元に送ったものだから電話がありましたが、ほかの方たちだったら、そんなことがあっても果たして連絡くださるでしょうか。百貨店としてはとんでもないミスをしたものです。

 叔母さん、待ててね。もう少しで美味しいジュースが届きます!!


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沖縄のピーチパイン、糖度が18度もあります

2023年06月30日 | 雑感

 写真は、沖縄の西表島から届いたパイナップルです。品種名ピーチパイン。沖縄だけで採れるもので、沖縄で改良され、じっくり3年もの時間をかけて収穫するそうです。糖度が17〜18度あり、とても甘く桃の香りがするのでこのネーミングになったそうです。一般のパイナップルの糖度は14~15度といいますから、予想がつくというものです。

 川越から西表島へ嫁いだ指圧の患者さん(Sさん)からのお誘いで、数年毎に行われている「島人文化祭」に、私が主催していたNPO法人の指圧師たちを連れ、毎回参加していました。今では、とても行き慣れた場所になっています。最後に西表島へ行った時に、畑でお行儀よく端座しているのを見ました。
 ずいぶん小さい可愛いパイナップルが栽培されているのね! 私の問いに、とても甘くて美味しいと話してくれました。

 コロナも5類に移行して、これで収まるのかと思っていましたが、このところ沖縄では感染が広がりつつあるそうです。でも島からの往来はできるので今回、帰省しお土産として頂きました。
 あまりに可愛いので写真を撮り、そのあといただきました。ご馳走さまでした。


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嬉しい誤算! 思ったより早く排便・排尿の自立に向かえるのか

2023年06月29日 | 指圧の活動

 治療院には、幼い患者さんも親に連れられて指圧を受けに来ますが、その中に二分脊椎症の赤ちゃん達がいます。この赤ちゃんが、当たり前ですが少しずつ大きくなり、年長さんや小学生になっても来ています。 
 最近、これらの二分脊椎症児の父母から、嬉しい報告が多く届くようになってきました。親御さんたちは指圧を覚えて、自宅で子供を圧しているかたたちです。日々圧す中で、我が子の好ましい変化の報告ができるようになってきたのです。少しの変化にも喜び、それを知らせてくれます。その報告の中に確実に排便・排尿の自立に向かっている子供らを実感しています。

 二分脊椎症による排尿・排便障害に指圧治療が有効であることは、私も過去2回、学会発表で明らかにしたことがあります。「日本二分脊椎研究会」でも、多くの医師が驚く成果を上げています。  
 先月来院されたSちゃん(前回書いた小学校1年生)のお父さんから、「いきみ(息み)ができるようになり、息んだあと(便が)出る時もあります」との嬉しい報告を聞いたばかりです。お腹を圧す時に深呼吸をすることで、きっと腹筋が発達し、状況が上向いてきたと思われます。指圧の工夫ができての効果かも知れません。頑張ってほしいです。

 以前、指圧は消化器官が成長していくお手伝いになると考えて、焦らず圧すことを推奨していました。でも一生懸命圧しているご両親の、我が子を思う気持ちを見ていると、小さな子でも排泄の自立が思ったより早く期待できるかもしれません。このあたりの手応えが、変わってきたように思います。  
 1日も早い排泄の自立を望むのは当たり前、皆同じ気持ちです。できれば思春期の前に自立できるのが理想です。思ったより早めに、嬉しい報告ができる可能性もあるでしょう。


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1年生のSチャン排便に朗報、これから一緒に頑張ろうね!

2023年06月11日 | 指圧の活動

 5月28日。Sちゃんとお父さんが、久しぶりに来院し嬉しい報告をしてくれました。
 二分脊椎症で1番苦労するのは排泄問題です。これは病気の本題ではないと言われていますが、毎日の排便排尿にたいへん苦労しているのが現実です。
 Sちゃんは今小学1年生です。初対面は、2歳の終わりくらいだったと思います。当初は圧されることを嫌がるので、お母さんが指圧を受ける様子を見せていました。ずいぶん長い間、Sちゃんの治療はお預けでした。しかしご両親の子を思う気持ちが勝り、この1年半くらいでしょうか、ちゃんと指圧を受けられるようになってきました。

 今日の指圧治療は、Sちゃんの後、お父さんが受けることになりました。ふだんからSちゃんのお腹などをよく圧してくれます。指圧は、受けることもとても大事です。自分が受けなければ、圧すイメージが育ちません。
 治療中お父さんから、Sちゃんが「イキム」ことができてきた、との嬉しい報告をいただきました。そういえばより効率良く圧すために、寝た姿勢で深呼吸をしてお腹を膨らませ、空気を取り込み、次に凹ませて吐き、声を掛け合い親子で一緒にそのタイミングで「圧す」これを繰り返していました。
 なぜイキムことが大事か。二分脊椎症患者はほとんど例外なく便意を感じることができない。だからだからイキムということもできず、時間を決めて洗腸などをするのです。案の定、Sちゃんもうまくイキめた後には排便できることがあるそうです。それにしても凄いです! きっと、もっともっとよくなっていくことを感じています。

 この先にしっかりした便意を「獲得」できると信じています。親御さんが気長に頑張ったことがよかったですね。
 キラキラ光る小学1年生です。
 「お勉強は何が好き」
 「算数が好き!」
 とっても可愛い! 元気な学童に成長してください。


見よう見まねでパパの頭部を指圧するSちゃん。とっても可愛い……。


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1型糖尿病のSさん、指圧で改善して血管バイパス手術へ

2023年05月17日 | 指圧の活動

 指圧の愛好家Sさんは指圧歴27年になります。昔から「いずれ私は透析になるでしょう」と時々口にしていました。そしてその言葉には、私も誰も返事をすることができずにいました。Sさんは1型糖尿病だということでした。  
 1型糖尿病は、膵臓のインスリンを出すβ細胞が壊されてしまう病気だそうです。インスリンがほとんど出なくなることが多く、そのため慢性高血糖状態で糖尿病を発症します。1型糖尿病と診断されたら、治療にインスリン製剤を使うそうです。
 Sさんは、周囲の人の中心的人物で、彼女がいることで皆が楽しいのです。誰もが元気でいてほしいと思っている人です。

 彼女は以前からの「巻き爪」が痛み出すようになり、「爪の痛い部分は圧さないで」とのことで、皮膚科で治療中のその部分を避けて指圧をしていました。私は歩くたびに爪が痛いなんて辛いだろうな、早く治ってほしい! と願っていました。「痛い」と訴えていたことが、後に今回の一件に発展するとは誰も思っていませんでした。 
 2月に入って巻き爪は痛みを増し、他の指も腫れ始め、見れば尋常じゃない状況。透析の担当医に相談したほうがいいと勧め、結果、手術へ向けて検査処置等のために3月後半に1回目の1週間入院。4月14日に再度入院して、「血管外科の検査と下肢のバイパス手術」が、行われました。
 手術に対する細かい説明はまったくなく、何をされるのか? Sさんの不安は募るばかりでした。状況を見れば素人の私達も、家族も本人も、「切断」という言葉が頭をよぎってしまいました。目にする状態は日ごとに厳しくなってきて、あっという間に右足全てが腫れあがり、左も同様になり始めていました。
 しかも足首から先が極端に冷え切って、まるで氷のようだったのです。これが人間の足の温度? 血液が循環できないとこんなひどいことになるのですね。

 私ができるのは、「圧す」ことしかありません。私だけでは足りないのでスタッフに手伝ってもらい、Sさんの足を隔日に圧しました。10数年前に似たことを経験し、そのとき改善した経験があります。それは、足背の火傷によって切断の危機にあったとき、指圧によって回避できた例です。 
 4月13日、圧したことが満足できるほど足は回復してきました。いちばんひどかった右足がきれいになりました。左足も改善してきましたが、左足第一指の炎症だけが残りました。あと2〜3回圧せればよくなるのです。祈るのみで送り出しました。
 手術は18日。血管のバイパス手術は、朝から始まって治療室に帰ってきたのが夕方6時半。家族が説明を聞いたのは、夜8時半だったそうです。
 この1か月間、週3回の指圧をしていましたが、Sさんの状況がいつも気になり、夢を見ることが多かったのです。今は、元気になったSさんの退院を待ち望んでいます。


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