「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

GWを利用して小田原から二分脊椎児のために指圧を学びに!

2014年05月23日 | 指圧の活動

 さわやかな季節になりました。 
 
5月は予定がぎっしりで、病後の私には少々厳しい状態ですが、これもありがたいことと受け止めることにしています。

 
私の治療院のお休みは月曜日と祝日です。実は昨年、親御さんから電話を受けたままになっていた小田原の二分脊椎症の5歳女児に事が、とても気になっていました。そこで5月3日(祝日)の休みを利用して、ゆっくり診る時間が取れるように来院してもらうことにしました。
 
このケースは、お父さんが指圧を覚えて圧したいということです。この女児は3人姉妹の長女。下に双子の妹がいてお母さんはとても育児が大変、時間的に子供に指圧をすることは難しく、たまたまお父さんが自宅で仕事をしているので、空き時間を見てチャレンンしてみたいというのです。お電話でお話をした印象では、優しそうで誠実そうでとてもとても好印象でした。

 
当日は車で来院と聞いて、ゴールデンウイーク中で渋滞は大丈夫かしらと心配しましたが、時間キッチリに到着しました。5歳のRちゃんは、とても元気な女の子。畳のスペースが広い治療室に嬉しくなって相当はしゃいでいました。好奇心旺盛で、片時もじっとしてはしていられないようです。スタッフもハラハラすることもありました。
 
まず、お父さんに指圧を経験していただくことから始めました。スタッフの説明を聞きながらビデオカメラを回すのはお母さんです。指圧が初めてのお父さんは終始緊張気味で、少し圧しにくいのが気になりましたが、ハードにお仕事をこなしているのが凝り方でよくわかりました。

 
できるだけ 「二分脊椎症の特徴的な部分の圧し方」 を説明しました。私たちが目指している基本指圧は、力で圧すのではないことを説明し、力で圧された感覚と力が抜けた状態で圧された感覚の違いは納得していただきました。
全身操作を終えて腹部の緩み方にはビックリして、
「えー、これが私のお腹ですか? こんなに柔らかくなっちゃうものですか? えー!ホント凄い!」と。

 
次はRチャンの番です。
 
マットにゴロンと寝てくれたところまではよかったのですが、圧される気など全くなくて直ぐにむっくり起きて遊ぶ気満々。彼女の指圧はお父さんに一任することを即決しました。
 
折角遠路はるばる来ていただいたので、少しお母さんも圧してみました。なんと! 育児で疲れているお母さんをお父さんが圧しているのがすぐ分かりました。お母さんの肩は力で強く圧したため、筋肉がコブのように固まっていました。辛いところだけを強く圧すと筋肉を傷めてしまいます。結果、体の循環は余計悪くなってしまいます。そこのところをよく説明して、以後の対処も指導しました。
 
お父さんには、彼女の記録を付けることを話して、1か月分のファクスが来るのを楽しみに待つことにしました。

 
色んな出会いがあって、色んな思いに触れることができる基本指圧を勉強してよかった、といつも思っています。1人でも多く方々に喜んでいただければ嬉しいです。 


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子供も大人も癒される絵本 「ちょうかいちょうのキョウコちゃん」

2014年05月19日 | お知らせ

 「ボクがよくいく動物園では、大きなニシキヘビを抱かせてくれる。そのニシキヘビのキョウコちゃんが、あるとき便秘で苦しんでいた。便秘でおなかが痛くなったとき、ボクのおばあちゃんはやさしく腸の形にそって、おなかを押してマッサージしてくれた。そうすると、ウンチがするっと出たんだ。ボクが同じようにキョウコちゃんにマッサージすると、カチン、コロン、ポン、ポン、ポーンとウンチが出てきた! これは動物園で、本当にあった話。運動不足も便秘の原因だから、体操も必要。それに加えて、おなかのマッサージは便秘にとてもいい! 小児科の先生が、経験に基づいて書いた、快調な腸を保つための絵本です」。

 「ちょうかいちょうのキョウコちゃん」 を出版した偕成社のウェブサイトに、このような紹介文が掲載されていました。私の下手な論評より、この文章をお伝えした方がいいと思い、ここに転載させていただきました。
 著者の藤原一枝先生は、私が公私にわたってお世話になっている方です。都立墨東病院の脳神経外科医長ををされた後、藤原QOL研究所を設立されたころから懇意にしていただいています。3年半前、私が脳出血で倒れたときも緊急搬送された病院まで訪ねてくださり、最良と思われる東京の公立病院への転院手続きもしてくださいました。
 絵をお描きになった岩永泉先生。寡聞にして私はお名前を存じ上げませんでしたが、この絵は方々で目にした記憶があります。扉をめくった2頁目、便秘で泣きそうになっている「ボク」がなんともかわいく、思わず笑みがこぼれました。きっと岩永先生の優しい人柄が絵に出ているのでしょう。

 私の指圧治療院でもさっそく10冊買い求めました。ところが患者さんが次々欲しがりたちまち売り切れ。再度書店に行きましたが「完売」ということでしたので、取り寄せを頼んできました。スタッフたちもほしいといっていますし、患者さんも待っていた方が多いので、皆さん買い求めてくださるでしょう。

 教訓をユーモアで包んだ藤原先生のお話と、ほのぼのとした温かさが伝わる岩永先生の絵。子供だけではなく大人も癒される本です。

 


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K Y ちゃん、3年半も待たせてごめんね!

2014年05月02日 | 素晴らしい指圧効果

 3年半前、小学校3年生と6年生の姉妹の指圧をし始めたやさき、私は脳出血で倒れ、治療は途中のままになっていました。リハビリ中の私の体調の問題もあり、1年余り前からまずお姉ちゃんの治療から再開しました。お姉ちゃんは眼球震盪(がんきゅうしんとう)といって、自分の意思とは関係なく眼球が動く症状です。大学病院にもかかったそうですが、お医者さまの診断では「手術をしてもどの程度よくなるかわからない」ということだったそうです。

 昨年1月から8月まで指圧を行い、彼女の眼球震盪は私の中では完璧だとは言えないまでも、見た目は全く分からないほどに回復しています。関係者の皆さんに喜んでいただきました。治療に際して圧し方の難しい部分が多く、1回1回緊張し、本当に真剣に向かっていたので、私自身とても疲れてしまったほどです。

 大学病院の定期診察で彼女の主治医から、「見るとき、確かにまっすぐ向いていますね」といわれたそうです。それまでは、眼球を左に寄せて物を見るときだけ「揺れ」が止まるので、人と話すときも、勉強するときも、顔の左側を前に出していました。しかし主治医の言葉で、とりあえず指圧は小休止。「まだ大人になるまで間があるから、時々受けにきていればもっともっとよくなるからね」ということにしました。早いもので彼女はこの春、高校生になりました。お母さんの話では、チアリーダー部に入って学業との両立を目指して頑張っていると聞きました。嬉しい報告です。また落ち着いたら学校の帰りに治療に来るようです。楽しみにしています。

 
私がまだまだ仕事をたくさんできないので、妹のKYちゃんの治療ができずにいましたが、やっとこの3月から始めました。実は彼女、指圧をしてほしくてたまらないのですが、「まずお姉ちゃんがよくならなければ」ということで、ずーっと待ち続けてくれたのです。何ともいじらしいではありませんか。彼女も今は中学1年生になりました。
 
彼女の主訴は、頸があまり動かず上を向けないので、うがいができないこと。ひどい反り腰で小さな子供なのに結構な腰痛があります。横向きに立った姿を見ると、お尻だけが体の後ろにいってしまいます。脊椎の歪みがひどくガタガタで、これでは体調は不安定なわけです。お姉ちゃんが日々よくなっていくのを身近に見ていたのですから、「次は私の番よね!」と心から待ちかねていたのです。

< 彼女の主訴 >(H14.2.4.)
・頸が後ろを向かない
・腰のそりが気になる
・O 脚
・頭痛が多い
・肩と腰が凝る
・左耳の後ろが痛い
・食がかなり細い
・花粉症
・ストレスなどから爪を噛む。円形脱毛もよく出る。疲れるとジンマシンがでる、などです。

 
KYちゃんの家族は皆長身で、彼女だけが中学生になってもクラスで一番小さいといいます。本人も 「お姉ちゃんみたいに大きくなりたい」 といっています。圧した感想では、全身的に筋力が弱い印象を強く受けます。そのことをお母さんに聞くと、赤ちゃんの時、寝返りや這い這いも1度もしなかったと言っていました。
 
どちらにしても結果的に3年半も待たせてごめんなさいね。KYちゃんの指圧は、隔週でスタートしています。きっといい結果が出ると思って楽しみです。

 
それにしてもKYちゃんは、癒し系です。彼女を圧しているとやさしい気持ちが湧いてきます。役得だと思っています、彼女の治療をするのが楽しみです。 


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 奇跡的な事は起こるものです!

2014年05月01日 | 素晴らしい指圧効果

 公益財団法人 二分脊椎・水頭症研究振興財団から助成金をいただき、4月に始まった、二分脊椎症のY君の指圧施療は、初めからビックリするほどの効果で進み出しました。彼の身体がどんどん変化していくのです。
 
 彼の10本の足指はすべて萎えたようになってしまい、将来とも歩かない事を決定したのかと思う状態でしたが、1ヵ月で歩く形に変化してきました。側弯症の厳しさも半端ではなく、圧す方としてはきっちりした姿勢を取らせることができません。
 非常に厳しい状態の上、順行性洗腸の手術をしているので自力排便まで進めるのに、手探り状態でのチャレンジになりました。

 実は彼の体の状態を知るため、3月28日にまず私が前もって全身指圧を施術しました。彼の体はどの向きからも圧しにくい体勢になってしまいます。しかし手探りで進める中、少しでも効果がでるようにどこを工夫すればいいのかを確認し、よく分かりました。
 4月中は、全身指圧(隔週)2回。途中に30分程の腹部中心の指圧を(隔週)2回。合計4回の指圧でなんと自力排便になりました。…彼にとっては初めてでしたので、皆でビックリしています。

 以前、私は「チャレンジ指圧教室」と銘打って、障害を持っている子供を持つお母さんに指圧を教えていたことがありました。3年半前に脳出血で倒れ、以後、気になりながらそのままになっています。今回、助成金をいただいて最初にどうしてもやりたいと思ったのがY君の施療プランです。これが縁なのでしょうか、基本指圧研究会会員の加納真一君を、Y君は大好きなのです。加納君にとっても大変勉強になる楽しい仕事が始まりました。たまたま人選まで的中したので大いに期待しています。

 まだまだ時間はいっぱいあります。9月を楽しみにして下さい。どこまでよくなってもらえるか頑張ります。


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