「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

「上達するには身体を褒めること!」

2007年05月31日 | 指圧の活動
  今日は、またスクワットのお話です。なにせ、いま当治療所では大(?)ブームになっているのですから。
  28日の月曜日、鈴木林三先生の治療を受けに行ったおりのことです。先生にスクワットの上達振りを見てもらったところ、とても喜んで下さいました。

 「おう、そこまでできるようになったか!」
  少しは上手くできるようになったことを、前回行ったとき報告してはあったのですが、こんな言葉が返ってきたので、先生が考えておられたよりはマシだったのかな? と思いました。

 「頭では、もう少し腰を下げたいと思うのですが……。身体がここで止まってしまいます」
  私が言うと、先生が仰いました。

  「大腿部が、床に並行になるところまで動けるのが目標だけど、それよりできた身体を褒(ほ)めてあげなさい。そのほうが早い」

 「ヘーッ、身体って褒めると喜ぶのですか? 犬みたいですね」

 「そうだよ、『○○しよう』とするより、『よくできた!』と誉めてあげると通じるよ。犬だけじゃなく猫だって誉めると喜ぶ。本気で向かえばみんな通じるんだよ」

  こんなに悪い膝では不可能かと思っていたスクワット、できたことが夢のようです。指圧治療の素晴らしい効果である、と先生も喜んで下さいました。最近治療中に、時々私の膝の状態を「すごく良くなっているよ」と仰っていたのが納得できます。
  ビデオで先生のスクワットを見ると、大腿部が床に並行になるまで行くと、ピタッ! と動きが止まります。きっと、「ピタッ!」という感覚を身体が知っているのだと思います。

  面白い発見をしました。せっかく出なくなっていた膝のバキバキ音が、鏡を見ながら練習すると鳴るのです。目で見ることで頭が働いてしまうようです。頭で考えると、わずかながら無理な力が入ってしまいます。
  今は身体の感覚だけを頼りに練習することにしました。きっと「ピタッ!」という感覚に巡り会えると信じて、身体を誉めてあげながら――。

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「意識」を変えると「動き」が変わる!

2007年05月29日 | 指圧の活動

  わが治療所でいま大はやりのスクワット、時間が空いたらすぐ誰かがやり始めます。上手くなるのが一目でわかるのが嬉しくて、つい「自分も!」とやり過ぎてしまうようです。

  ここ数日、スタッフの1人がしばしばくしゃみをして
鼻をかんでいましたので、なにかの花粉に反応しているのだろうか、と皆が思っていました。少し気になったので、その人をさっそく指圧してみました。指圧をすると、相手の体調がかなりの程度まで分かります。
  これは花粉の反応ではありませんでした、スクワットのやり過ぎだったのです。他にもやり過ぎによる頭痛を経験したメンバーもいました。
  私は膝が悪いため、1日1回と決めた貴重な練習でしたので、1回で3~4回分に相当するように意識してやっていました。たった1回でも、その効果と手応えは十分です。だから嬉しくて、だんだんエスカレートしてしまいました。ここ数日、ドウキがするのです。内心「スクワットのやり過ぎだな」とおもいました。
  21日(月)、指圧治療を受けながら、鈴木先生に話してみました。

 「力が、入っているんだよ」
 「誰のためにやるんでもなく、自分のためにやるのだから、誰が上手にできたからといって競うことはない」
 「ゆっくり時間をかけてやればいい。あせってできるものじゃない」

  いつもこの答えが返ってきます、でも大きなヒントを頂きました。指づくりと同じ感覚でやればいいとのことです。何気なく、自然に、違和感のない感じで、ということのようです。
  前回、鈴木先生が駅のホームでスクワットをしておられるとお話ししましたが、そういう意識でやってみると、周囲の人が気付くことは意外に少ないとのことです。違和感なく、人が気付くこともあまりない感じで、さりげなくできることが大事なようです。

   22日(火)、スタッフのYさんと12体操(ナンバ式骨体操)で、“意識”による身体の動きの違いを勉強してみました。帰宅した夜、夫が飲み会で酔って帰ってきました。私が鈴木先生のスクワットのビデオを繰り返し見ていたら、彼は酔った勢いで「オレもやってみよう」と、いとも簡単にやってしまったのです。
 「えーっ! 素人のくせに!」と思いましたが、そこそこサマになっていたのです。「そうか! 何気なくやればいいんだ!」 昼間練習した12体操の感覚も、ヒントになりました。何も考えずただ重心をストンと落とせばいい! すると、できました!!

  あれほどいやだった、膝のバキバキ音がほとんど出ない状態でできたのです。これまでは「スクワットをやろう」という意識が、動きの邪魔をしていたようです。スタッフに確認してもらいました。あのバキバキ音が出ないことに、皆ビックリです。本当に貴重な体験でした。
  鈴木先生の適切なアドバイスと、12体操の基本的な考え方が、前進の手助けをしてくれたようです。“意識”を変えることで、“動き”がまるで変わることがよく分かりました。
 「落とす」という動きは、昨年10月28日に武術家の甲野善紀さんの講座に勉強に行ったとき、「つるべの原理」の動きで、身体を「落とせていないから使えない」と指摘されて以来、ずっと私の中の課題でした。
  意味は分かりにくいと思いますが、とりあえず説明は省略します。しかし頭の片角に、いつもこの「落とす」というのがありました。その意味が、今回すこし理解できた気がして嬉しくなりました。

  当初、スクワットのとき、膝から出るあのひどいバキバキ音が、“恐怖心”から出る音だと鈴木先生に言われても、素直にそうだとはとても思えませんでした。というのは、もともとは私の膝が変形しているせいもあるのではないかと思っていたからです。
  しかし実際は、本当に恐怖という意識から出る音だったようです。大きなマイナスから大事なことを学ぶことができました。同時に、すごい変化を体験することができたのです。これは、師匠や仲間の存在があればこそです。
  切磋琢磨できるからこそ前進が可能になります。ありがたい環境であることに本当に感謝しています。この1カ月半、スクワットに夢中になって練習する中に、悪い方の右膝をついて圧すときの動きの悪さに自分で気付いていました。かなり気になっていたのですが、バキバキ音が出ないスクワットができるようになったらこの動きもよくなってきました。
  肩甲下部の動きは、即スクワットであることが、実感として分かりました。 26日、治療を受けながら、鈴木先生にスクワットができた報告をしました。とても喜んで、「無になるとは、そういうこと」と指導を頂きました。

  わずかな一歩ではありますが、前へ進むことができたのです。この先に広がる世界にはどんなことが待っているのでしょうか? 楽しみが限りなく広がります。


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ター君偲ぶ食事会で感無量

2007年05月21日 | 素晴らしい指圧効果

 指圧の患者だったター君の3回忌を迎えるにあたり、 5月17日、奥さんのスミさんを含めた7人で彼を偲ぶ食事会をしました。
  彼は建設会社を経営していましたが、若年性糖尿病を患い、さまざまな余病を併発し、長年人工透析を受けていました。医師から「絶対に50歳までは生きられない」と宣告されるような状態でした。

  2年前の5月21日、鈴木先生の治療を受けるため有楽町線で江戸川橋へ向かっていたときです。電車が、柳瀬川駅に着く直前、車窓からター君が入院しているS病院が見えました。心の中で「ター君の様子はどうかな」と思った次の瞬間、携帯電話が鳴りました。車中なので出るわけにはいかないのですが、見ると奥さんのスミさんからでした。
  一瞬身体がキュッとしめつけられるような妙な感覚があり、思わずこわごわそっと電話にでました。そのとき、スミさんが何と言ったかは思い出せませんが、ター君が亡くなったことを知らせてきたのです。自分がどんな返事をしたかも覚えていません。

  夜、仕事を終え急いでお宅を訪ねました。布団に寝かされているター君は、辛かった闘病生活がウソのようにきれいな顔で、今にも起きてきそうに思えたのが救いでした。 3ケ月前、火傷でベロベロになってしまった両足もほとんどきれいに治って、白い足袋をちゃんと履かせてもらっていました。
  実は亡くなる3ケ月前、両足にひどい火傷を負ってしまいました。自宅でストーブに足をかざしたまま、うっかり寝入ってしまったためです。神経障害があるため、熱いという感覚が極端に乏しかったらしく、重症の低温火傷になってしまったのです。

  結果は、「足を切断」ということになる、と誰もが思いました。病院でも、まず火傷のひどさを写真に撮ったうえでの治療となりました。今までも同じようなことが、何度かありました。その度に“切断”の恐怖に怯えてきましたが、今度という今度こそ万事休すです。

  「切断だけは免れたい」

  本人も、周囲も、その思いだけで頑張れた気がします。
  私は忙しい時間を必死に工面して、スミさんに送り迎えを頼み、できる限り病院に指圧に通いました。
  スミさんにも圧すことを覚えてもらい毎日圧してもらいました。すると治るはずのない火傷がどんどん治っていくのです。
  ター君も足を治すために、食べたいものを、「初めて」我慢する、ということを覚えました。糖尿病の人は、自分で真剣に治そうとしない人が多いのです。ター君もそうでした。しかしさすがに、「切断」の恐怖の前では我慢をしたのです。 5月に入って、火傷もかなりよくなったのでお風呂にも入れてもらえるようになり、気持がいいと喜んでいるター君を指圧しました。医師や看護士さん達が、治らないと思っていた火傷がぐんぐん良くなっていくものですから不思議がります。S病院は、おそらく火傷の治療に自信を持ったのではないでしょうか。

  いつも決まって、「今度はいつ来てくれるの」と何度も聞くター君が、ある日、指圧に行ったところそれを聞きません。私もいつも必ずまた来るからねと言うのが、挨拶だったのに、なぜかその言葉が口から出てこないのです。
 「何で言わないのかな?」と不思議に思いながら別かれました。思えばあれが、ター君への最後の指圧だったのです。圧す方と圧される側の気持ちが一体となって奇跡のような効果がでたのだと思いますが、人間には、“寿命”というものがあるようです。彼は死出の旅路を行くための白い足袋もちゃんと履けていました。一生懸命圧した甲斐があった、とその足袋を見て感無量になるとともに、前回指圧に行ったときが最後の別れだったのだ、ととても不思議な気がしました。

  スミさんは、“あんな死に方ができるなら、私もずっと指圧を受けていきたいな”と言います。ター君は、私の指圧と並行して、鈴木林三先生(日本指圧学校実技講師)の指圧も5年ほど毎週受けていました。
  ある時、かかり付けの丸の内の糖尿病研究所の医師が、ター君の全身の血管の検査標本を撮影したいとのことで、4時間もかけて撮りました。どうやら、ボロボロになったひどい血管の見本が、欲しかったようですが、すみずみまで血管がきれいなのに驚いて、「有り得ない」とビックリし、なぜなのか理解できなかったようです。
  この一件でター君は、指圧に絶大な信頼を寄せるようになり、圧せばなんでも治ると思いこむほどになりました。そんな深い信頼を寄せてくれるのは、基本指圧の素晴らしさゆえであると思います。
  この圧し方を学ぶことができる幸せをつくづく感じています。頂いた信頼に答えるべく今後も尚一層精進していこうと決意しています。

  辛くて、とても動くことなどできない状況でも、スミさんに連れられて指圧を受けに来てくれたター君。1度だけどうにもならず、自宅に往診したことがあります。とても喜んで、辛い身体を押して美味しいお茶を入れてくれました。この時のお茶の美味しかった味は、今でも忘れられません。あのお茶は、指圧に対する彼の心からの感謝だったのでしょう。

 「オレ、まさか本当に死ぬことになるとは、思わなかったヨ」
 「死ぬことは、怖いことじゃないわよ」

  夫婦でそんな冷静な会話を交わしたあと、昏睡に入ったと聞いています。そのとき、「50を2歳も超えることができました」との言葉をご家族から頂きましたが、3回忌にあたり改めて色々なことが思い出されます。

  ただ“圧す”ということだけでの付き合いの中に、ここまで深い信頼を頂ける。この基本指圧を学べることに心から感謝します。
  ター君、52歳でした。合掌。


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スクワットでより良い “指使い” に

2007年05月15日 | 指圧の活動
  このところ、わが治療所ではスクワットにますます夢中です。

  私にとっては、膝が悪いために1日1回しかできない大事なスクワット練習です。膝を曲げたときに出るひどいバキバキ音も、以前と比べるとずいぶんちがってきました。
  いかに効率よくやるか、あれこれ工夫してやっているうちに、治療所のスタッフで知恵をしぼりあうようになりました。「3人寄れば文殊の知恵」とは、よく言ったものと感心するほど、“より効率よく”との工夫ができてきました。

  なにより驚くのは、それぞれが日に日に上手にできるようになっていくのです。しかもスクワットの上達に比例して、思ってもいなかったことが起きました。指の筋肉などの微妙なバランスが変わってきたのか、“良い指使い”ができるようになってきたのです。
  指圧の道具である“指”が良い変化をしてくれるのはなによりの喜びで、もう皆で夢中です。仕事をしながら、わずかな時間を見つけては、誰かがスクワットをやっています。仕事中の人は、何気なくそれを目で追って、「あっ、昨日より上手になっている」と確認しています。
  これをやることで、また、自分ももっと上手になれると確信できるのです。仲間で切磋琢磨することにとても楽しさを感じています。人の上達を見ることは大事なことだなぁ、と改めてしみじみ思いました。

  みごとにはまって、仕事場でブームになっているこのスクワットについては、鈴木林三先生にもよく話しをします。先生は、以前から講習会などで、よく「スクワットがきれいにできるようになると、電車を待って駅のホームに並んでいるとき、前の人にも後ろの人にも迷惑をかけずに練習できるよ」と仰っていたので、試しに聞いてみました。

 「本当に駅のホームでスクワットをやるんですか?」
 「うん、やるよ! ただ待っているだけじゃ時間がもったいないでしょ」

  ビックリです。

 「えっ! 毎日ですか?」
 「うん、毎日」
 「1日何回か決めているんですか?」
 「いや、回数は、決めていない、気が付いたときにやる」
 「人が変な目で見ませんか?」
 「うん、たまに見ている人がいるね」

  へー、気にしないんだ。これはビックリニュースです。先生も毎日やってるスクワット。私達弟子がやらずに上達を目指せるわけがありません。

  5月の練習会では、再度細かくスクワットのチェックをしようと思っています。上達の手応えを得たことで、“指づくり”にも新たな情熱を持つことができた、とメンバーの1人が目を輝かせていたのがとても印象的です。
  力でガンガン圧す指圧に明け暮れていたころには、考えてみたこともないほど楽しく、充実した毎日です。

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7色のバラ、虹の彩り

2007年05月13日 | 雑感

   5月11日夜、帰宅すると宅配便が届いていました。鹿児島に嫁いでいる娘からだったので “母の日” の贈り物だろうとすぐに気づきました。   

   中を開けて驚きました。“レインボーローズ” という7色の花びらを持つバラのアレンジメントです。
  ずっと以前、青いバラは創れないと聞いたことがあります。つい最近、14年の歳月をかけて、サントリーが青いバラを創ることに成功したことも知りました。しかしこれは、青も含めた7色なのです。

   1枚1枚の花びらが、赤、青、黄、緑、紫、桃、オレンジ、とそれぞれ違う色で一輪のバラになっています。 オランダで開発された加工の新技術だそうで、世界各国のパテントを取得していると聞きました。
  主にイタリア、アメリカ、日本に輸出されているそうですが、発注を受けてから加工しオランダから発送するというのです。 成田まで14時間の空輸、それから国内配送です。手元に届くまでにすでに1週間を要して、それから1週間、きれいな姿を楽しませてくれるそうです。 これまでのバラの日持ちを考えると、それだけでもなんともすごい時代になったものだと思います。



  オランダで開催される見本市ホルティーフェアーでは、その年どしの優秀な技術者を表彰しているそうですが、レインボーローズは、2006年に金賞を授賞したそうです。これに加工されるバラは、バンデラという種(しゅ)がつかわれていますが、同種で青いバラもアレンジされていました。

   かつて不可能とされた青いバラが脇役となりレインボーローズを引き立てています。あまりに珍しいバラなので我が家だけで楽しませてもらうのは、もったいないので治療室に飾りました。皆さん驚いて見てくださいます。そのせいかレインボーカラーが、一段と鮮やかに見えます。
 “レインボーローズ”――寡聞にして、私は知りませんでした。一輪のバラが運んでくれた楽しいひとときです、感謝。 (写真はレインボーローズ、有限会社小林生花店のホームページから)


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受けていたよ! あなたからのメッセージ

2007年05月08日 | 素晴らしい指圧効果
  5月6日(日)、この日から我が治療院はゴールデンウイークが明け、多少の連休ボケを感じながら仕事をしていました。

  昼過ぎ、電話が鳴ったので出てみると、4月16日に投稿した記事・Nさんの紹介者であるTさんからです。やけにハイテンションな電話の声なので、すぐにNさんの赤ちゃんが産まれたんだ! と直感しました。
  とりあえずの連絡ということで、「詳細は分かりませんが、とにかくお産の状態もよかったらしい」と知らせて下さったのです。くわしくは、落ち着いたら本人が直接電話をくれるということでした。

  振り返ると、出産予定日であった4月29日の夕方、患者さんのキャンセルが出たのでNさんに連絡して施術しました。

  「この前、ぜひもう一度指圧を受けたいと言ったから、予定日なのにまだ産まれてこないのでしょうか?」

  いくぶん不安げでした。8日までに産まれなかったら陣痛促進剤を使うと医師に言われた、と心配しています。
  さっそく圧してみました。胎児がとてもよい位置に動いたのがハッキリ確認できました。

 「よい陣痛がくるように、ちゃんと圧したから大丈夫! なにも心配ないから。一番いいときにちゃんと産まれてくるから、案ずるより産むが易しよ」
 「はい!」

  気持ちが、決まったようでした。

 「次は、2人で来てね」

  にっこり笑って大きくうなずいていました。
  Nさんの後ろ姿を見送りながら、スタッフに、「この5月の連休中にきっと産まれると思うよ。確かな手応えもあったし」などと話していました。
  結局、この産前休暇の1カ月間に4回の施術ができました。彼女は過労のため体重が思うように増えず、赤ちゃんの体重分だけがかろうじて増えている状態でした。
  最後の施術時に、嬉しそうに「私の体重が、100グラムですけど増えました」と言って喜んでいましたが、妊産婦さんらしい特有のみずみずしさも少し出てきて、術者としてもホッとしたものです。
  皆が待ちに待ったWちゃんの誕生です。名前も産まれる前から決まっていました。どうやらとても親孝行な子のようです。

  生まれてからのしばらくは、母親にとっては戦争です。この子はそれを知って、ゴールデンウイークの間は夫婦2人でのんびりさせてくれたのでしょう。―― そして、連休最終日に産まれてきたのです。
  赤ちゃんの心にくい粋な計らい? 早く会ってみたいな!!!
 

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休みに慣れない私? 連休も予定でぎっしり

2007年05月04日 | 雑感
  一昨年、治療所を川越に移したのを機に、祝日を休みにしました。これまで定休の月曜日以外は休みなく働き続けてきたので、時間を気にせずボーッとしていることには慣れていません。

  このゴールデンウイークも同様です。すでに六本木ヒルズ、ミッドタウン、恵比寿ガーデンプレイス、美術館巡りと連日ぎっしり予定をこなし、今日は、「レオナルド・ダ・ヴィンチ――天才の実像」と題した展示会鑑賞のため、東京国立博物館(上野)へ行ってきました。
  ここ何日か、幸い晴天に恵まれ爽やかな気分で過ごしていますが、こんなにサボったことはないので、連休明けが怖いような気がします。働くのが、イヤになってしまわないかと――。

  連休中にやることとして、掃除や片付け物などあれやこれやと考えていたのですが、なにもやらずに終わりそうです。昨日、書道の昇段試験の課題を提出してしまったので、よけいにホッとした気分でいるのかもしれません。
  でもスクワットだけは、忘れずやっています。無理をしてはいけないということで、1日1回になってしまったのですが、1回で3回分の効果が出るように“工夫”をして頑張っています。

   あと1日の休みを大事に過ごそうと思っています。そのあと、夢から現実に戻るのです。この何日か、少し人間らしくなってきた気がします。
  クールダウンをして、よりよい仕事ができるように――リフレッシュ!!!

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外科治療では考えられない回復ぶり

2007年05月03日 | 素晴らしい指圧効果

  5月2日(水)、治療所は明日から3連休なのでシーツや枕カバーなど全部洗濯してしまおうと、私は仕事をしながら雑用に追われていました。夕方最後の患者さんを圧しながら、翌日提出する書道の昇段試験の課題について考えていたときです。

 「こんばんは!」

  そのとき訪ねてきた人の声、すぐにY君と分かりました。5月1日に投稿した記事のY君とお母さんが、あまりに傷の治りがいいので、感激して見せに来てくれたのです。  その治り方を見て、スタッフも
私も驚きました。

  私はかつて、力で圧す強圧の指圧をやっていました。その頃一番苦手だったのが子供の指圧でした。力の入った指は、触れられただけで“痛い”ものであるとは、当時は知りませんでした。子供たちは、どんなにそっと圧しても、皆痛がりました。
  鈴木林三先生のもとで基本指圧を学び、ここ数年、色々な子供たちと指圧での触れ合いができるようになり、楽しい仕事が増えました。子供から学ぶことがこんなに多いとは予想外で、本当にビックリするほどです。
  今回の治療を通して、Y君とは今まで以上に仲良しになれました。治った喜びを身体中で表しています。ニコニコして、ピョンピョン跳ね回っています。その表情からは、“友情”だけでなく、“信頼”も得た手応えを感じます。

  その場にいたスタッフや他の患者さん達から、「よく、ケガを指圧で、と発想しましたね」と言われたお母さんは、「なんとか治したい一心でした」と、藁にもすがる思いであったと語っていました。
   このお母さんは薬剤師です。長年、調剤薬局で内科や外科の患者さん達に薬を処方箋通りに出しています。外科のケガの治りかたは、薬を出しながら、よく観察して知っているそうです。
  このたびのY君のケガについては、治りかたが指圧独特のものであるというのを、よく理解して頂けたようです。 あまりにY君の傷の治りかたがみごとでしたので、連休前にぜひ見せたかったと言うことでした。こちらも嬉しくて、思わず記念写真を撮りました。
 「たとえ男の子でも顔に大きな傷痕が残ったら――」と、内心では心配でもあったのですが、思いのほか傷痕が浅くなっていて、それほどハッキリは残らなさそうです。ホッとしています。

  Y君が帰る後ろ姿を見送りました。姿が見えなくなるまで、ちぎれてしまいそうなほど手を振り続けてくれるのが嬉しくて、清々しい気持の中に、もっともっと指圧技術を磨こう! と益々意欲が湧いてきました。
 


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転落した上級生が直撃、案じた顔面打撲も軽快

2007年05月01日 | 素晴らしい指圧効果

  明日からゴールデンウイークだ、と少しウキウキした気分でいた28日のこと。あれこれとやりたいことを考えながら仕事をしていると、「ちょっとお聞きしたいんですが」という電話が入りました。
  この1年間ほど、熱心に指圧に通ってこられた若いお母さんからです。時々お母さんと一緒に来て、お友達になっていたY君が怪我をしたというのです。
  幸い骨には異常はないということですが、口を開けることがまったくできないので、物が食べられなくて困っていました。指圧でなんとかならないでしょうか? というのがお母さんの訴えでした。

  他ならぬY君のことです。ここのところ、いっさい断っていた残業をすることにしました。その夜、いつも元気なY君が、うつむき加減でお母さんに連れられて来ました。口が開けられないので、日頃の元気な挨拶もできません。
  小学校新1年生のY君、学校にも慣れ、お友達も増えて毎日楽しく遊んでいるそうです。聞くと、この日も校庭で遊んでいたら、遊具の上のほうから、5年生の女の子がY君めがけて落ちてきたそうです。
  その勢いで、彼は側の花壇のブロックに身体ごと打ちつけられて、顔の左半分に打撲と擦過傷を受けてしまいました。左胸と左腕にも打ち身がありました。顔の左半分に大きなガーゼが貼られていますが、その上からでも腫れかたのひどさはよく分かります。目も腫れて左目だけが細くなっていました。

  左上肢から圧してみましたが、腋下(脇の下)の堅さと形が異様です。“痛いかな?”と心配していましたが、嫌がらずにちゃんと圧させます。ほどなく目の左右差がなくなりました。そばで心配そうに見ていたお母さんが、だんだんホッとする様子が伝わってきます。
  お腹もパンパンに張ってふくらんでいましたが、圧すごとに弛んできました。仰向けで寝ているときに確認すると、足の指がガタガタに引きつれて、きれいに並んでいないのです。これは、新しい学校生活の疲れがでたものであることは、容易に判断できました。
  これもついでにきれいに弛め、腹部、上肢、肩、背中、腰、足、と順調に弛みましたが、それにしたがい元気にふざけはじめたY君です。お腹も弛んで平らになりました。腋下が“これでよし!”という形に弛んだので、「ここまでかな」と思った瞬間、Y君が大きなあくびをしました。口がちゃんと開(あ)いたのです。
あとは、ふざけて圧させてくれません。可愛いY君としばらくふざけて楽しく遊びました。「家族でくつろぐゴールデンウイークもこれで大丈夫!」との手応えです。ゆっくり休んで、また元気に学校に通えますように!
 
  この治療時間は、遊んだ分も含めて約20分ほどでした。子供の身体は、こじれていないので指圧効果がストレートに出ます。素直な子供に触れるとき、なにか心が洗われるような清々しさを感じるものです。

  よい仕事ができるのは、基本指圧を学んでいればこそ! と、改めて感謝の気持ちが、湧いてきます。


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