「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

基本指圧との出会いに感激、関西在住の女性がメールで感想を  

2016年10月31日 | 指圧の活動

 1021日昼過ぎのことです。治療院で仕事をしていると、関西在住という女性から1本の電話が入りました。仮にAさんとしておきます。Aさんは以前から、機会があったらぜひ私の指圧を受けたいと思っていたということです。今回、出張で関東へ来て仕事が手際よく終わったので、矢も楯もたまらず「まず電話を」と思ったそうです。
 
あいにくこの日も私は予定がいっぱい。躊躇していたらスタッフが、わざわざ遠路からの方なのにと、「残業になってもいいです! 私やります」と言ってくれたので話が決まりました。 

 会うと、誰もが目を引かれると思うほど綺麗な女性でした。彼女は「新幹線の最終に乗れれば大丈夫」という意気込みでの来院でした。急な仕事はまず入らないほど予約が立て込んでいるのに、なんというタイミングでしょう。驚きました。ゆとりを持って着替えもユックリし、問診票に決められた項目を書き、リラックスして横になって待ってもらいました。
 
ところが施術しようとしていたスタッフが、問診票を見て、「え~、先生、眼球振盪(しんとう)です。私では前頸部は圧せません」ということで、私がボランティアでしている仕事を急きょスタッフに任せることにしました。その間に急なキャンセルもあったりして、不思議に時間の工面が上手くできて、あれよあれよという間に、彼女の指圧ができることになりました。 

 彼女は、とても喜んで「何でしょうか、涙が出てきます」と言って大粒の涙を流していました。きっと長年の想いが溢れてしまったのでしょう。私達には、分からない色々な想いがあったと思います。圧して何か、心が通うように思ったのは、彼女も同じだったと思います。色々な話が尽きないまま時間が許すまで圧しました。
 
帰りに「往診は、しないのですか?」
 
往診はしませんがまたきっと会えることを信じて、なぜか爽やかな気分になりました。これも基本指圧を勉強してきたからだと思い、また、気持ちを新たに励みたいと思いました。
 
しかし、今はネットの時代ですね! こうして見ず知らずの方と出会えるなんて、楽しいことです。このAさんから23日たって、指圧を受けた感想のメールが届きました。

 初めての出会いでしたが、こんなに喜んでもらって私も嬉しかったので、次にご紹介します。いろんな方が、いろんな持病を持っていらっしゃる場合もありますので、ご本人の自発的な申し出がない限り、個人を特定されないように仮名を使い、場所も絞らないように気を付けていますのでご了解ください。
 
それでは次にご紹介します。 

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 村岡曜子先生 

 昨日はお忙しい中を診て頂き、改めましてどうもありがとうございました。
 
あの後、深夜に家に着きました。今日は出勤日でしたので、通常でしたら身体が重く、疲れを感じるような日程ですが、不思議と終日大変身体が軽く、また昨晩も大変よく眠れました。身体を丁寧に圧して頂いたお陰だと思います。
 
初めてでしたが、施術中身体がだんだん暖かくなり、気持ちまでほぐれて、有難くてなりませんでした。痛いと申し上げた箇所はございましたが、何か信号を発した方が、何かの協力になればという勝手な思いで、辛いという類いのものでは全くありませんでした。 

 身体の変化ですが、眼の方は、いつもと変わらないようです。やはり斜めに傾けるのが眼振が少なくよく見える角度です。ただ思いもしなかった噛み合わせなのですが、いつも左奥歯が一番力が入るところで無意識にしているとそちらばかりで食べていましたが、 何気なく今日お食事の時に意識しましたら、右奥歯が噛めるようになっており、気のせいかもしれないのですが、左右の奥歯で両方同じように力が入るように思います。
 
精神的には。有難くてならなくて、うまく言葉にできないです。これまで人知れず、眼の歪さに心細くて泣いていた幼かった頃の小さな自分に言ってあげたい。

 今日、村岡曜子先生という方にお会い出来たよ。私ではないのに私以上に私の身体の痛みの声を一生懸命に聞こうとしてくれる人がこの世にいたよ。未来にそんな素敵な日が在るよ。そう教えてあげたいほど、昨日は私の人生の中のそんな素敵な日でした。
 
私も何か縁や巡り合わせを感じさせて頂けた出会いでした。初めてのご連絡で、当日の当日で勝手に押しかけたような中ですので、それを棚に上げて縁と呼ぶのもおかしいかもしれませんが。         
                                                                                                                  
Aより

その後、Aさんから丁寧なお手紙とたくさんの品を送っていただきました


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ダウン症のMさんが指圧で改善できたこと、お母さんが1年の感想を寄稿  

2016年10月22日 | 分類なし

 919日の私のブログに関連して、いま感じていることを少し書きたいと思います。Mさんはダウン症です。基本指圧を隔週に行い、ちょうど1年になりました。いつからかは聞いていませんが、彼女は、まったく言葉を発することがなくなりました。でも喋らなくても、言葉はすべて理解しています。
 私が、指圧を教えてもらった浪越徳治郎先生は、「指圧に言葉はいらない、世界のどこへ行っても(圧せばわかる)」 と言っておりました。本当にそうです。圧すことで意思の疎通はしっかりできます。すごいものです。Mさんが、指圧を喜んでいるのは、圧した手応えで十分に感じてきました。 

 このMさんのお母さんのことをお伝えしたいと思います (お母さんの了解を得ています)
 去年の9月が初めでした。Mさんとお母さんが2人で来院。Mさんは緊張感が強く、身体の力が抜けないため、まともに圧すことがとても難しかった。基本指圧のモットーは、全身指圧です。手・足・体幹、すべてから力が抜けていない状態でしたから、圧すのが苦労でした。ただ一点、「ここだ!」 という部分があり、とてもラッキーでした。これを圧すことで痛みがみごとに1回で取れたのです。
 全身状態は相当厳しいので、痛みが取れても、指圧を止めれば直ぐまた痛くなるので、治療は続行しました。お母さんにその後の見通しを話し、目標を定めてこの1年続けてきましたが、体調も順次に上向いてきました。実はこの効果には、お母さんの存在が欠かせませんでした。 

 指圧を始めて間もなく、お母さんにも指圧を経験してもらうチャンスが訪れたのです。娘さんのために一生懸命なお母さんが受けることで、指圧への理解が深まります。これはMさんの治療上とても大事なことです。ことに小さい子供の指圧治療を行うときには、必ず「お母さんも受けて下さい」ということにしています。 
 子供は、親の体調の代弁者だと思っています。子供の体調を良くしようと思ったら、お母さんを圧した方がはやいこともよくあることです。Mさんのお母さんは、毎回一緒に来院し、指圧を行う場でMさんの状態や変化を見て、説明も聞いて、目の前で変わって行くところをしばしば見てきました。

 いつも、メモを片手に熱心に話を聞いているお母さんを見て、スタッフも微笑ましく見ていました。まさに、一緒に勉強して理解を深めているのです。また、これがMさんの指圧効果に大きく反映したと言っても過言ではないと思っています。
 言葉を発することがないMさん、指圧を受けに来ていても、このお母さんの存在がどれほどか安心だったでしょう! 最近ではお父さんも指圧を受けにきていらしゃいます。親子3人の笑顔が眩しいほどです。Mさんの足指は、とても良く動くようになってきました。
 Mさん、お母さん、お父さん、私、みんなの気持ちが、1つになっているのを強く感じ、やり甲斐を持てる幸せをかみしめています。基本指圧は施術しても痛くないので、子供でも喜んで受けてくれます。指圧は、多くの症例をカバーでき、驚かれるほどの効果をだしてきました。 

 ここ1年間、隔週で指圧を受けにきていたMさんのお母さんから、指圧を受けた感想を書いていただきました。どうぞお読み下さい。
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 「指圧を受けて良かったこと」

  <足指・足裏> 
 ◇両足は、6歳ころから外反母趾になり始めました。足型を取って注文靴を作ったこともありましたが、18歳の時に関節リウマチと診断されてから、足の変形はさらに進み、外反母趾にだんだん痛みが出てきました。
 その後、装具用の靴を作りましたが外反母趾のところの痛みは、なかなか取れずにいましたところが、1回目の指圧で痛みがなくなり、1年以上経った今もずっと痛みは出ていません。痛みがなくなったことで、気持ちも明るくなったようです。就労先からも、仕事の取り組みが積極的になった、楽しんで取り組んでいる、などと伝えてくれました。
 外反母趾の他に足裏に大きな膨らみがあり、これは手術で取り除いても、また同じようになる可能性があるので、痛みがないならこのままの方が良いと、皮膚科で言われていました。この膨らみも指圧で、少しずつ小さくなっています。
 足指は以前は動きが良くなかったのですが、指圧をはじめてからよく動いています。
 右足第4指は、他の指に押しつぶされてとても細く成長し、血行も悪かったのですが、以前より太くなり指の色も良くなっています。 

 <指圧で体の硬さが緩んできたことで> 
 
体のあちこちに、とても硬いコリがあることがわかりました。筋肉がつきにくく、体は柔らかい印象でしたので、全く気づかなかったのです。指圧の回数を重ねていくと、そのコリが少しずつ緩んできたようです。そのことで次のような変化がありました。
 体が緩んだことで、足の裏に3つあった魚の目のうち、1つがなくなった。
 歩き方が以前に比べ、まっすぐに歩けるようになった。(以前は、左右に体が揺れるようでした) 

 <本人の気持ち>
 外反母趾の痛みがなくなったことで、指圧してくださる先生に安心と信頼があります。また、他の部分も良い変化があり、気持ちもプラス思考になっています。 

 <親の気持ち>
 
長い時間をかけてできたコリが、少しずつ緩んでくる様子を見て、体は、今でも変化するのだととても嬉しく実感しています。咳の風邪が続いた後は、「背中が硬くなっている」とのことでした。そこを緩めることで、呼吸器も楽になることを知りました。また、痛い部分だけに目を向けても解決できず、全体が関係者していることもわかりました。
人工的な薬などではなく、自然治癒力を喚起させる、指圧で体の調子が良くなっていけるようで、とてもありがたく感じております。
                                                             

                                 Mの母・記  


 Mさんのお母さんから届いた手記


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10月の月例練習会、「圧すとき身体に入る 《余分な力》 を自覚して!」

2016年10月08日 | 指圧の活動

 10月2日午後1時半から、板橋区の成増アクトホールで10月度月例練習会が開催されました。翌週には、またもや台風(18号)が日本を狙っているとの予報がでていましたが、この日は久しぶりの日本晴れ。湿度も低く、とても爽やかな1日でした。
 
2週間前に9月度の練習会が行われたばかりですので、参加者が少ないと思って出かけましたが、この日集まったのは12名。熱心なメンバーと練習するのは、とても楽しいことだと改めて実感しました。 

 この日は、久しぶりに「前頸部」 の圧し方を練習してみようと思っていたのですが、「鼠径部」が難しいという声があり、そちらの練習にしました。肩甲下部と同じだという事を念頭に入れての練習でした。
 「圧すときに身体に入ってしまう『余分な力』の存在を、本人が自覚すること」から取り組んでもらいました。自覚できた人は、納得して練習に取り組んでいました。これも新しい勉強法と結果で、上達への糸口になるかもわかりません。この「力の抜けた感覚」で、どこも同じに圧して下さい。基本指圧は、圧すための無駄な力はいらないのです。 

 早いものでもう10月、秋本番です。出かけたいと思う予定も多く、楽しみ満載です!
 
来年2月18日に行われる山梨大学の「ダウン症フォーラム」の関係で、そろそろアンケートの集計結果が出てくるので、それを待っているところです。当日は、1時間から1時間半ほどの時間を頂けますので、そのアンケートの結果如何で、進める内容を考えたいと思っています。


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