「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

「指圧スゲー!」 指圧っ子・T君の口癖です

2022年12月09日 | 実証した指圧効果

 お腹の中にいた時から指圧を受けてきている「指圧っ子」のT君は19歳、身長194センチの好青年です。3歳違いのお姉さんと仲良し姉弟、姉さんもまた指圧っ子です。
 T君は、小さな赤ちゃんの頃から手のかからない子供でした。通常お母さんが指圧を受ける時は、家族の誰かがお世話係として同席されますし、私もそれをお願いします。長時間で赤ちゃんが、飽きてしまうと可哀想ですから。
 ところがお母さんが指圧を受けるとき、T君はいつもお世話係なしでお母さんと2人でやってきて、治療が終わるころまでちゃんと遊んで待っているのです。指圧は始めから終わりまで1時間あまりの時間がかかります。その間、ちゃんと遊んで待っていてくれる赤ちゃんは、後にも先にも彼だけでした。

 不思議に思って見ていました。彼なりにかなり頑張って我慢している証拠に、お母さんの指圧が終わりそうになった頃、我慢していた気持ちを訴えるためでしょうか泣き始めます。また泣かない時は何と! うんちをするのです。
 終わる時間がよく分かっているようで、赤ちゃんながらに我慢してくれているとても不思議な可愛い赤ちゃんでした。

 T君は、不調や体調管理のために時々指圧を受けにきます。今回の主訴は、頸部の痛みです。本人の訴えは「学校でのストレス」。それで頸が痛くなったと判断しています。「この状態は指圧が1番!」。長年指圧を受けてきている経験が、この判断を生んでいると思うと嬉しく思います。
 見れば頸が太く短くなっています。頸があまり回らなくて辛いそうです。彼は髙長身の上、もともと細い頸が「腫れて」しまいました。これでは痛いわけです。ところが圧(お)すたびに見る見る痛みが止まり、頸が細くなっていきました。T君はやっぱり手がかかりません。彼のいつもの口癖です。
 「指圧スゲー」

 よかったね!
 実は、術前・術後の写真を掲載するとわかりやすいのですが、昨今、人の写真を使うのは難しいこともあるので省略しました。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夜尿症改善中のS君、お兄ちゃんの変化に妹も指圧を予約

2020年07月29日 | 実証した指圧効果

 患者さんの紹介で、S君(中学1年生)の夜尿症について相談を受けました。 夜尿症の問題は深刻です。これまで数例ですが完治した経験があるので、とりあえず親子と面談の上さっそく圧してみました。
 子供の場合、夜尿症は神経的な障りが悪さをしていることが多いのす。「おねしょ」と「夜尿症」の違いは年齢がポイントです。 乳幼児期の夜尿を「おねしょ」といいますが、5歳以降で月1回以上のおねしょが3か月以上続くものは夜尿症と定義されているそうです。 ときどきおねしょをしてしまう程度の子どもの比率は5~6歳で約20%、小学校低学年で約10%と減少しますが、10歳児でも約5%にみられます。まれに成人にもあるようです。

 S君は、7人きょうだいの6番目。皆さん、近所や友人達にもたいへん評判のいい家族です。私の第一印象はかなり真面目で素直な子です。しかし生まれた時からずっと、1日としておねしょから離れたことがなかったそうです。夜だけではなく、昼寝やソファーでウトウトしているときも、失敗することがあると聞きました。かなりの悩みでしょう。
 S君は7歳の春、ペルテス病んも診断を受け手術を行い、2年間歩行禁止で車椅子と松葉杖での生活だったそうです。いまでも定期検査をしながら生活を送っています。
 もともと運動神経がよく、2年間も歩かずにいたのに現在、部活はサッカーでキーパーをしているそうです。

 昨年春から2週間に1回、治療に通い始めました。昨年12月に2泊3日の修学旅行があり、無事に楽しめるようにというのがとりあえずの目標でした。明らかにペルテス病の、手術の後遺症だと思われる酷い身体の詰まりがあります。膝などは膝蓋骨が大きくずれて、これでよく走れるものだと驚きました。
 しかしこの身体の酷い詰まりが、返って体の不調を回復できる可能性を潜めているかも知れないと思いました。

 ただ12月までに夜尿症を解決できるか? S君も私も挑戦でした。数か月後、少しずつ夜尿の回数が少なくなってきました。とても素直な中学生で、この素直さがより効果を上げているのは間違いないと思います。
 それだけでなく、小ぶりな彼の背丈が見る見る伸びてきました。2週間ごとに来院し、即身長を測り、皆で喜び合いました。しかも男の子らしさが出てきて、会う人毎にそれを言われるので満更でもないのがよく分かります。
 月が進み、目標12月の旅行を「クリアできたと」の報告には、「やった!」と。改めて指圧の凄さを感じました。今回のコロナ騒ぎの中での自粛生活は、たいへんなストレスだったと思いますが、お母さんからの報告では、まったく失敗してなかったということです。

 末娘の6年生Kちゃんからも、指圧を始めてからのお兄ちゃんの変化を目にして、お母さんを通じて「私も指圧を受けたい」と予約が入りました。今はS君とKちゃん、月に一回ずつ受けに来ています。
 子供達の指圧には夢を感じます。仕事の楽しみがまたひとつ多くなりました。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お母さんの奮闘が光る! 弘前大学病院の診療情報提供書に達成感

2020年05月19日 | 実証した指圧効果

 弘前のKちゃんの報告です。このブログで以前、何回か登場している女の子です。初診時は、小学校2年生だったと記憶しています。この春、中学生になりました。真新しい制服でお父さんと一緒に撮った写真を送ってくれましたが、とても可愛いく写っていました。
 Kちゃんは、二分脊椎症です。自力排泄ができなかったのですが、指圧で克服することができました。青森県弘前市から年に3回ほど川越の治療院に来院し、お母さんが指圧を覚えて、家庭で毎日のように圧しての快挙です。
 この「母心」には、頭が下がります。すでに1年前から自力排便ができています。ちなみにKちゃんの障害レベルは「L5」です。このレベルを乗り越えたとは、お母さんの頑張りがよくわかります。本人はもちろん、ご両親もご家族もどれだけ嬉しいことかと思います。

 そんな中、たいへん嬉しい知らせがありました。
 
国立弘前大学医学部附属病院泌尿器科が、村岡曜子治療院宛てに出してくれた「診療情報提供書」です。この書類の1枚目に「症状経過」として、
「膀胱障害は固定しております。時々尿意ありますが自排尿はできずにおります。直腸障害が回復しているとのことで、膀胱も回復するかも知れません。ご加療よろしくお願いします」と。
 まことに感慨無量です。ご家族だけでなく私自身もとても喜んでいます。改めて安堵を感じ、同時に圧すことを指導する難しさと、それを乗り越えて頑張ったお母さんの強い思いにただ敬服しています。
 私も「1人でも多くよくなってもらえるように」と心込め指導と治療に向かっていますから、この書類を手に取った時はなんとも言えない達成感を味わうことができました。

 今年4月にも、Kちゃんの治療とお母さんの勉強のために来院の予定でしたが、この新型コロナウイルス騒ぎで残念ながら延期になりました。お母さんからの手紙には、「毎日、慣れない指圧をしました。圧しながら、子供の体の変化を感じられるようになりました」とあり、去年5月からは、完全に自力排便が出来るようになったそうです。
 今年4月には、自力排尿も何日も成功している、との嬉しい報告も添えられていました。コロナ騒動が終わったら、会える日を楽しみにしています。


国立弘前大学医学部付属病院泌尿器科が、二分脊椎症患者の排便が改善された
ことを認めてくれた診療情報提供書


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

重度の眼瞼痙攣、主訴が改善でき念願の神戸・京都旅行も楽しむ

2020年04月30日 | 実証した指圧効果

 とりあえず5月6日まで治療院はお休み。不要不急な外出は自粛して、極力自宅にいるように心掛けていますが、私もスタッフもいろいろ大変です。新型コロナ問題がいつ収束するのか、仕方がないとはいいながら終点が見えないのがつらいところです。しかしこれを奇貨として、このところサボっていたブログを書くことにしました。

 報告したいことはたくさんあります。
 基本指圧研究会会員のIさんから以前、眼瞼痙攣(がんけんけいれん)に悩んでる姪のYさんについて相談されました。眼球震盪(がんきゅうしんとう)の方とは、数人ですが改善治療に取り組んで喜ばれました。結果、指圧学校に入学された方もありました。
 しかし眼瞼痙攣は初めてです。これは瞼(まぶた)を閉じる筋肉(眼輪筋)が、自分の意思とは無関係に痙攣する病気だそうです。症状は、まばたきが増えたり、まぶしさを感じたりすることから始まり、症状が重くなると瞼が開かなくなって、目が見えない状態にまで進んでしまうことがあるといいます。
 症状を聞いてたいへんな病気があるものだと驚き、基本指圧で少しでもお役に立てるならやる価値があると思いました。

 Yさんは中年のご婦人です。以前から晴れた日は眩しさを強く感じることが多く、涙袋のあたりが、ピクピク痙攣することが多かったそうです。このような事例は多くの方が経験されたことがあると思います。また頻繁に頭痛を起こすそうです。そのうえかなり頑固な腰痛もあると聞きました。
 平成26年後半頃から瞼を重く感じることが多くなってきました。これが眼瞼痙攣の始まりでした。平成27年2月2日。ものもらいで近所の眼科を受診。この日から瞼の違和感の治療、ドライアイの点眼薬処方などを行ってもらいましたが、「眼瞼痙攣」かも知れないと東京のお茶の水・井上眼科クリニックを紹介されました。ここはどなたも知っている有名な眼科です。

 この頃はふだん両瞼を開けるのがつらく、片目だけだと開けやすい状態でした。ですから、いつの間にか片目で物を見るようにしていたようです。当時、彼女はパソコンの入力作業をしていました。テッシュを折り絆創膏で左右交互に瞼を固定し片目だけ開けるなど色々工夫をしていたのですが、目を酷使したことに気づきました。このあたりから、状態は急激に悪化したといいます。
 その年の6月、「眼瞼痙攣」の診断を受け、ボトックス治療を受けました。瞼の周囲に注射をするもので、頻繁には行えないのでしばらく様子を見ることになりました。治療後2~3日後には劇的に頭痛が改善されて楽になりました。
 1ヵ月後には徐々に効き目が薄れてきました。そのあと眼鏡の処方。さらに休職。筋肉のこわばりを緩める漢方薬も処方してもらいましたが効果なし。そのうえボトックス治療も、楽な期間がだんだん短くなってきました。次は、アーテンの投薬治療を受けましたが、薬の副作用があまりにも強いので続かなかったとのことです。このような状況は、だんだん厳しさを増していきました。

 彼女のご苦労話を聞くのも辛いものでした。私にとって、眼瞼痙攣を指圧治療で改善に向けるのは初めての経験です。紹介されたYさんは、鹿児島出身で、もの静かな雰囲気の方です。初対面の時から瞼を閉じたまま、お話をしておられました。瞼を開けているのがとても辛く、ついつい目を瞑ったまま道を歩いていくので、不意に物に激突することもあるそうです。危険極まりない状況です。
 指圧の初診は、平成29年10月20日。1ヵ月2回の来院で、令和2年2月12日まで頑張ってかなりの効果を生みました。治療中、瞼を開けている時間が段々多くなりました。
 待ち時間にスマホを楽しそうに操作し、何よりも指圧中目を開けて会話ができるようになりました。瞼を開けている彼女の表情を見て本当に嬉しく思いました。

 Yさんは、念願だった神戸・京都の旅もお友達と楽しむことができました。ただ現在、コロナウイルス騒ぎのため、指圧治療は中断しています。もう一息だと思っていた矢先のコロナ禍です。
 昨年12月4日。井上眼科クリニックの診察と検査の結果は、「両目を閉じるのはなくなった」と。
 主訴に対しての指圧効果は果たしたと思っています。ただ口周囲のジストニアが、改善方向になっていたのが、残念です。(クリニックの診断では、顔面ジストニア診断から口周囲ジストニアに改善)
 コロナ騒ぎが落ち着いたら、ぜひ治療を続行したいと思っています。


 彼女が眼科の先生にカルテ開示を希望し、診療録をもら
ってきてくれました。「西洋医学的に治療するならボトッ
クス、アーテンなど」「指圧で改善するか経過観察しても
OKと考える」とのお話。「両目を閉じるのはなくなった」
ことは認めておら
れました。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アキレス腱の手術回避を目指す、排泄障害は大幅に改善

2020年04月29日 | 実証した指圧効果

 二分脊椎症のSちゃんは、現在アキレス腱の手術回避にチャレンジをしています。
 今年2月8日、ご両親らに連れられて治療を受けに来られた折の話です。整形外科の診察の結果、来年2月にアキレス腱手術を行うことを勧められたそうです。これは二分脊椎症の影響だということですが、確かにSちゃんの足関節は固く足の動きが気になるところです。お母さんから「指圧での改善は可能でしょうか?」と相談を受けました。

 Sちゃんは2歳から、二分脊椎症による排泄障害の改善のために親子で指圧を受けています。状態は順調で、排便に関してとてもよくなってきました。ご両親が、しっかり指圧に向き合っているのがひしひしと感じられます。病気や障害などを克服するには、何と言っても家族がひとつになることがいちばん大事です。
 これまでは月に1回の来院でしたが、足関節が固くなっていくのを改善するには、それでは間に合いません。この日、まずお母さんに圧し方を教えることになりました。家庭でお母さんに指圧を実践してもらおうということです。親子とも指圧を受けているので、説明もしやすく、飲み込み(理解)が早いので助かります。
 受け手のSちゃんもスムーズに動いてくれますし、直ぐに指導に入れるのでとても効率的だと思いました。指圧を行うための決まり事などを知っていますので、やり易かったといえます。

 これまで4回指導し、メキメキと歩き方が変化してきました。ご両親共驚いていました。同時に、Sちゃんの「お腹」の状態が変わってきたのです。排便を促す浣腸が遠のいてきました。常々、足指を圧すことの大事を伝えているので、お母さんは子供の足指はいつも圧しています。
 今回、足首の動きの改善を目指すことで、お腹の機能にも変化が起きていました。下肢の状態は、即お腹の状態と言っても過言ではありません。ただ圧すことが少し難しい部分です。足の動きの精度を上げるように圧すのです。子供の小さな足指の細かい処を圧す角度や状況を繊細に見極めことが必要です。
 ただ、Sちゃんのお母さんは「やる気」満々、熱意が伝わってきます。なんとかしたいという思いがよく分かります。お母さんは初め「???」ばかり、「これでいいのですか?」と言うだけでした。

 4回目にやっと少し自信が持てたと思います。これもお母さんが日頃、自から指圧を受けていたからです。今回は、圧してSちゃんの脚の形と動きを、目の前で見るので説得力がありました。まだまだ改善の余地は、たくさんあります。
 コロナ騒動がなければと残念ですが、ラインを利用して動画で指導して見ようと思います。次回会うときがもっと良くなっていますように。
 楽しみです。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

しばしば聞く外反母趾の悩み、早いうちに手を打つのが大切

2020年03月02日 | 実証した指圧効果

 外反母趾の悩みはしばしば耳にします。2016年1月31日に投稿した記事をご参照ください。この方は、真っ直ぐ立って歩けない状態でした。現在では痛みが取れて、走ることもできるようになりました。でもこれほどにならないうちに、何か手を打つことができたらと思います。

 掲載の写真は、今回相談された女子中学生の外反母趾です。状態は左右とも同程度で、とりあえず歩行はできていますが、痛みとともに症状の進行に対しての強い不安があります。
 足背(そくはい=足の甲のこと)の〈写真1〉を見ると、第一指が外反母趾特有の形です。大きく内側に曲がり関節の痛みが、その形状でも想像できます。第二指が、第一と第三に挟まれて、行き場がないので、第二指は、上方に上がってきています。これでは指の働きを果たせません。
 この結果、〈写真2〉のように足底(そくてい)から目で見ると、足指が4本しか見えません。その負担は、外反母趾に対してもっとかかります。それを無視して使っていくと症状の悪化を招くのは必至です。

 彼女は中学生で、まだまだ成長期です。足指も一緒に成長していきます。成長は「良い方向」にも「悪い方向」にも進んで行くのです。ひどい外反母趾の治療の場合まず、歩行時の体重がすべて患部に乗ってしまうので、本人や家族などにマメに手指で圧すことを勧めます。
 今回は、患者さんが少し遠方なので、お母さんにお手伝いをお願いすることにしました。圧し方を覚えてもらい皆で、改善を目指すのです。
 今回、覚えて実践してもらい、次回はその状態を見たうえで改めて指導します。この繰り返しで進めていきたい。一緒に頑張って行きたいと思います。


〈写真1〉


〈写真2〉


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする