「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

眼球振盪のKMちゃん、よくなって「以前のことは忘れてしまった」と

2014年12月26日 | 素晴らしい指圧効果

 2014年12月11日、久しぶりに眼球振盪の高校生KMちゃんが来院しました。
 
今年4回目の指圧治療です。彼女は以前、物を見るとき眼球の振れが止まる一点だけに目を固定して見ていました。去年初頭から週1回、基本指圧で治療し8月末に帝京大学の眼科の教授から「確かに真っ直ぐ向いていますね」と確認されました。私は、8カ月間必死に治療に没頭した疲れがどっと出てしまい、彼女の状態が落ち着いてきたので高校受験もあり、少しお休みをもらって、来年受験が終わってまたときどき来てもらえば大丈夫と、治療を小休止と決めました。 

 今年、高校に進学してからは、憧れのチアリーダーの部活動の練習で毎日毎日忙しいらしく、なかなか治療に来なくなりました。人に聞いた話では、この高校は今年全国大会で優勝したそうです。久しぶりに会ったKMちゃんは、ずい分身長が高くなって、スマートな素敵なお嬢さんになっていました。
 
この日は、「腰が痛いです!」と訴えていました。チアリーダーの動きがまだまだ思うようにできずに苦労しているのだろうと、身体を圧しながら応援する気持が湧いてきました。―― 頑張れ。

 
圧し手として一番気になるKMちゃんの前頸部は、どうなっていたでしょうか。
 
今年は4回とも、1回1回よくなっているのは分かっていたので安心していましたが、これが「成長」という身体の「力」だと確認し、感動しました。大人にはすでに無くなってしまった素晴らしい力です。いい物も悪いものも、すべてが成長してしまう生命力という力です。改めて自然に具わった身体の脅威に感動しました。
 
さて、今日はどうでしょうか。
 
眼球振盪独特の、頸部の硬さはやはり少し残っていました。全身を圧し終えて、確認の意味で最後にもう一度、気になる前頸部の硬さを圧して見ました。――ビックリしました。その部分がキレイに緩んでいたのです。

 
KMちゃんに聞いてみました。
 
見た目では、分からないほどよくなっているけど感想は?
 
「???んー、どうだったかな? えーと? 分からない! 忘れちゃった!」

 
この答えには、驚きとともに本当に嬉しく思いました。
 
確かに良くなったら分からなくなるのは、結果が本物だということだと思いました。嬉しくて、誰にでも言いたくて、何回も同じことをいっていました。KMちゃん、来年も時々指圧を受けにきてね! 


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二分脊椎・水頭症の23歳男性、便もれとアトピー性皮膚炎が改善

2014年12月22日 | 指圧の活動

 公益財団法人・日本二分脊椎・水頭症研究振興財団から受けた助成金で、埼玉県の男性U君(23歳)の治療をしていましたが、助成金で予定していた分は11月28日に終わりました。この指圧治療は、4月3日から11月28日まで、隔週でどれくらい効果が上がるかを期待して挑みました。
 
治療にあたったのは、基本指圧研究会のメンバー加納慎一です。初めての大仕事で緊張感を持って挑みました。治療は全身指圧を8カ月間施療し(合計18回)、私もU君の厳しい状態を知っていますので、少しでも改善に結びつけることと、加納慎一に教える目的で、加納の治療週以外の週をボランティアで、応援することにしました。私が3~40分ほど圧しながら、体調が変わって行く様子を加納に教えながらの挑戦です。(村岡の指圧が合計16回) 
 
治療は1回1回順調に進み、徐々に身体が変化してきました。彼は車椅子生活で、足が利かず歩けません。生まれた時から水頭症も合併していて、頭部5回も手術しています。腰は脊椎側弯症もひどく、角度は47度でこの4年間変わっていないと聞いていました。

 指圧を受ける効果が早くも3ヶ月で確認されました。大学病院での今年7月のレントゲン検査の結果、側弯症の角度は37度に変化し、医師も驚いていたそうです。曲がった膝も少しずつ伸びてきました。ひどかったアトピー性皮膚炎も、びっくりするほど良くなってきました。夜も眠れないほど痒くて辛かったから、たいへん喜んでいます。

 順行性洗腸から脱出ができたらと思い、洗腸で使う水の量を1リットルから100ccづつ減らしながらチャンスがあればと窺っていました。7月31日、本人と母親からの申し出で、逆流性洗腸に変えることになりました。色々考えて、洗腸の水は100ccを5回入れることにしました。
 
結果、それまでの便もれが8月14日の指圧以後なくなりました。二分脊椎症患者が一番悩むのは、予想不可能な便もれです。今回の彼も週1~2回あった便もれで、仕事に行けない日があることが一番の悩みでした。

 
U君とそのお母さんから、財団と私たちへの感謝のコメントです。

 
彼からです。
 
「村岡先生、加納先生に指圧をしてもらったおかげで、職場などで便もれが無くなりました。体調もとても楽になりました。本当に感謝しています。また、村岡先生には、電車に乗る練習に付き合って下さり本当にありがとうございました。感謝しています。これからは色々な所へ自由に出かけられると思うとワクワクしてきます。今後もよろしくお願いします」

お母さんからのコメントです。
 
「このたびは財団の助成金の対象として息子を選んでいただき、最高のチャンスに本当に感謝しています。ありがとうございました。4月から開始し、回数を重ねる度にひどいアトピー性皮膚炎が見る見る良くなりました。そのすごさには驚いています。
 
そして一番の悩みであった、洗腸後の便もれが無くなりました。これまで洗腸後に必ず便漏れがあり、何時も心配で仕事を休むことも多くありました。現在は、まったくありません。
便性も変わりました。時には、『お腹が痛い』といいトイレに行き、自分で排便することもあります。7月には側弯症のレントゲン撮影があり、47度→37度の変化には驚きました。性格も穏やかになりました。薬を使わず身体を改善できる、指圧の素晴らしさを改めて実感することができ、感謝でいっぱいです。本当にありがとうございました」

 
今後、自力排便目指して私らで工夫しあって、指圧治療を同じペースで続行できたらいいなと考えています。また報告します。


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12月度練習会、基本指圧だから可能な分野を見つめて前進を

2014年12月18日 | 分類なし

 年内最後の月例練習会が、12月14日午後1時半から、豊島区勤労福祉会館で開催されました。
 今年度、公益財団法人日本二分脊椎症・水頭症研究振興財団から受けた助成金を使った治療の、3例の内2例が終了しました。二分脊椎症患者の治療ですが、予想した以上の成果を収めましたので、基本指圧の効能を二分脊椎症患者や医師にも、これまで以上に広く理解してもらえたのではないかと思っています。

 
ただ、鈴木林三先生との話の中で「医療とし世間から認められるには、病院に入って仕事をしなければー」という言葉がありました。基本指圧だからこそできる分野を、病院に入って効果を発揮して行きたいと思っています。
 
そこで今月から基本指圧研究会の練習会で、肩甲下部を中心に前頸部→横頸部→後頸部と、さらに腹部の圧し方の上達も目指していきたいと思います。
 
来年こそ、会員の大いなる技量上達を楽しみにして~

 
今年はいろいろありがとうございました。




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「ひつじとあまいお菓子の物語」 ― 松田祐樹さんの新年のカレンダー

2014年12月06日 | お知らせ

 ペーパークラフト作家松田祐樹さんの、新年のカレンダーが出来(しゅったい)しました。「ひつじとあまいお菓子の物語」と銘打った作品です。才能豊かな作家、どんなカレンダーができるか楽しみにしていましたが、「お菓子」を題材にした何とも夢のある作品に感動しました。今年一年、このカレンダーを眺めて存分に楽しみたいと思います。

 年々バージョンアップされる作品、来年には個展が開催されると聞きました。その時はぜひ見に行きたいと今から楽しみにしています。

 


夢がつまった作品を見てください


スタッフが可愛いポップを書いてくれました

   


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大学病院でも「回復は困難」と、眼球振盪が基本指圧で改善に向かう

2014年12月03日 | 分類なし

 今年の前半は、神戸の「公益財団法人 二分脊椎・水頭症研究振興財団」からいただいた助成金の仕事で頭がいっぱいで、新しい仕事は入れられない状態でした。 
 3月にその授与式で神戸へ出かけ、5月にさっそく2泊3日で二分脊椎症の中学生の治療と、お母さんに指圧の仕方を指導するために青森まで出かけました。指圧治療も十分成果を出すことができ、緊張が解け、本当にホッとしました。

 
頑張った自分へのご褒美として、私が自分の家族のように思っているスタッフを連れ、6月に総勢8人で箱根へ一泊旅行をしました。岡田美術館では、歌麿の幻の大作と言われる「深川の雪」に巡り合うことができ、本当に英気を養うことができました。
 
その後、8月の夏休みには恒例になっている西表島(沖縄)の子供たちが治療に来ますので、気が抜けないと緊張感を持っていました。それらの仕事も無事こなすことができ、やっと一息つけた思いでした。

 
9月、今少しゆったりした気分でいたところです。かねてから電話でコンタクトがあった、眼球浸透の男性(埼玉県在住)の治療を始めようと考えていました。この方は某高校の教諭です。たまたま時間が取れましたので、初めての治療は8月31日から始めました。
 
彼は症状が厳しかったので、しばらくは週に1回を基本に治療をしています。1回目の治療後、眼球の動きは少し変化して、彼の眼球は右に動きやすいとわかりました。全身的にも改善点が多く課題が多い仕事ですが、期待して回復を目指していこうと思っています。
 
基本指圧で目の治療をする際、必ず全身指圧をすることで回復を目指します。部分治療ではなく必ず全身を弛めることで、治療効果が格別に違ってくるのを理解してほしいのです。目の部分だけの治療では治癒は非常に難しい。目が物を見ることで、反応して全身が動いていく。顔色、血圧、毛穴、内臓、筋肉、骨格、など瞬時に変わります。ですから治療も、全身の基本指圧の出番です。

 
眼球振盪は、さまざまな研究がされてはいるでしょうが、現状では薬や手術による回復は、ほとんど望めないようです。この方も、大学病院の有名な教授から「治療は困難」と宣告されたそうです。今回、治療途中ではありますが、治療を始めてから、約3か月経過して症状の改善が見えてきたので途中報告をします。

 
基本指圧の治療を始めてから、最近になって治療後、眼球の振れがあんまりわからなくなりました。スタッフも治療の手を止めて、皆で喜んでいます。ご本人のコメントを掲載します。

◆ 目…縦書きの文章を読むとき、行の終わりまで目で追い、次の行頭に移ることが難しいこともあったが、4回目の治療を受けた頃から「読み飛ばし」や眼球の横振れを無意識に修正する「首振り」が減ってきた。事務仕事が楽になりになりました。読みやすい! 書きやすい!
◆ 肩・腰…車の運転や事務で座っていると、とても辛かったが、今は1日事務作業をしていても大丈夫。
◆ お腹…以前は、便秘がちだったお腹の状態が良く、毎日快調です。

 
この方は、「先生」という仕事がら、慣れているのでしょうか、わかりやすく色々な話をしてくださるので、私自身、眼球振盪の辛さに対して理解が深まったように思います。日々大変な心労を重ねていらっしゃることがよく分かりました。でも彼の人間性なのか、治療院で会う方々が皆、「素敵な先生ね!」といいます。苦労されてきた分、誰もが爽やかな雰囲気を感じるようです。来春はきっと嬉しい報告ができると励んでいます。ご期待ください。


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