東京・世田谷区から、毎月お母さんに連れられて来院するYちゃんは二分脊椎症を患っています。2歳のときから指圧を受けていますが、途中、私が脳出血で倒れたので1年ほど受けられなかった期間がありました。しかしお母さんが全身指圧を勉強して、Yちゃんは自宅でもお母さんの指圧を受けています。
今年、病院で「左足が内反してきましたね」と言われましたが、私とお母さんの指圧で手術をしなくてもよくなりホッとしました。夏にはエコー検査でお腹の中を見てもらい「便秘にはなっていません」と医師から言われました。二分脊椎症児にとって、排便はことのほか大事なのです。嬉しいことです。母さんがまめに圧すのは、すごいことだと思います。二分脊椎症の児童はどうしても足の血液循環が弱いので、成長過程で足が長くならないように思いますが、彼女は身体のバランスがとてもいいのです。カッコイー!
お母さんが私の指圧を受けているとき、遊んで待っていますが皆、「可愛いわね」「まあ、なんて可愛いんでしょう!」と。彼女に会った人が、即座にニコニコ顔になってしまう不思議な女の子です。彼女と会う人がみんな、幸せな気分になるからすごいと思います。
この1ヵ月ほどは、装具を装着して自力歩行ができています。嬉しいことに、自力で歩くことで身体の機能がずいぶん良くなっているのが、圧して確認できてとても嬉しかった。
先日来院のときは、秋らしいシックな装いだった素敵なYちゃん、お洒落も楽しみですね!
2歳から指圧を受けているので指圧は受け慣れています。お洒落です
先月の写真です。紙飛行機で遊んでいる
Yちゃん
圧している私も癒されてしまいます
9月15日、乃木坂の国立新美術館で開催されているオルセー美術館展に行ってきました。
2階の展示室に入ると、さっそく今回の看板作品のひとつである、マネの「笛を吹く少年」が出迎えてくれました。少年のズボンの赤には圧倒されました。この赤は強烈に目に残って忘れられないから不思議です。
クロード・モネの 「かささぎ」、マネの 「ロシュフオールの逃亡」 「ガラスの花瓶の花」、 ミレーの 「晩鐘」 など、どれをとっても引き込まれる作品ばかりです。晩鐘は以前、渋谷文化村のミレー展で見たときと、ずいぶん印象が違いました。今回のほうが 〈暗い〉 印象でした。傑作には違いはないのですが絵の額縁で印象が変わってしまうのでしょうか。意外な感覚でもありました。作品の中には以前見たものもあり、懐かしく思いだされました。
モネの 「草上の昼食」 の大きさにはびっくりしました。何といっても絵が2枚になっているのが不思議でした。絵が切れているのは、借家の家賃を滞納したとして大家に取られ、数年後、モネが取り戻した時には画面の損傷が激しかったため、2つに切ったのだそうです。
いずれにしても見ごたえのある、素晴らしい展覧会でした。またどこかでこれらの絵を目にすることがあるかと思うと、わくわくする気持ちがこみ上げてきます。何枚かの写真をご紹介します。ご存知のように絵は写真撮影できませんので、他のサイトから引用元を明示して転載させていただきました。
国立新美術館の全景
マネの「笛を吹く少年」(国立新美術館
のHPから引用)
モネの「草上の昼食」(「meet-me なに
すればいいの?」のサイトから引用)
9月7日の日曜日、午前9時半から基本指圧研究会の月例練習会が豊島区勤労福祉会館で開催されました。会場の都合で午前中の開催になったので、参加者が少ないと思っていたのですが17人が参加。日曜日の朝から会員のやる気が感じられました。少人数の練習を考えていたため予想と違い焦ったほどです。
今回、「近況報告」の中では一番ホットなニュース、テニス・プレイヤーの錦織圭さんの話題が参加者の口から次々出ていました。彼は基本練習をとてもシッカリするらしいこと、しかも練習が大好きだと聞きました。そこでこの日は大人数では難しい「指づくり」をしてみようと考えたのです。
「指づくり」は、とても微妙な感覚練習です。個人的にはごく数人でしかやらない練習です。以前、こんな話を聞いたことがあります。潜水士が200メートルほど潜水すると極限状態で、その時の肺は握り拳ほどになってしまうと。しかも一瞬でも恐怖心が湧くと命を落とす原因になると聞きました。
それほど微妙な心の動きにも身体は反応します。「指づくり」も非常に高度な感覚が要求される練習なので私自身、人から「見られる」という状況では、本当の圧が出るかどうか自信がありませんでしたが、ただ久しぶりにやってみようと思い発ったのです。
この日はもうひとつ、頸部を弛めることでお腹の状態がどれくらい変化するかを勉強しました。
暑さも峠を越し、練習しやすい季節になりました。心ゆくまで「指づくり」に取り組みませんか。これは1人では思うように進みません。分からない点は練習会のとき、私に声をかけて聞いてください。川越に近い会員は、川越練習会に参加されてもいいと思いますよ。
来月も楽しみにしています。頑張りましょう。
(前回のつづき)
西表島の3兄弟の子供たちの生活を紹介してみようと思います。
T君(中3)やH君(小6)は、モリで魚を取って、自分たちでさばいて夕食に皆で食べるようです。2年ほど前からお父さんが魚をさばくのを見ているうちに、だんだん上手になってきたようです。これは凄いと思います。生活に根差したなんとも羨ましいことです。
ある時、H君がお友達と楽しそうに「ねえ、ハリセンボン取りに行こうよ」というのを西表で聞いたことがあります。島にいるからこその遊びで、羨ましい限りです。小さい魚で敵に遭うと体を丸く大きくして威嚇するようですが、その様子が可愛らしく人気があると聞きました。どうやって取るのでしょうか? H君に聞いてみました。
「引き潮の時は、すぐそばにいるので、いっぱい潮が引いた時がチャンスなんだよ、ハリセンボンがすぐ足元にいるからその時、モリで突いてあとは網ですくうとオッケーだよ」
話が上手なHくんが判りやすく説明をしてくれました。これは本当に楽しそうですね!
「ハリセンボンは、すぐ体をむくむく大きくして威嚇するけど、弱い魚なのでじきに死んでしまう。フグだから美味しいし、さばいて晩御飯に出したら人気があるよ」
H君の説明です。お母さんも、「ハリセンボンのスープはとても美味しい」といっていました。
子供たちの指圧の感想も聴いて見ました。
T君 ・・・ 気持ちよかった。圧されて肩とここ(鼠蹊部のこと)が硬いのが分かった。
H君 ・・・ 気持ちよかった。でも足がくすぐったかった。
A君 ・・・ 最初から頭が痛かったが、圧されてすぐ楽になったからビックリした。スッキリした。
T君とH君は、スケートボードを買ってもらって嬉しそうでした。末っ子のA君はまだ早いのでしょうか、我慢しているのがよく判りました。治療院のスタッフの1人がいらなくなったスケボーをA君にプレゼントした時の顔は格別でした。その時から彼のそばを離れなくなりました。
一番気になるT君の踵の痛みは島へ帰ったあと、10日ほど経って電話で聞きました。
「帰りは痛みが60%ほどになっていたが、今は30%になっている」 といっていました。
この後、もう少しよくなると思いますが、あるいは来年まで持越しになるかもしれません。どちらになってもまた来年、元気な姿を見せてね。
子供たちは指圧が大好きです
島では鼻緒の履物ですから、足指が発達しています。かなり器用な足ですよ、
うらやましい限りです
末っ子のA君、マットにくるまって独り遊びの真っ最中
毎年の夏休み恒例行事です。今年は8月10日から21日まで、沖縄・西表島からT君たち3兄弟がやって来ました。お母さんが川越の実家へ里帰りし、男の子3人が一緒にやってきたのです。夏休みの記事なのに報告が遅くなってしまい、申し訳ありません。
西表島の3兄弟は長男のT君が中学3年生、下に6年生と4年生の弟を従えて元気いっぱいです。T君は生後1ヵ月のとき斜頸と診断され、内科医である祖父の勧めで指圧治療をしました。西表島は医療が十分とはいえず、独身時代から指圧に理解が深いお母さんは、以後夏休みには指圧で体の手入れをしてまた島に帰ることを毎年恒例にしています。そんなことからT君は小さいころから体の不都合はいつも指圧で治してきました。
歯の脱臼を治したり(私の著書に記述)、鎖骨骨折の後のケア(指圧協会機関誌「指の光」に掲載)や、また4年生のときには学校の健康診断で側弯症と診断され、2年がかりで指圧で治しました。
今年は、川越に来る前から踵が痛いと聞いていました。実は踵の治療は少し厄介です。腰から(お腹も)緩まなければ治らず、今回は5回の治療を予定していましたが、もしかしたらまた2年がかりになるかも知れないとの思いもありました。ただお母さんも腰がかなり痛いらしい。子供は親の体調の代弁者の部分があるので、そのあたりも視野に入れて考えようと思っていました。
通常、踵の治療を5回ではどうしても無理だと思いますが、そこはいつも劇的に回復してきたT君ですから、もしかしたらいけるかもしれない…。緊張して慎重に臨みました。(つづく)
3兄弟とスタッフのK君、私
指圧の待ち時間は、思い切りくつろぎます
K君から離れない末っ子クン