「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

凄惨なリンチで力士死亡、協会の無能無策に唖然

2007年09月29日 | 雑感
  大相撲時津風部屋の時太山(ときたいざん)の急死は、さまざまな波紋を広げています。大変気になるので、今日はこの件につき一言述べてみたいと思います。

   時太山は17歳で入門してわずか2ヵ月後、額が割れて肋骨が折れ、顔が腫れ上がり、鼻は潰れて形が変わり、足にはタバコを押し付けたような複数の火傷跡が残る状態で、遺体になって自宅に戻ってきたというのです。(各新聞報道)
  ところが時津風親方は、当初「通常のけいこの結果」と説明していました。その上、遺体を親の目に触れさせないためか、「(遺体は)こちらで取り仕切りますから」ということで、現地での火葬を示唆する電話をかけたというのです。(毎日新聞夕刊 2007.9.27)
  もちろん親は納得できず、「それは困る、こちらから迎えに行く」と抗議したところ、傷だらけの遺体が搬送されてきたといいます。

  親方はテレビ・新聞などマスコミで、「親御さんから預かった大事な子供に、暴力を加えることなど正直言ってありえない」と繰り返し強調していました。ところが親が行政解剖を希望した結果、新潟大学で「多発性外傷によるショック死が考えられる」と判断されたというのです。

  あとで分かったことは、実際は、時津風親方が前夜の酒席で、自らビール瓶で時太山の額を殴打、兄弟子らが金属バットで凄惨なリンチを加えていた、というではありませんか。
  年若く、入門わずかで身体もまだできていない、とうてい耐えることができなかったでしょう。元小結(親方)や現役力士から加えられた暴行は、凄まじいものだったのでしょう。

  この親方、27日の日本相撲協会の定例理事会に出席し、協会側に迷惑をかけた謝罪はしましたが、自らの責任や進退にはまったく触れませんでした。しかも相撲協会からは、親方の処分についての発表もなく、時太山の親に対して、今日に至るまで謝罪の一言もないということです。
  しかも北の湖理事長まで、これほどの事件を「捜査中ですから、警察にお任せするのが一番。捜査の結果が出たら、はっきりしたことが言えると思う」といっさい口を閉ざし、協会独自では調査をしようともしなかったのです。これではまるで他人事(ひとごと)ではないでしょうか。
  昨日、渡海紀三朗・文部科学大臣に理事長が呼ばれて叱責され、あわてて“お詫び記者会見”をしていました。協会のトップに、責任を受け止める自覚がないならば、役職を続けるべきではないと私は思います。

  理事長が理事長なら、広報部長も同じです。高砂親方(元朝潮)は、「(この事件について)私からお話しすることはできない」と恥ずかしげもなく語っていました。「朝青龍事件」のときも、当初同じことを言っていたのを思い出しますが、そんなことなら広報部長の資格はないのではないでしょうか。人一人が死んで(殺されて)いるのです。
  他の組織を真似てか、理事長、理事、…事業部長、巡業部長、広報部長…など仰々しい役職を作り元役力士を充てていますが、任命された者は、はたして自分がどういう役目を果たさなければならないか分かっているのでしょうか。理事長自体がまったく自覚がないようでは、以下は推して知るべきではないでしょうか。

  検察は時津風親方を傷害罪で、兄弟子らを傷害致死容疑で立件することも視野に入れているようですが、最終的には「執行猶予」などがついて、さしたる刑にならないでしょう。
  親御さんは刑事裁判と別に、ぜひとも民事裁判を提訴して、一片の誠意もない相撲協会や時津風親方と徹底的に戦ってもらいたい、多くの人たちが心から応援しています。
  それでなくても、今、新弟子検査を受ける(入門希望)者が激減しているというのです。こんな実態では、どこの親が息子を預けようと思うでしょうか。

  ここで体質を大改革しなければ、大相撲の未来は絶対にありません。「国技」と気取ってみても、勝手に言っているだけで、法的な裏づけなどないのですから……。日本の伝統を滅ぼしてしまうか否かが、理事長以下協会の幹部、親方衆にかかっているのですよ。

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羨ましい旅行、ラフレシアとスイートへの宿泊

2007年09月25日 | 私の趣味
  昨日に続いて、今日も旅行のことを書いてみます。
  9月の上旬から中旬にかけて、夫が友人と2人で海外へ行ってきました。出かけるのは毎年のことなので、それ自体はどうということもありませんが、少し羨ましいと思ったことが2つあります。

  夫が行ったところは、ボルネオ島とクアラルンプールでした。ボルネオは、ご存知のようにオランウータンとラフレシアで有名です。
  オランウータンとは、現地語で「森の人」という意味だそうです。ところが、確実に“森の人”と会うには、宿泊地のコタキナバルから、国内線でさらに何時間もかけて、オランウータンの「リハビリ・センター」まで行かなければならないと知り、断念したというのです。

  しかし、世界一大きな花、ラフレシアを見ることができたそうで、これはラッキーだったと思います。
  この花は直径1mにもなる食虫植物。花から異臭を発散して虫を集め、取り込んで融かして栄養にするのです。人間には“異臭”ですが、恐らく昆虫が好む匂いなのでしょう。3日~1週間で枯れて真っ黒になってしまうので、なかなか見ることができない「幻の花」なのだそうです。見られたのは幸いだったと思います。
  ところが聞いてみると、自分の土地(林の中にある湿地のような所)にラフレシアが咲いているのを知った現地の人が、見物料を取って案内しているらしいのです。花を1つ見るのに、日本円にして約1000円だそうですから、ベラボウと言うべきでしょう。山野に自生しているラフレシアに巡り会うのが、それほど難しいということかもしれません。
  これが羨ましいと思った第1です。

  コタキナバルのあとは、クアラルンプール2泊です。ここでは思いがけず、スイートルームに泊まることができたというのです。
  予約していたのは、いつも通りツインルームでした。ところが当日、中国から大勢の団体客が入ることになったそうで、「団体の部屋の1つに予約のツインを充てて、代わりにグレードアップした部屋へご案内します」ということになったというのです。
  写真も見ました。26階のかど部屋で、2ベッドルーム、2バスルーム、広いリビングルーム、さらにキッチンまで付いています。ベッドルームはシングルベッドが2台の部屋と、キングサイズベッドの部屋。朝食のレストランも、一般客は1階ですが、スイートルームのゲストは10階と、別扱いだったようです。
  夫の言葉です。
 「うちの1階と2階を併せたよりも広かった。T(友人)さんも『オレの家より広い』と言っていた」
  今後、泊まることができるかどうか分からないような豪華な部屋。そこへ泊まれたのが羨ましい理由の第2です。

  7、8年前だったでしょうか、甥を連れて家族で南太平洋のフィジーへ行ったとき、マナ島の宿泊はコテージでした。オーバーブッキングがあったということで、1日だけスイートのコテージに泊めてもらいましたが、翌日は通常の部屋に替えられた経験があります。
  また、以前息子の家庭教師をしていた女子大生が、香港からの帰り、飛行機の座席がオーバーブッキングで、エコノミーからファーストクラスに替えられたという羨ましい話を聞いたこともあります。
  夫に話したところ、「一緒に行った人と座席がバラバラになるのはいやだから、いつも早めにチェックインしている。オーバーブッキングの恩恵を受けるのは最後の搭乗者だから、我々には関係がなさそうだ」と言っていました。

  いずれにしても、旅行をしていると思いがけない体験をすることが間々あります。今後も、いやな体験ではなく、嬉しい体験が多いことを期待しています。

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楽しんだ「鶴ヶ城ナイトツアー」、蕎麦茶も大好評

2007年09月24日 | 私の趣味
  しばらく指圧に関するブログばかりでしたので、今日は私の趣味について書いてみます。

  以前、旅行もその1つだと書きました。行きたいのですが、仕事に追われ、なかなか実行できません。そこで、先月のお盆休みにどこかへ行きたいと考えました。
  休めるのはせいぜい3日か4日です。家でやりたいこともあります、考えると旅行は1泊だけになりそうです。
  夫に話しました。いつも頼んでいる旅行代理店に彼が相談したところ、1泊ならあんまり遠出をせず、会津の東山温泉辺りがいいだろう、ということになったようです。

   以前はこの程度の距離なら、2人で車を運転して行ったこともあります。しかし最近は、夫も「列車で1杯飲みながら」行くのを好んでいます。私も嫌いなほうではありませんし…

  当日、新幹線と在来線を乗り継いで会津若松に着きました。楽しみのひとつはお蕎麦(そば)でした。私は日本蕎麦が大好物です。ここには、桐屋という蕎麦の美味しい店があると聞いていました。
  駅で降りて尋ねるとすぐ分かりました。2軒ある桐屋のうち、東山温泉に近いほうへタクシーで向かいました。注文したお蕎麦は、そこそこの美味しさでした。帰り際、レジのわきで販売していた蕎麦茶を求めたところ、これが大変好評。今、治療所でも自宅でも、皆喜んで飲んでいます。すでに3回、宅配便で送ってもらったほどです。

   宿泊した旅館 「瀧の湯」 は “庄助の宿” を標榜しているだけあり、チェックインの手続きの間もお酒は飲み放題、風呂の中にも酒が用意してあり、出るとそこで生ビールを勧められる。“酒好き”には、たまらないのではないでしょうか。

  面白かったのが、「鶴ヶ城ナイトツアー」でした。このお城は 会津若松市のシンボルで、 かつて数多くの戦国大名が治め、幕末戊辰の戦役でも有名です。
  天守閣をはじめ、城の周りに広がる公園や石垣が美しく、市民にも人気の高いスポットです。夜は城中には入れませんが、お城をライトアップし、その敷地内を、ガイドが引率しながら説明してくれるのです。夜のお城は初めてで、大変興味深い体験でした。

  ひとつ残念だったのは、瀧の湯(宿泊旅館)では、毎日夜9時から“お能”の舞台が設けられていたのですが、この日は行われなかったのです。聞くと、盆踊りのため、芸者衆がそちらへ取られたから、と言うのです。
  能と芸者がどう繋(つな)がるのか分かりませんが、結論としてお能の舞台はありませんでした。

  いろいろ忙しい日が続いていますが、忙しい中にも暇(いとま)を探し、趣味も忘れずに過したいと思います。

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治療を契機に激変、初めて「尿意」をもよおす

2007年09月20日 | 素晴らしい指圧効果
  9月16日(日)、タツヤ君が先週受けたがっていた指圧を初めて受ける日です。30分前に来てもらい、自宅でできるリハビリを、彼とお母さんに覚えてもらいました。これから毎日実践してもらい、毎週効果を見ていこうと考えています。

  私の方針は、「ナンバ」の考え方で、“タツヤ君の感覚に聞きながら”進めていきたいと思っています。時間に余裕があったので、スタッフのDさんにタツヤ君の骨体操を頼んでみました。
  先週よりうんと上手になっていたのには、皆ビックリしました。身体がしっかりして背が伸びていました。表情までお兄さんになっていたのは、感動ものでした。

  圧してみて一番感じたのは、やっぱり“前頸部とミズオチ”なのだということでした。前頸部4点目は、触れられません。ミズオチもなんの手応えもないのです。
  側腹部と下腹部に手応えがありました。最初は、なんとか弛んだカタチで終了したいと考えましたが、あまり深追いせずに様子をみることにしました。
  これから自宅でのリハビリと併用です。成長期の子供には大人にはない力があります。子供の身体によい刺激を少し与えるとそこからなにかが、成長して効果を倍増させてくれます。

  タツヤ君にもその力は十分にあると感じます。施術終了直後です。
 「つぎは、いつ来たらいいですか?」
  この言葉には、回りにいた人達みんなが、驚きました。やる気満々なのです。そのやる気に引かれて応えました。
 「じゃあ土曜日にまた診せてね」
 「はい!」
  また楽しみが、一つ増えました。今後どのような展開になっていくのでしょうか。彼の純真な天使のような笑顔が、一層輝きを増していくだろうと楽しみです。


  その後、奇跡のような効果が出たので、重ねて報告します。
   9月18日(火)18時30分、仕事をしていたら、タツヤ君のお母さんが息せき切ってやって来ました。なにか普通ではないという感じです。私が仕事中であるにもかかわらず、患者さんの枕元に来て興奮しています。
  実は、タツヤ君は生まれつき自力で排泄ができません。その感覚すらないのです。排尿のときは導尿という方法で、幼少のときはお母さんが、中学になった今は自分で、処置をしているのです。
  話を聞くと、前夜の7時に、導尿により排尿したあと入浴したそうです。8時半、所用でお母さんと外出しました。導尿は、ふだん3時間半を目安に自分で行っているといいます。
  ところがこの日、外出中の車の中で、「お母さん、おしっこ、おしっこ」とあわてたと言うのです。生まれて一度も体験したことがない「尿意」を始めて知り、だいぶ慌てていたそうです。
  車中で急いで導尿をしたということですが、お母さんにとってはこれは大変な喜びだったのです。感激が全身に表れていました。

  どこまで改善できるか分かりませんが、9月9日に彼の状態を診たことがきっかけで、その後の手当で、確実に効果が出つつあるのは確かです。
  さっそく矢野・長谷川両先生には報告しました。今後の変化も慎重に見守っていきたいと思っています。

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がん患者の施術で、親子の絆を再確認

2007年09月18日 | 素晴らしい指圧効果
  当治療所のスタッフNさんは、患者Oさん(女性23才)を担当していますが、彼女はすっかり指圧のファンになりました。
  圧すごとに体調が改善して、楽になっていくので、とても喜んで通っています。そこで、「癌で苦しんでいる父親にも指圧を」と考えたようです。

 「このような状態ですが、指圧は有効ですか?」

  お父さんの状態を彼女から詳しく聞きました。病状が重いほど、基本指圧を正しく施術すると、体が楽になるのが分かります。そのことを話して、たとえ一時でも楽になってくれたら、という希望だったので、私がお手伝いさせて頂くことにしました。
  ただ予約がつまっていて、空き時間がありません。近所なので、キャンセルがでたら電話をする、ということで了解してもらいました。

  偶然Oさんの予約と同時刻私に空きが出たので、さっそく親子で来院してもらいました。お父さんは、両手に持った杖に身体をあずけきって、かなり辛そうな、重い足の運びです。左腸骨の腫瘍が、曲者だそうです。
  転移癌らしいのですが、原発が見つからないというのです。十分な検索にもかかわらず、転移巣のみが判明し、原発巣が不明な癌です。この6年間、放射線と抗癌剤の繰り返しで、なんとか抑えているということでした。
  指圧開始時、ご本人は「こんなにひどかったら、1回位圧してもどうにもならないでしょう?」と、指圧に対して疑心暗鬼でした。
 
  仰臥位と座位しか圧せない状況で、しかも同じ姿勢は辛くて短時間しかできません。患者さんの感覚に聞きながら圧し進めました。圧すごとに状態がかなり変わってくるのを感じます。疑心暗鬼は、じきに信頼に変わり始めました。

 「楽だ、まるで魔法の手ですね。明日も来ていいですか?」
 「すみません。今月は今のところ空きがありません。空いたらすぐに電話します」

  50分ほどの施術時間でしたが、この方が楽になっていくのが、圧していてよく分かりました。
  お父さんには、娘さんの施術が終わるまで待って頂きましたが、その間2度の排泄があり、トイレへ行くにも足の運びがどんどんよくなっていくのです。ご本人も回りで見ていた人も目を見張りました。
  圧して癌が治るわけではありません。ただ、たとえ一時でも楽になってくれたら、と誠心誠意圧させて頂きました。

  娘さんの施術が終わり、喜んで一緒に帰られる後ろ姿を見送りながら、Nさんが「親子っていくつ(何歳)位までつながっているものですか?」 と感動した顔で話していました。圧していて、お父さんが楽になっていく様子に、娘さんの体調がすごく反応していたと驚いています。
  特に親子と限らず、家族に重病人を抱えていたら、「なんとか少しでも」との想いは切実でしょう。楽になって喜んでいるお父さんの様子に、「連れてきてよかった」との思いがOさんの身体に表れたのか、彼女にもいつもより高い治療効果を生んでいました。

  その人にあった圧を自然に加減できる、基本指圧の素晴らしさを実感した治療でした。まだまだ課題山積(さんせき)ですが、まずは、そこそこ納得のいく治療であり、Nさんにとっても、机上では学ぶことのできない貴重な体験でした。

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苦手を楽しく! 微妙な感覚は全身に影響 

2007年09月17日 | 指圧の活動

  8月24日のブログで報告しましたが、私の右足は感覚がとてもよくなり、普段の歩きまで自然な動きにとても近くなりました。
  楽に歩けるようになったので、どちらかといえば苦手だった「歩く」ことが、驚くほど楽しくなりました。

  ところが、右足を楽に使えるようになったら、今度は思わぬことが起きてしまいました。手術をして40年近く、かばうために頑張っていた左足の動きが、返って邪魔になり始めたのです。
  歩いていても、今度は左の腰から足への張りを感じてしまい、愕然としてしまいました。指圧の構えも、できていたはずの左足の感覚が、どこかに消えてなくなってしまいました。
  ??? 何故できなくなってしまったのか不思議です。右足の感覚は、日に日によくなります。左足の「かばい」は、不要になったようです。しかし、この感覚の問題を解決しなければ、前には、進めません。

  9月9日、午後の講座で質問しでみました。矢野先生が、即座にヒントをくださいました。

 「なにも必ず左右同じ歩幅で歩かなくてもいいでしょう」

 「こうして歩いてみたらー」といって、右を普通に出したら、左はほんの少しだけ前に出す。
  えーっ! へんな歩き方になっちゃう! やだなぁ。
  でもいわれるままに歩いてみると、なんとなく納得せざるを得ません。そばにいた長谷川先生が、「村岡先生なら50メートルも歩いてみればできますよ」と言ってくださいました。なんだか早く試してみたくてウズウズしてきました。

  講座終了後、帰宅途中で寄ったスーパーの買物中に、感覚がつかめました!!  驚きです。指圧時の足の構えも違ってくるから、身体ってすごいなとつくづく関心してしまいました。
  さっそく鈴木先生にも報告しました。歩く姿が、少し恥ずかしいと言ったら「そんなこと恥ずかしがることないよ、その感覚を身体が覚えるまで探り続けたらいいんだよ」と指導いただきました。

  “足の悪い歴” が40年にもなるので、身体に癖がしみついているようです。自分の身体の感覚に、どう落とし込まれていくのか興味深々です。今まで経験したことがない感覚を味わえるような気がして、ちょっとワクワクしています。
  この足の運びをマスターして、頭で何も考えなくても自然にできるようになればいいのですから、変化を楽しんでみたいと思っています。

  歩きと、圧す構えを比べながらの毎日です。来る日も来る日もこんなことばかりやっています。だ
がこれも、「また楽しからずや!」です。


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「ナンバ」 をリハビリに応用、劇的変化に驚く!!

2007年09月13日 | 指圧の活動

  タツヤ君(12歳)は、毎日学校帰りに私の治療所の前を通るとき、必ず嬉しそうに手を振ります。以前、お母さんが指圧に来ていたときに立ち寄ったことがあり、親しみを感じていたのでしょう。

  彼は生まれつき身体に障害を持っています。薬害によるものだと聞いていますが、とても純真無垢なキャラクターに、皆心が和(なご)むのです。
  歩行にも障害があるので、当然リハビリにも手を尽くしていると思い込んでいました。何気なくお母さんに聞いてみると、大学病院で4回の外科手術とリハビリをやって、今の状態までになったそうです。
  これ以上何もやることがないと言われ、この2年は、何もしていないと言っていました。 
  毎日、天使のような笑顔で、目いっぱい手を振ってくれるタツヤ君。その歩き方は、今少し改善できる余地があるように私には見えました。

  9月9日のことです。昨日のブログでお伝えした「骨体操講座」が終わったあと、午後2時から治療所に場所を移して、心身技術研究所の矢野龍彦先生、長谷川智先生にも加わっていただいて、グループ・レッスンになりました。
  私は、タツヤ君が自宅でできるリハビリを考えてみたいと思っていたので、前もって連絡をして、来てもらっていました。身体の様子を診(み)ましたが、腰、膝、足首、足指、全部の関節が固まっているので、歩く姿が非常に不安定なのです。
  歩くとき、踵(かかと)が床につきません。リハビリはとても辛かったといいます。伸びない膝を無理やり伸ばす、曲がらない足首を、何が何でも曲げようとする、これはきついものです。でも、そうしなければ歩けるようにはならないと言われ、必死に頑張ったというのです。
  伸ばすのが辛いなら、かえって曲げたほうがいい。また曲げにくいのなら、伸ばした方が身体は喜ぶのではないか。私にはそんなふうに思えました。 
  私も足を手術した後、辛いリハビリを経験しました。その経験を通して、最近リハビリのやり方自体に疑問を感じることがよくあります。

  ゴム紐でわずかな抵抗運動ができるように、タツヤ君のリハビリの方法を考案して、試してみたところ<大成功>!! 50回の抵抗運動だけで、踵が床に着いて歩けたのです。今までのリハビリの考え方には、ずいぶん間違いもありそうだと、改めて気が付きました。
  これは、「ナンバ」の発想をヒントにして考案したものです。楽な方に身体を動かすことで、返って辛かった方が楽に動くようになったのです。
  8月に考案した指づくりグッズとともに、タツヤ君のリハビリのやり方を、矢野先生、長谷川先生に見ていただきました。手応えは、十分。

  タツヤ君は大喜びです。天使のような笑顔が、いっそう輝いていました。嬉(うれ)しいらしく、何度も何度も歩いて見せてくれました。身体を支えてもらいながら、長谷川先生から直接骨体操を教わることもできました。
  この考え方のリハビリ方法が世の中に出れば、喜ぶ人がたくさんいると思います。今後どのような方向へ動いていくのか楽しみです。
  また、パーキンソン病の老人の「硬縮」にも、驚くほどの効果が出せました。

  その後、タツヤ君に劇的な変化があったので重ねて報告します。
  9月12日(水)の夕方、治療院の前を彼が歩いていくのを目撃しました。スタッフ一同びっくりです!! なんと、彼の背が伸びているのです、歩き方もずいぶんスムーズです。本人も嬉しいらしく、両手をいっぱいに振っていました。
 
 「タッちゃん、日曜日に指圧に来る?」
 「うん!!」
 「じゃあ、3時半ね」

 「ボクも指圧を受けたいな」と言っていたタツヤ君、お母さんからも頼まれていたので、日曜日に圧してあげようと思います。
  身体がよくなっていくのを見るのは、本当に嬉しいことです。その喜びを共有できることに、心から感動を覚えています。

  9月に入ってもまだまだ暑い日が続いていますが、そんなことは忘れてしまうほど、目まぐるしく変化して感動に充ちた毎日です。


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身体の錆付きを除いてくれる骨体操

2007年09月12日 | 分類なし

  当治療院が主催する「ナンバ式骨(ほね)体操」の第2回講習会が、9月9日(日)午前10時から正午の2時間、川越南文化会館(ジョイフル)で開催されました。 7月15日に行われた第1回講習会が大変好評で、ぜひもう1度やってほしいという方たちや、当日都合がつかずに参加できなかったので、改めて開催してほしいという皆さんの熱意に押された形で、第2回が開催の運びとなったものです。

  1回目同様、定員をオーバーする盛況でした。前回来てくださった桐朋学園大学講師(心身技術研究所副所長)の長谷川智先生とともに、今回は同大学教授の矢野龍彦先生(同研究所所長)も出席して下さいました。ありがとうございました。
  この体操は、私達が目指す指圧の効果と、とてもよく似た結果が出ます。前回の講習から約2カ月、この骨体操でみごとに体調を好転させることに成功した方々の指圧をしながら、つくづくすごい体操ができたものだと感心しています。

   少し専門的に言いますと、この体操をすることによって、前頸部(ぜんけいぶ)、腋窩部(えきかぶ)、鼠径部(そけいぶ)、腹部が弛むのです。
  身体の深部がこんなに動く体操は、今までなかったのでとても驚いています。自分の身体の感覚と向かい合えるから、その効果も大きいのでしょう。身体の感覚は、痛みや違和感でしか感じることができないのが普通ですが、これは、「どちらが楽かな?」と感覚に聞きながら、楽な方だけを主に動かすという初めてのやり方です。これが画期的な効果を生んでいるのです。

  身体は、よく耳を傾けていると信号を出してきます。そして、どんどん感覚が磨かれていくのです。自分の身体と対話できる、絶好のチャンスを手に入れることができたのです。これはとても素晴らしいことではありませんか。
  身体各部分の可動域を、全部使って生活している人はあまりいません。加齢とともにだんだん身体は錆ついてしまうのですが、それを意識することもほとんどありません。骨体操は、そんな錆つきも無理なく少しづつ取り除いてくれます。
  この体操は覚えてしまえば財産です。身体の動きがだんだん滑らかになっていくのが楽しくて、私もなんとなく毎日続けています。

  楽な方へ、楽な方へと動きながら、身体と感覚の変化を楽しんでいます。時間は3分とかかりません。忙中に閑を求める思いで体操をするのも、また楽しいではありませんか。


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できた! 「感覚」を活かして掴んだ足の構え

2007年09月04日 | 指圧の活動
  自然に歩いているとき、自分の足腰への感覚を探ってみると、意外にも腰から足にかけて、色々な張りがあるのを自覚できます。

  楽に歩いているときの感じと、不自然な歩きをしたときの筋肉の張り方を比べてみます。そして楽な方の感覚をよく味わい、(指圧を施術するときの)肩甲下部の足の構えにその感覚を生かしたら、かなり上手にできることが分かりました。

  いうまでもなく普段歩いているときは、足への意識はないのが普通です。だから、歩きの感覚を感じるということは、すでに意識が介入していることになってしまうということです。
  ですから、一瞬わざと不自然な足の運びをしてみると、それまでの歩きの感覚では歩けないことが分かります。これで、感覚の掴み方が少し理解できるようになるようです。
  とても微妙な感覚ですが、自分の身体が囁(ささや)く言葉に、日々耳を傾けていると、わずかずつですが感覚が研ぎ澄まされるような感じが強くしてきます。

  そのせいか、7月29日に鈴木林三先生の実技研修会で、教えていただいたときの足と指の感覚は、今もハッキリ身体が覚えています。これだけ長く残っているのは、初めての経験です。
  鈴木先生は「頭で理解するのではなく身体(の感覚)で受け止めたからだよ」と言われていました。この感覚を体感できたのは、自分の身体にひたすら耳を傾けつづけた成果だと思っています。

  先週末からハッキリと足の構えが、歩く時の感覚でできるようになってきました。
  以前、養老猛先生の著書の中に<脳は、勝手に動く>という1節が、ありました。たしか『超バカの壁』だと記憶しています。
  脳をどういう状態に置いてやるかが大事なのだ、ということでした。例として、火に手を突っ込んだら、反射的に手を引っ込める。「熱い」と感じて「アチッ」というのはその後です。身体を極限状態に置いたりすれば、すぐ狂ったり悪いことをしたりするのです。
  この例からしても、こちらが意識する前に脳が勝手に動くのですから、身体をどんな状況に置くかで決まるのでしょう。
  ひたすら信じて身体を“感覚練習”の中に置き、その感覚に耳を傾けていると、少しづつ変化が起きてきます。
  時間が多少必要ですが、それが最良の練習法だと気が付きました。
  自分の身体の感覚を「師匠」として……、日々精進。

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