19日、半日ばかり治療院へ顔を出しました。この日、入院して以来、初めての指圧施術をやってみました。これまで簡単に、家族の前頸部指圧などはやったことがありますが、全身指圧をするのは入院以来初めてです。
治療院へ夫に車で送ってもらい、そのまま約40分ほどでしたが夫に相手をしてもらいました。ほかの人を圧すのは、まだ自信がなかったからです。
なにせ2ヵ月の入院です、身体中の筋肉が落ちて力が無くなっていますから…。
まず驚いたことは、立ったり、坐ったり、膝をついたり、指圧をするために姿勢を正す動作が簡単にできないのです。脚・腰の筋力が衰えているからです。指圧用のスクワットなどはとんでもないことです。
しかし意外だったのが、「圧すこと」にはほとんど違和感がありません。これは病院で、見舞いに来た娘の前頸部を圧したときに、「指圧はできる」と確信できたのと通じる感覚でした。
確かに力は極端に落ちているのですが、夫に聞いても「(圧しかたが)ことに弱くなったとは思わない」といいます。
また不思議なことに、力が衰えた分、「圧しかたが良くなった」と自分で思える部分があるのです。浪越指圧の極意は「余分な力が抜けた状態で圧す」ということですが、どうしても力に頼る部分があったのを、力が無くなったため、いやでも「力を抜く」ことになったのでしょうか。
私が入院してまだ意識もはっきりしなかったとき、藤原一枝先生(都立墨東病院元・脳神経外科医長、藤原QOL研究所所長)が、
「生きているうちには、何かを失うことがあるかもしれないが、必ず、また、何か新しい大切なものが手に入るものだよ」と手紙を残して下さったことが、なんとなくわかりかけたような気がしました。
この日、治療院へ来ていることを電話したら、田中さん、三上さん、斉藤さん、福島さんの4人が駆けつけてくださいました。ご丁寧にお見舞いをいただき、喫茶店でしばしの楽しいひと時を過ごすことができました。
夕方、夫が迎えに来てくれるまで筋トレをやったり、久しぶりに治療院での楽しいひと時を過ごすことができました。(村岡曜子談)