「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

赤ちゃんには「赤ちゃんの生活」が必要ですよ!!

2010年02月02日 | 素晴らしい指圧効果
 この1月24日で満1歳になったM君は、1歳児検診で鼠径ヘルニアの診断を受けてしまいました。  

 実は昨年9月、M君の右股関節が亜脱臼をしているので、1歳児検診まで様子をみることになっているとお婆様から聞いていました。そのとき、指圧で治療可能かどうかの問い合わせがありましたので、基本指圧での対応は大変有効だと説明して、さっそく治療することになりました。 
 可愛いM君とはすぐにお友達になり、遊びながらの楽しい治療になりました。週2回、正規の仕事の前の15分ほどを彼のために割きました。効果は順調で1歳児検診が楽しみな状態までになり、私はすっかり安心していました。  

 ところが本年1月26日の午後、仕事をしているとM君のママが急いでやってきて、さし迫った表情で1歳児検診の様子を話し始めました。私は「何かあったのかしら?」と少し心配しつつ報告を聞きました。 
 話を聞くと、指圧をしていた股関節は、正常になっていることがレントゲン撮影で確認されたのですが、今度は鼠径ヘルニアで、しかも外科医への紹介状を書かれてしまったというのです。しかも外科の予約までは、2日しか猶予がありません。パンツ式のオムツにしたので鼠径ヘルニアに気が付かなかったといいますが、見ればかなり大きく、握りこぶしのような形で小腸がでてしまっています。 
 満1歳の男の子ですから、片時もじっとしていてくれません。仕方なく昼寝をさせたまま連れて来てもらい、お腹の治療をしました。ヘルニアが、見た目には分からないほど小さく軟らかくなったので、この様子を医師に診てもらうことにしました。基本指圧でヘルニアが良くなることが分かり、一家は少し安心したようです。  

 この母子は、パパの仕事がが殺人的な忙しさで帰宅時間が極端に遅いそうです。初めての馴れない育児でもあることから、彼女は実家に朝一番で子供と一緒に行って、お風呂も夕飯も全部済まし、ただ寝るだけに家に帰るという生活をこの一年間続けてきたというのです。 
 夕方の4時頃には、朝昼とは空気が変わります。太陽の光が強さを失い始め、夕方から夜に向かう時刻なのです。その頃には、赤ちゃんはウチに帰らなければ「気持が安心感を得られなくなる」と思います。 
 どの街にも“夕焼けチャイム”というのがあります。自治体が有線放送で、外で遊んでいる子供たちに家に帰る時刻を知らせるのです。各季節ごとに日没時間に合わせたそれぞれの時刻を定めてありす。自律神経の働きから考えても、まったくみごとなチャイムの時刻設定だと感心しています。  

 しかしM君は、その頃まだスーパーなどの人混みの中にいることが日常だというのです。しかもその後、母親の実家に帰り夕食と風呂を使い、ただ寝るだけのために夜遅く本来の自分の家に帰るのです。これでは、「赤ちゃんの生活」とは言えません。まともな子供が育つ環境ではないのです。 
 子供はそのことを身体で訴えているのだ、と理解してあげてほしいのです。そこで、母親とお婆様が一緒のときにさりげなく言ってみたのですが、「夕焼けチャイムから家にいたら、あなたの(母親)ストレスがどうにもならなくなっちゃうわよね」とお婆様。 
 実は、大人でも慢性的な夜更かしの人に腸の異常が多いのですよ。それも話してみましたが、はたして“親の自覚”が持てるかどうか。可愛いM君の笑顔を思い浮かべながら祈る思いです。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 二分脊椎症の排便管理プログ... | トップ | 「角界に新風を」の期待を裏... »
最新の画像もっと見る

素晴らしい指圧効果」カテゴリの最新記事