「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

指圧の後は、意識して動作をゆっくりと…

2010年07月13日 | 基本指圧の素晴らしさ

 ひょんなご縁からすっかり指圧愛好家になられたNさん(56歳女性)、打撲の後遺症による違和感を基本指圧により改善したいということで、時々治療にみえていました。

 先日、午前中に治療を受けて帰られました。そのとき、翌日から出かける予定の台湾旅行の話しに花が咲き、明るい彼女らしく、楽しい余韻を残して帰宅されたのです。

 しかしその日の午後、そのNさんから電話が入りました。「さっきの指圧で身体が軽くなったんですけど、今、ギックリ腰みたいになってきたのです」というのです。
 よくよく聞いてみると、洗濯物を取り込もうとして手を伸ばした時に“ギクッ”となったそうです。

 2年ほど前の出来事を思い出しました。
 施術中、うつ伏せになっている患者さんの左側を圧し終えて、右側に移るため患者さんに顔をゆっくり右に向けていただいたとき、アッとういう間もないタイミングで、患者さんがなんとその場で首の寝違いを起こしてしまったのです。

 前例のない初めてのことに、そのときは正直驚きました。
「こんなことって本当にあるの?」
 目の前で、みるみる肩の筋肉がムワーッと硬縮して盛り上がってくるのを、目撃してしまったのです。そのときはその場で即座に対応し、直ぐに寝違いを弛め、事なきを得たので良かったのですが…。
 長年やっていると色々なことを経験するものだ、とつくづく思います。

 今回のNさんの場合は、ふだんは腰が悪いため動かなかった部分が施術により弛み、動いてしまったのだと推測されます。
 前出の寝違えの首もそうなのです。今まで動かなかった可動域以上に動いてしまったのです。こんなことは、私も初めての体験ですが、鈴木林三先生に伺ったところ十分有り得ると指導いただきました。やはり身体が指圧を受けることにより弛んで、何時もは動かない部分まで動いてしまったのだろうということでした。

 なるほど納得です。私も指圧を受けた後は無意識ですが、ゆっくりのんびり、ノタノタ動いています。それは、身体を守る動作を無意識にしていた、ということなのだと分かりました。いつも通りにサッサと動く気にはなれないのです、それが正解なのだと今更ながらに理解できました。

 指圧を受けて体を弛めることは大変体にいいことです。受けた後、しばらくは回復期です。少なくとも施術当日は、ユックリめに動くように気を付けてください。

 Nさん、台湾旅行はキャンセルされたと聞きました。ご主人と「旅先でのことでなくて良かった」と話し合われたそうです。

 力で強く圧していた当時は、こんなとき自分の圧し方に不安を持ったでしょうが、「今は無駄な力を使わずに圧す基本指圧以外」にはやりませんから、今回の対応も自信を持てたことが、ありがたいとつくづく思いました。

  Nさんは、後日動けるようになって直ちに施術することができました。なるほど腰と腹部に「これだな」と思われる硬さがハッキリありました。誠心誠意しっかり圧すことができ、ホッとしました。
 どうか施術当日は、ユックリめでお願いします。

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