「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

衝撃を受けた棟方志功の「鐘馗図」、川越の中学校で美術展を

2022年05月28日 | 月例練習会

 魅せられるモノは人によってさまざまです。
 私の趣味のひとつは絵画鑑賞です。中学1年生のとき、母のもとに届いた1枚の年賀ハガキでピカソの存在を知りました。その後、棟方志功、岡本太郎を知り、18歳の時に大阪で開催された万博で、「太陽の塔」を見て圧倒されたことを昨日のように思い出します。
 興味を抱いた画家の絵を観たくて、遠方まで行ったこともあります。国内だけでなく外国にも行きます。コロナが阻んでいるのが少々残念で、悔しい気持ちを持っています。

 かなり前になりますが、私が衝撃を受けた美術展が忘れられません。2013年2月、川越市の福原中学校で、とんでもなくすごい催しが開催されたことがありました。「人間国宝美術館、真鶴アートミュージアム学芸員の解説を聞けて本物の作品の素晴らしさを身近に感じて欲しい」との趣旨の展覧会でした。
 体育館を美術展の会場に、有名な画家の絵がところ狭しと並んでいました。手作りの展示台(ありふれた木製の長机?)に並んだ作品群は何と! ピカソ、シャガール、ルノアール、岡本太郎、横山大観、平山郁夫などそうそうたる巨匠ばかり。絵画だけではなく、彫刻や陶芸も展示されて合計100点ほどの美術展でした。

 有り得ないのが、それらが目の前に並べられ、作品がすぐ手に触れることができる至近距離にあるのです(もちろん触ったりはしません!)。迫力に驚きました。押すな押すなの大盛況、よく事故がなかったと思います。
 会場が普通の中学校の体育館。泥の校庭を駐車場にして、学生、教師、入場者の整理、関係者の方々の連携で実現した美術展です。多く方々の熱い思いが結集した催しには、ほんとうに感動しました。会場を去る時、不思議な清しい気持ちになり、心からお礼を言いたい衝動に駆られました。

 たくさんの名画の中で、ことに目を引いたのが、棟方志功の「鐘馗図」でした。鮮烈なタッチで一気に描いたのかと思うような勢いが、会場を飲み込んでいるようでした。衝撃が襲う言葉にならない感動は、今でも忘れることができません。それが掲載の絵です。
 そのあと、この美術展は各地で行われたはずです。この試みに、私は心からエールをおくりました。福原中学校で展示された「鐘馗図」をご覧ください。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

患者さんがコロナ陽性に! 「濃厚接触者ではない」に一安心

2022年05月24日 | 雑感

 ある日のこと、定期的に予約をいただいているご夫婦が、いつものように指圧を受けに来院されました。その翌日、ご主人から電話があり、発熱してPCR検査をうけたとのことです。後日判明した検査の結果として、夫婦とも「陽性」だとの報告を受けました。
 電話を切ってスタッフに伝えた瞬間、緊張感が治療院の空気を一気に引き締めました。「うつされても、うつしてもいけない」との申し合わせで進めてきたからです! すぐにできることは、できる限りの消毒しかありません。除菌アルコールで考えられる箇所を拭きまくりました。

 指圧の治療は、「密接」にならざるをえません。この2年あまり、コロナの不安が蔓延する中で、この仕事を成り立たせることに、試行錯誤を重ねながら日々を過ごしてきました。「うつしても、うつされてもダメ!」。「感染」という言葉がいつも重くのしかかっています。
 とにかく治療院からは、絶対に感染者を出さない! との緊張感を片時も忘れないように患者さんに対してきました。
 目に見えない大敵です。スタッフが川越保健所に電話連絡し、指導を受けました。非接触型体温計で患者さんの検温をしていること、治療中も双方マスクをはずさないこと、二酸化炭素測定機を備え換気をまめに行っていること等、当治療院の状況を細かく説明したところ、私達は「濃厚接触者」には該当しないとのことでした。
 えー! 陽性の患者さんが来ていたのよ?

 保健所には申し訳ないんですが、その指導が納得できず、時間をあけてもう一回同じことを聞いてみました。担当者が変わっていましたが返答は同じ。やはり濃厚接触者には、当たらないそうです。安心すると同時に、拍子抜けしてしまいました。
 ただ、今まで以上に換気に努めることにしました。飲食の場ではないので、マスク着用と換気をしっかり行うといいそうです。

 数日後、美容院行きました。美容院の先生に、治療院の患者さんにコロナ感染者が出ても、「濃厚接触者」には当たらなかったのよ、と言ってみました。
 「えー、ほんと? 信じられないねぇ」。
 先生も驚いていました。以前と違うオミクロンウイルスだから? わかりません。そこを確認するべきだとも思いましたが、「まあ、いいか!」― とりあえず一件落着したことにしました。
 しかし緊張感は忘れずに、自信持ってお仕事頑張りましょうとの結論が出ました♪♪…


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

友人のブログに改めて人生の「淋しさ」が迫る

2022年05月07日 | 雑感

 毎年、ゴールデンウィークは出かけずに、ふだんできないことをすることにしています。猫の通り道になっている自宅の小さな庭の木を切ったり、雑草をむしったり衣類の入れ替えや掃除など、したいことは山積みで、ひとつずつ片付けることを楽しみにしています。気分がさっぱりしてストレス発散。“やった感”を味わえます。(それほど捗るものでもないのですが、結構楽しい?)
 そんな状況ですが、今日、たまたま友人のブログを目にしました。彼は両親のお世話をしながら、自分の仕事をこなしている。「大変だな!」と思って見ていました。ほんとうに頭が下がる思いです。最近、両親を看取り、1人になった心情が書かれていました。“淋しさの極み” が伝わってくるのです。

 私についてお話ししますと、父親はすでに亡く、先日、母親(94歳)が緊急搬送され明日も分からない状況です。親の死を思うと言葉にならない淋しさ、想像していなかった感情がこみ上げてきます。
 この友人は指圧師です。同じ指圧研究会で勉強していたことがあります。ずいぶん前のことですが、彼のアイデアを形にした作品を見ました。段ボールで作った骨盤の模型を使って、身体の使い方を披露してくれました。器用だと驚きました。分かりやすく楽しい出来上がりに、皆で拍手喝采したのを昨日のことのように思い出します。
 知り合ってもう四半世紀です。同じ思いを持っている同士、いつでも声をかければ、話が通ると思っていましたが、今回のコロナ禍でそれも思うようにできなくなりました。1人になった「淋しさ」、「心細さ」や「不安」や「恐怖」。状況は色々でしょうが、これらを持たない人は、1人もいないと思います。

 いまから12年前、私は重篤な脳出血で緊急搬送されました。脳の深部に大きな出血がおき、入院した病院では緊急手術を伝えられました。しかし家族の意思でセカンドオピニオンを受けることができ、東京K病院で「直ちに手術を行うべきではない」と、投薬と経過観察で過ごしています。
 その間、後遺症の発作で救急搬送されたことも5回あります。私は、頭の中に潜んでいる後遺症への恐怖感を1日も拭うことはできません。それでも「今日を生きる」ことに専念したい、との気持ちを振り絞ってきました。弱い気持ちを持ってしまうと簡単に負けそうになるからです。

 コロナは人と人を疎遠にさせています。よかったら、ぜひ川越へお出かけください。
 「小江戸」といわれる蔵造りの古い建物群。「時の鐘」と呼ばれている鐘楼(しょうろう)は、明治の大火の翌年に再建され、いまも1日4回、自動鐘打機による鐘撞(かねつき)が行われています。環境庁主催の「残したい日本の音風景100選」に選ばれました。
 また「江戸の台所」川越名物のうな重は、食された皆さんが喜んでくださいます。いかがでしょうか?


川越・新河岸川沿いの桜並木


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする