とてもうれしいファクスが届きました。11月16日でしたが、これをブログに出すといかにも自賛気味にみえるかと、アップすべきか迷っていました。
私が脳出血で倒れた後、治療を再開して初めての仕事でした。後遺症で失語症を患っているためなかなか言葉が出ず、かなり苦労しながらの仕事でしたが、なにか「やりたい」と思う気持ちが強く湧いて来たのを覚えています。
自分の身体にはかなり負担になるのは感じましたが、かつて浪越徳治郎先生から「世界中どこに行っても指圧に言葉はいらない。圧せば通じる」と聞いていたのを思い出し、自信を持って向かうことができました。
高齢出産で脊椎側湾症(側弯症)の妊婦さんでしたが、彼女を超安産に導くことができる基本指圧は本当にすごいと感激しました。妊娠後期に出た不思議な腰の痛みにはびっくりしましたが、赤ちゃんの様子も、最後には自信を持って大丈夫と確信できる状態でした。本当に難しい仕事でしたが、基本指圧を学んでよかったとつくづく感じることができました。
送られてきたファクスの要旨です。
「脊椎側湾症は治らないと鍼の先生に言われたのをきっかけに、よい治療法はないものか探していました。村岡先生の治療院を知り、藁にもすがる思いで伺ったところ、先生は多くを語らず施術してくださった。半年ほど前に脳出血で倒れたあとだったので、先生にとっては負担だったことでしょう。
最初の1回で左右の胸のバランスが良くなったのには驚きました。次第に顔もすっきりして、以前の自分を取り戻せました。なにより一番の喜びは、元気な赤ちゃんを無事出産できたことです。途中いろいろ不安がありましたが、村岡先生に励ましていただきました。
指圧と妊娠の相乗効果で脊椎側湾症の改善もみられたように思います。今は育児でこれまでに味わったことがない幸せを感じています。村岡先生、ほんとうにありがとうございました」。
治療をした患者さんから喜んでもらえるのが、私ら指圧師にとっては何よりうれしいことです。これも基本指圧に巡り合えたから、といつも感謝しています。基本指圧研究会で共に学ぶ会員の皆さん、また真剣に指圧を学んでいる若い方たち、どうか正しい圧し方をしっかり身につけてもらいたいと思います。
ペーパークラフト作家・松田祐樹さんの新年のカレンダーが出来(しゅったい)しました。来年の干支・巳(み)年にちなんで、「明るい巳来へ」と題したもの。夢おおき子どものころの世界へ、私たちをいざなってくれる心温まる作品です。
松田さんの作品は、昨年12月には読売新聞にも取り上げられ、原宿・表参道のクレヨンハウスで作品の展示がありました。私もさっそく出かけましたが、「小さなドラゴンの大冒険」と題し、本年・辰年のカレンダーに収録された写真のもとになった作品でした。
製作するのは、ほとんどが15~20センチ立方ほどの大きさ。設計図がなく、頭の中のイメージから生み出されるのだそうですが、その精緻な出来栄えと、あふれる夢の世界には驚かされます。松田さんの作品は、私たちがいつの間にか遠のいていたメルヘンの世界へ惹きもどしてくれ、思わずほほ笑みを誘われる作品群ばかりです。
都立墨東病院の元脳神経外科医長・藤原一枝先生が、かつてご自身のブログで松田さんを紹介しておられます。
「頭脳明晰、優しい24歳(昨年)の青年です。残念なことに、乳児期から内臓が弱くて、体力がありません。20歳までの入院生活は相当に長く、学校生活はわずかでした。ベットの上で、唯一彼が自由であったのは、空想の世界です。空想を具現化するペーパークラフトの並はずれた才能に気付いたのは、小児科医・村山恵子先生でした。2007年、村山先生から、松田さんを応援する役が藤原QOL研究所に託されました」。
藤原先生が応援しておられますので、私もわずかばかりのお手伝いをさせていただいております。
昨日、指圧に来た男性がはカレンダーを見て、「ああ、これですね。子どもが待っていたんです。子どもはカレンダーを楽しみにしていました。去年もおととしも買ったのです」と喜んで買い求めて帰られました。その方の子供さんは、自分でもこういうことをやってみたい、と言っているそうです。
このカレンダー、まだいくらか残部数がありますので、ご希望の方にはお分けいたします。頒価は800円です。