「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

猫チャンの「食事」にも新型コロナ肺炎の影響??

2021年03月24日 | 雑感

 わたしは野良猫。物心がついたころはホームレスだったので、自分の名前は知りません。数年前から私に声をかけてくる指圧治療院の院長が、「チャトラン、チャトラン」と呼ぶからきっとわたしのことなのでしょう。以前、どこかでフランス語っぽい呼ばれ方をしていた記憶もあります。 
 実は、わたしの左耳の先はⅤ字カットされています。ノラの去勢・不妊手術がおこなわれた目印で、オスは右耳、メスは左耳がカットされるといいます。そういえばわたしにもかすかな記憶が残っています。 

 朝な夕なに治療院の付近に顔を見せていたチャトランが、この2年ほどあんまり見かけなくなっていました。居心地のいい場所が他にもできたのかな? と思っていました。とても人懐っこいよく太った猫で、大人も子供も通る人が、振り返って見てるほど可愛いのです。
 以前、飼い主にかなり可愛がってもらっていた猫なのでしょう。歩く姿勢も堂々として朝になると決まった方向から「出勤」して来ます。近所の人気者で写真に撮られることにも慣れているのか、じっとポーズをとり、通る人が皆、振り向くほど存在感のある猫です。10歳はとうに過ぎているでしょう。今は毛のツヤも衰え、時の流れの哀れを感じさせます。

 最近、チャトラン大好きな近所のおばさんに話を聞きましたが、ショックで私は言葉を失いました。なんと通りがかりにチャトランを叩く(殴る)人がいるそうです。酷い人もいたものです。可哀想に! 同時に憤りと恥ずかしさを感じました。
 チャトランは、この話の間、ずっと私とおばさんの間に座っていました。なにを思っていたのでしょうか。

 もうひとつ、チャトランにも「コロナ」の影響が、及んでいると知り驚いたことがあります。治療院の近所に50年以上営業している魚屋さんがあります。この店、朝市場で品質の良い魚を仕入れ、客は、「今日は、何が並んでいるかな?」と見に行くのです。店の人が「今日は、〇〇が旨いよ! △△が脂がのっているよ! との言葉で、多くの人がそれを購入します。おじさんが勧めてくれた魚は必ずといっていいほど美味しいのです。「信頼が命」の商いをしている貴重な魚屋さんです。人気店なので夕方は、30分ほど並ぶのは当たり前でした。
 私も患者さんに、美味しいお魚情報ということでお知らせすることもあります。ところがこの魚屋さん、コロナ以後なぜか売り上げが伸びず困っているそうです。今は店先に並ばなくても、美味しいお魚が手に入ります。この美味しい魚のアラを魚屋さんに貰い、それを湯がいたものがチャトランのエサになっていたとおばさんが話しました。ところが売り上げが少ないので、最近はアラが少なくなっているというのです。

 「魚屋さん、頑張ってください」。

 チャトランのエサになるのなら、我が家の夕食に生きのいい美味しいお魚をもっと出さなきゃいけませんね。

 おばさんも魚屋さんも治療院も、そしてチャトランも。コロナに負けないように頑張りましょう。エイエイオー!


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炎症を鎮めたあと全身指圧を、痛みを実感できる治療に喜び

2021年03月06日 | 指圧の活動

 過去に「帯状疱疹後神経痛」(たいじょうほうしんごしんけいつう)の痛みを数回経験したことがあります。皮疹が治まった後も神経の痛みがしばらく残ることがあり、この状態を帯状疱疹後神経痛といいますが、それはひどい痛みでした。ヒリヒリ、ズキズキ、あるいはピリピリと感電したような痛み。一定時間で刺すような痛みを繰り返します。時には、持続的に締め付けられ、焼けるような痛みもあります。
 この痛みは身体の深部から出るというより、若干表面にある強い痛みという感覚で、とても辛いものです。ことに夜間は痛みとの格闘になり、連日の寝不足に追い討ちをかけられギブアップでした。
 子供のとき罹患した水痘(みずぼうそう)・帯状疱疹ウイルスが、体内に残っていて悪さをするそうで、それは神経疲労によって発症することが多いようです。

 確かに慣れないことに神経を使う(ストレス)と痛みが出るようです。2年ほど前、しばらく忘れていたこの痛みに遭遇してしまいました。
 今までは、半日~1日ほどで治っていたのでじきに治るとタカをくくっていました。ところがこのときは、以前よりも痛みが数段強くしかも5日間も続いて、スタッフに指圧をしてもらってやっと楽になりました。自分であちこちを圧してみても、治るどころか余計に痛みが増すばかり。このときほど人の掌の有り難みを感じたことはありませんでした。

 先日、鼠蹊ヘルニアの治療をしていた患者さんが帯状疱疹にかかったので、さっそくこの日の治療方針を変更しました。この方は以前、蜂窩織炎(ほうかしきえん)を基本指圧で治療したことがありました。その経緯があるために、指圧治療で症状を改善できるか相談されました。
 帯状疱疹の炎症を鎮めるために、先ず右下肢を丹念に圧しました。身体に起きた炎症は、下肢を緩めることで落ち着いてきます。下肢を圧したことで改善に向かった手応えを感じたので、この後、全身指圧に切り替えて治療を続行しました。患部は右脇腹に、帯状疱疹としては大きな発疹が見られました。

 治療前、治療中、治療後に写真を撮りました。
 写真では分りにくいかもしれませんが色と大きさは、明らかに確認できると思いますし、痛みも少し楽だとのことでした。
 翌々日、痛みが取れたのを電話で確認しました。
 以前、師匠鈴木林三先生の言葉を思いだしました。
 「少しでも多く痛みの経験することは、指圧師として大事なこと」。
 今回、患者さんの痛みを実感できる治療ができました。これは、治療効果にも反映すると確信できました。改めて患者さんに喜んでもらえる指圧治療に励みたいと思いました。


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