「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

重度の眼瞼痙攣、主訴が改善でき念願の神戸・京都旅行も楽しむ

2020年04月30日 | 実証した指圧効果

 とりあえず5月6日まで治療院はお休み。不要不急な外出は自粛して、極力自宅にいるように心掛けていますが、私もスタッフもいろいろ大変です。新型コロナ問題がいつ収束するのか、仕方がないとはいいながら終点が見えないのがつらいところです。しかしこれを奇貨として、このところサボっていたブログを書くことにしました。

 報告したいことはたくさんあります。
 基本指圧研究会会員のIさんから以前、眼瞼痙攣(がんけんけいれん)に悩んでる姪のYさんについて相談されました。眼球震盪(がんきゅうしんとう)の方とは、数人ですが改善治療に取り組んで喜ばれました。結果、指圧学校に入学された方もありました。
 しかし眼瞼痙攣は初めてです。これは瞼(まぶた)を閉じる筋肉(眼輪筋)が、自分の意思とは無関係に痙攣する病気だそうです。症状は、まばたきが増えたり、まぶしさを感じたりすることから始まり、症状が重くなると瞼が開かなくなって、目が見えない状態にまで進んでしまうことがあるといいます。
 症状を聞いてたいへんな病気があるものだと驚き、基本指圧で少しでもお役に立てるならやる価値があると思いました。

 Yさんは中年のご婦人です。以前から晴れた日は眩しさを強く感じることが多く、涙袋のあたりが、ピクピク痙攣することが多かったそうです。このような事例は多くの方が経験されたことがあると思います。また頻繁に頭痛を起こすそうです。そのうえかなり頑固な腰痛もあると聞きました。
 平成26年後半頃から瞼を重く感じることが多くなってきました。これが眼瞼痙攣の始まりでした。平成27年2月2日。ものもらいで近所の眼科を受診。この日から瞼の違和感の治療、ドライアイの点眼薬処方などを行ってもらいましたが、「眼瞼痙攣」かも知れないと東京のお茶の水・井上眼科クリニックを紹介されました。ここはどなたも知っている有名な眼科です。

 この頃はふだん両瞼を開けるのがつらく、片目だけだと開けやすい状態でした。ですから、いつの間にか片目で物を見るようにしていたようです。当時、彼女はパソコンの入力作業をしていました。テッシュを折り絆創膏で左右交互に瞼を固定し片目だけ開けるなど色々工夫をしていたのですが、目を酷使したことに気づきました。このあたりから、状態は急激に悪化したといいます。
 その年の6月、「眼瞼痙攣」の診断を受け、ボトックス治療を受けました。瞼の周囲に注射をするもので、頻繁には行えないのでしばらく様子を見ることになりました。治療後2~3日後には劇的に頭痛が改善されて楽になりました。
 1ヵ月後には徐々に効き目が薄れてきました。そのあと眼鏡の処方。さらに休職。筋肉のこわばりを緩める漢方薬も処方してもらいましたが効果なし。そのうえボトックス治療も、楽な期間がだんだん短くなってきました。次は、アーテンの投薬治療を受けましたが、薬の副作用があまりにも強いので続かなかったとのことです。このような状況は、だんだん厳しさを増していきました。

 彼女のご苦労話を聞くのも辛いものでした。私にとって、眼瞼痙攣を指圧治療で改善に向けるのは初めての経験です。紹介されたYさんは、鹿児島出身で、もの静かな雰囲気の方です。初対面の時から瞼を閉じたまま、お話をしておられました。瞼を開けているのがとても辛く、ついつい目を瞑ったまま道を歩いていくので、不意に物に激突することもあるそうです。危険極まりない状況です。
 指圧の初診は、平成29年10月20日。1ヵ月2回の来院で、令和2年2月12日まで頑張ってかなりの効果を生みました。治療中、瞼を開けている時間が段々多くなりました。
 待ち時間にスマホを楽しそうに操作し、何よりも指圧中目を開けて会話ができるようになりました。瞼を開けている彼女の表情を見て本当に嬉しく思いました。

 Yさんは、念願だった神戸・京都の旅もお友達と楽しむことができました。ただ現在、コロナウイルス騒ぎのため、指圧治療は中断しています。もう一息だと思っていた矢先のコロナ禍です。
 昨年12月4日。井上眼科クリニックの診察と検査の結果は、「両目を閉じるのはなくなった」と。
 主訴に対しての指圧効果は果たしたと思っています。ただ口周囲のジストニアが、改善方向になっていたのが、残念です。(クリニックの診断では、顔面ジストニア診断から口周囲ジストニアに改善)
 コロナ騒ぎが落ち着いたら、ぜひ治療を続行したいと思っています。


 彼女が眼科の先生にカルテ開示を希望し、診療録をもら
ってきてくれました。「西洋医学的に治療するならボトッ
クス、アーテンなど」「指圧で改善するか経過観察しても
OKと考える」とのお話。「両目を閉じるのはなくなった」
ことは認めておら
れました。


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アキレス腱の手術回避を目指す、排泄障害は大幅に改善

2020年04月29日 | 実証した指圧効果

 二分脊椎症のSちゃんは、現在アキレス腱の手術回避にチャレンジをしています。
 今年2月8日、ご両親らに連れられて治療を受けに来られた折の話です。整形外科の診察の結果、来年2月にアキレス腱手術を行うことを勧められたそうです。これは二分脊椎症の影響だということですが、確かにSちゃんの足関節は固く足の動きが気になるところです。お母さんから「指圧での改善は可能でしょうか?」と相談を受けました。

 Sちゃんは2歳から、二分脊椎症による排泄障害の改善のために親子で指圧を受けています。状態は順調で、排便に関してとてもよくなってきました。ご両親が、しっかり指圧に向き合っているのがひしひしと感じられます。病気や障害などを克服するには、何と言っても家族がひとつになることがいちばん大事です。
 これまでは月に1回の来院でしたが、足関節が固くなっていくのを改善するには、それでは間に合いません。この日、まずお母さんに圧し方を教えることになりました。家庭でお母さんに指圧を実践してもらおうということです。親子とも指圧を受けているので、説明もしやすく、飲み込み(理解)が早いので助かります。
 受け手のSちゃんもスムーズに動いてくれますし、直ぐに指導に入れるのでとても効率的だと思いました。指圧を行うための決まり事などを知っていますので、やり易かったといえます。

 これまで4回指導し、メキメキと歩き方が変化してきました。ご両親共驚いていました。同時に、Sちゃんの「お腹」の状態が変わってきたのです。排便を促す浣腸が遠のいてきました。常々、足指を圧すことの大事を伝えているので、お母さんは子供の足指はいつも圧しています。
 今回、足首の動きの改善を目指すことで、お腹の機能にも変化が起きていました。下肢の状態は、即お腹の状態と言っても過言ではありません。ただ圧すことが少し難しい部分です。足の動きの精度を上げるように圧すのです。子供の小さな足指の細かい処を圧す角度や状況を繊細に見極めことが必要です。
 ただ、Sちゃんのお母さんは「やる気」満々、熱意が伝わってきます。なんとかしたいという思いがよく分かります。お母さんは初め「???」ばかり、「これでいいのですか?」と言うだけでした。

 4回目にやっと少し自信が持てたと思います。これもお母さんが日頃、自から指圧を受けていたからです。今回は、圧してSちゃんの脚の形と動きを、目の前で見るので説得力がありました。まだまだ改善の余地は、たくさんあります。
 コロナ騒動がなければと残念ですが、ラインを利用して動画で指導して見ようと思います。次回会うときがもっと良くなっていますように。
 楽しみです。


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5月の練習会は中止、総会は追って連絡を

2020年04月28日 | お知らせ

 5月10日の午後、特定非営利活動法人基本指圧研究会の月例練習会と、そのあと年次総会を開催する予定でした。しかし昨今の新型コロナウイルス感染拡大に伴い、成増アクトホールが予約していた部屋の使用中止を決定しましたので、5月の月例練習会は開催いたしません。
 したがってこの日は総会も行われません。ただ、NPO法人は最低年1回の総会開催が義務付けられていますので、開催の日時、会場は追って会員にお知らせいたします。


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コロナウイルス危機の中、チャトランの可愛さに一同癒される

2020年04月17日 | 雑感

 新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言以後、これまでにないほど生活に緊張感を持つようになりました。サーズ、マーズの時と比べると別格です。しかも、いつ元の安心できる環境に戻れるのか不安は募ります。
 ところで「忙中、閑あり。苦中、楽あり」といいますが、コロナウイルスに翻弄される日々の中にも、時として癒しを目にすることがあります。危中癒あり、とでも言いましょうか。それは近所の人気虎柄猫「チャトラン」の存在です

 治療院でも、仕事中に窓から見えるチャトランの動向が、スタッフらの癒しになっています。いっそう優しい気持ちで患者さんに向かうことができるのではと、私もとてもうれしいことだと思います。
 とにかく可愛い猫です。近所のブロック塀が、お気に入りでいつもその上います。人を警戒することなくお昼寝中。とにかく緩んで見える猫です。それが癒しにつながるのかもわかりません。

 チャトランの左耳先を見てください。耳カットは飼い主のいない猫の不妊手術済みのしるしです。耳先カットをされていないことがありますが、その場合、未手術だと思われてまた捕獲され、手術の為に再びお腹を切られる可能性があります。
 オスは外から見て手術跡が分かることが多いそうですが、メスは時間が経つと手術跡が薄れ、開腹してみて初めて手術済みとわかる場合があるという。そのため、耳カットは猫に優しい手術と言えるようです。
 左耳先のカットはメス猫、右耳はオスといいますが、これは決められているわけではないとも聞きました。かわいい写真をご覧ください。


ブロック塀の上でお昼寝


暖かい昼下がり、お気に入りの
郵便
ポストに座り、ご自慢の太
い前足を
出してポーズを決めま
した。左耳先
のカットは、猫の
不妊手術済みのし
るしです


チャトランはこの家の兄ちゃんが大好きです。兄ちゃんが帰宅する
頃、その自転車の下で寝て待っています


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脳外科医の藤原先生、子供の生活リズム改善の体操・指圧を指導

2020年04月14日 | お知らせ

 日本中が、新型コロナウイルス騒動で混乱をきわめています。私の治療院も緊急事態宣言が発令された4月8日からとりあえず2週間、営業を自粛しています。
 治療院の患者さん達には、慢性病などを持っておられる方や、障害のある方などがいらっしゃいます。3月ごろから、指圧のコロナウイルス対策をどうしたものか困惑していました。マゴマゴしているうちに、決定が遅くなってしまいました。

 ところで少し前になりますが、東京新聞(3月27日付)にたいへんお世話なっている小児脳神経外科医の藤原一枝先生の記事が出ました。先生は10余年前、私が取り組んでいる二分脊椎症患者の排泄改善に対して学会発表を勧めてくださり、いろいろお世話くださった方です。
 10年前に私が脳出血で倒れたとき都立墨東病院の脳神経外科医長をしておられましたが、救急搬送された川越の病院まで来てくださり、優秀な医師が揃っている東京警察病院へ転院手続きをしてくださったのです。

 東京新聞の記事は、入園・入学で子供の生活リズムや環境が大きく変わるこの時期、子供の便秘予防と解消のために心がけることが紹介されています。ことに便秘に有効な体操や指圧を紹介しておられました。先生が著された絵本、「ちょうかいちょうのキョウコちゃん」にも紹介されている内容です。
 また、板橋区小茂根にある日本肢体不自由児協会の月刊誌にも、体操や指圧を紹介してくださいとの依頼があったそうです。6月か7月に出版予定だとお聞きしました。先生の八面六臂のご活躍には脱帽します。
 東京新聞の「すくすく」には、体操と指圧の紹介とに併せ、私の指圧の師匠である鈴木林三先生の動画も紹介されているので、ぜひご覧ください。懐かしく拝見しました。


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5月6日まで村岡曜子治療院は休業します

2020年04月08日 | お知らせ

 4月7日、新型コロナウイルス感染に対して政府が緊急事態宣言を発しました。これを受けて、村岡曜子治療院はスタッフと相談した結果、1日遅れの4月8日から5月6日まで休業することを決定しました。
 考えてみると指圧治療は言い訳のきかない「密接仕事」です。すでに予約が入っていた患者さんには、事情を説明してキャンセルさせていただき、スタッフにはこの期間に新しい予約を受け付けないように指示しました。
 弊治療院をご利用下さる皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、新型コロナウイルス問題が解決したら直ちに治療を再開いたします。それまでどうかご猶予くださいますようにお願いいたします。

 令和2年4月8日   村岡曜子治療院


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