「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

二分脊椎症の排便管理プログラム、順調にスタート

2010年01月28日 | 素晴らしい指圧効果
 二分脊椎症の女の子・Sさん(18歳)の、基本指圧による排便管理のプログラムは、新年から順調にスタートしました。当初、無理としか思えなかった私の施術時間も、快く協力してくださる方々のおかげで都合がつき、それらの方々の曜日や時間の交通整理もやっとどうにかついて、今ホッとしているところです。  
 
 プログラムの成果も、大変順調に進んでいます。彼女の中で、大きな変化が起き始めている手応えを強く感じています。好転反応が早くもいろいろと出ているので、「あまり辛いようなら時々休んでも大丈夫」と本人に伝えました。 
 お母さんからも「休んでもいいのヨ」と声をかけてくれているようです。しかし頑張り屋さんの彼女からは、「行く」との答えが返ってくると報告を受けました。術後に出る頭痛は、今、術直後に出るまでになっています。これは好転しつつある証拠です。なにより、本人の「改善したい!」というしっかりした思いが、変化への大きな原動力になっているように感じています。  

 改めて言うまでもないことですが、指圧療法は施術者が“治す”のではなく、身体に本来具わっている、自然治癒力を引き出す“お手伝い”をさせていただくのです。ですから、本人の改善への意欲が一番大事であり、効果に大きく影響します。 
 本人の意欲と周りの人達の善意が、1つに合わさって進行している今回のプログラムに、「縁」という目には見えないものの存在を強く感じています。最終的には、これが1番大事なのかも知れない、とも感じながら施術しています。  

 1月17日(日)、昨年12月の初めに問い合わせがあった、成城学園(東京都世田谷区)在住の二分脊椎患児Yちゃん(1歳11ヶ月・女児)と、やっと会うことができました。この日、1時間弱の空き時間が作れたので面会が可能になったのです。 
 暮からずっと気になって頭から離れなかったYちゃんは、若いパパとママに大事に守られている、という印象でした。両親は、Yちゃんを育てることに全身全霊を傾けている、ということはすぐに理解できました。 
 Yちゃんの両親は、前出のSさん(18歳)とそのご両親とも面会できました。しっかり育てられたSさんの姿に感動を覚えたようです。色々な質問やそれに対するアドバイスなどを受け、携帯番号の交換もしてたいへん喜んでいました。  

 Yちゃんを少し圧してみました。ミゾオチがかなり高く、赤ちゃんなのに背中の硬さが強いのが特徴的でした。施術直後抱いて、軽くなったのにはママもとても驚いていらっしゃいました。つづいてママを少し圧してみました。思ったとおり、Yちゃんと同じ硬さでよく似ています。母子セットで圧していけば、効果が上がることがよく分かりました。
「週に1回親子セットで施術」――Yちゃんは、現在約2歳、成人するまで18年あります。私が彼女の成人まで関わったとしたら私の歳は? あとは無理なことはせず、本当に「縁」があるかどうか、それを見極めることが大事だと思っています。 
 今、昼頃の時間帯で指圧を受けていただいている方々に、彼女の話をしてみています。もしかして縁があれば、無理することなくどこかに割り込めるはずだ、と祈るような気持で様子をみています。  

 指圧師のライフワークとして、障害をもつ子供の成人まで関わり、助けになれたなら素晴らしいことだと、ついつい思いを馳せてしまいます。仕事のやりがいを感じ、強く惹かれるのも正直なところです。 
 子供の成長というのは、単に身体が大きくなることだけではありません。内在するものすべて、つまり“障害”も身体と一緒に成長してしまいます。基本指圧を取り入れることにより、今までにはなかった状況が展開できたら素晴らしいことだ、と考えています。  

 面会2日後、Yちゃんのお母さんから丁寧な礼状の葉書が手許に届きました。もろもろの言葉の中で、「1日も早く通院出来る日を心待ちにしています」とあったのが、深く心に残りました。「きっと縁があるだろう」と、今はじっとその日を待つことにしています。

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鈴木先生を迎えて感激、懇親会も大いに盛り上がる

2010年01月20日 | 指圧の活動

 1月17日、この日は鈴木林三先生を初めてお迎えして、本年初の月例練習会を豊島区勤労福祉会館で開催しました。先生はNPO法人「基本指圧研究会」顧問ですが、この会設立9年目にしてやっと練習会に来ていただけたこと、まことに感無量です。 
 
2001年7月19日、日本指圧協会の中の同好会として基本指圧研究会を立ち上げました。これは同志とともに浪越徳治郎先生の天才の技を学ぶために、練習の場を確保したくて作った会です。今、その場を使って本物の技術を研く練習会が開催できたことに、たいへん感激しています。  

 基本指圧研究会の練習会は、現在3種類あります。毎月1回開催している豊島区勤労福祉会館での月例練習会、隔週火曜日の川越練習会、毎月第2第4土曜日のチャレンジ指圧教室です。どの練習会もそれぞれのメンバーの熱心な取り組みには、頭の下がる思いがします。 
 とくに今回は、基本指圧研究会に初めて鈴木先生が来てくださるということで、日頃の練習の成果を顧問の先生に見て頂こうと、寸暇を惜しんで練習して参加したメンバーもありました。そしてその真剣さが、上達につながるのだとよく分かりました。こういう機会は必要なのだということも!  

 参加者は40人、人数が多かったため皆1回しか先生に圧し方を見ていただくことができませんでしたが、本物に触れられた感動は次へのステップアップのたしかな原動力になりました。また3種類の練習会が一堂に会したことで、初めて会うメンバー同士おおいに刺激になりました。 
 ことに、チャレンジのお母さん達の熱心さに驚かれた方々から、
「素晴らしいことですね」
「偉いですね、ぜひ頑張ってほしいです」 
 等々声をかけていただき大変嬉しく思いました。  

 練習会終了後、会場を移して懇親会を設けました。この会では、今まで懇親会をしたことがありません。「指圧の仲間同士で飲めるのが嬉しい!」と何人もの方から声をかけられました。実際にかなりの盛り上がりで、時の経つのを忘れるひと時でした。

「鈴木先生、来年もまた来て下さい」
「年に1回と言わずにもっと来て下さい」
「必ずまた来て下さいね」 
 
 異口同音の言葉を聞いて、先生も嬉しそうにうなずいていらっしゃるのが大変印象的でした。 
 学ぶことは実に楽しいこと、学べることはとてもありがたいことです。練習できることが無上の喜びであり、幸せであるとつくづく感じたこの日の集まりでした。「基本指圧研究会」、当初は運営が手探りでとても大変でしたが、今改めて立ち上げてよかったと思っています。
 


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外国人参政権の法案提出、石原知事も「絶対反対」

2010年01月17日 | 雑感
 14日のブログに、永住外国人に参政権を与えることが、いかに危険なことかを書きましたが、毎日新聞(2010.1.16)に「石原都知事『絶対反対』 外国人地方選挙権法案」と題した一文が掲載されました。短いベタ記事ですから、次に全文を引用してみます。

「東京都の石原慎太郎知事は15日の定例記者会見で、永住外国人に地方選挙権を与える法案を国会に提出する政府方針への賛否を問われ『絶対反対』と明言した。石原知事は『国籍を持たない人たちの意向で国そのものが左右されかねない』などと語った」  

 これが記事の全文です。ブログには「韓国人が急増している対馬の市議会で、例えば彼らが過半数を占め独立を宣言したらどうなるのか、と最悪の事態を想定して問題を提起しました。しかしそこまで事が運ばれなくても、在日外国人よって彼らに都合よく、日本に不都合な法案が可決されることは考えておかなければなりません。 
 いずれにしてもこんな危険を孕みながら、なぜ外国人に選挙権を与えなければならないのでしょう。「国籍を持たない人たちの意向で国そのものが左右されかねない」との石原知事の懸念をよく考えるべきでしょう。そしてこんな危険な法案には、断固反対しなければなりません。

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危険極まる外国人参政権、なぜそこまで諂うのか

2010年01月14日 | 雑感
 民主党の小沢一郎幹事長が、日本で生活する外国人にも地方参政権を与えようと必死になっているのをご存知でしょうか。小沢氏だけではありません。鳩山由紀夫首相もかつて、外国人に参政権を与えるのが長年の「夢」とか、「目標」とか言っていました。 
 この一件は、たしか総選挙のときの民主党マニフェストには記載されていなかったと思います。外国人参政権については、2人とも決して隠してはいませんでしたが、あんまりあからさまになると反対が巻き起こるのを恐れて、マニフェストに載せなかったのではないでしょうか。 
 小沢氏は李明博・韓国大統領に、「外国人参政権を必ず実現する」と約束したそうですし、中国でも同じ約束をしてきたのではないかといわれています(WiLL 2010.2)。在日韓国・朝鮮人だけではなく、中国人にも地方参政権を認めようとしているようです。ほどなく国会に法案を提出し、数を頼んで成立させるでしょう。 
 鳩山首相の「日本列島は日本人だけのものじゃない」との発言を聞くと、いったいどこの国の総理大臣かと疑いたくなります。もし私たちが、「鳩山家は鳩山だけのものではない」といったら、総理はそれを認めるのですか。  

 ジャーナリストの櫻井よしこ氏は、次のように書いています。
「中国人にも参政権を認めることは、朝鮮半島を通り越して、私たちが中華圏内に入れられかねないことを意味します。これは全力で阻止しなければなりません」(WiLL 2010.2) 
 文藝春秋の編集長から同社常務まで務めた、ジャーナリストの堤堯氏の言葉も引用してみましょう。
「外国人参政権は地方参政権だし、税金を納めているんだからいいじゃないか、という輩がいる。しかし参政権を与えれば、まずは対馬が危ない。すでに韓国人がわんさか住み着いて、『もともとこの島は韓国領土だ』などと気勢をあげているじゃないか」(同)  

 お2人の発言は、私が日ごろ心配していることです。対馬(長崎県)には韓国人がものすごく増えているだけではなく、土地を大規模に買占め、まるで韓国の島の様相を呈しているそうです。今や日本の対馬の存在が脅かされると懸念しているなか、そのうえ参政権を与えるとなれば、彼らが市議会の過半数を占めたとき「韓国に帰属する」と言い出したらどうするのでしょう。  

 これから私が申し上げることは、決して荒唐無稽なお話ではありません。 
 もし対馬の外国人市議が過半数を占め、「対馬は独立する」と言い出したらどうするか。これが第1段階の問題点です。 
 私は専門家ではありませんので、詳しいことをご存知の方の教えを請うことはやぶさかではありません。しかし私の知識から言えば、国家として必要な要件は「領土、国民、主権」で、それに加えるなら国際社会がどの程度独立(あるいは建国)を認めるか、ということです。  

 そこで思い出すのが、第一次中東戦争です。 
「パレスチナにユダヤ人の国家を再建し、ユダヤ文化を復興させる」というシオニスト運動が激化。それに対するオスマントルコ時代から住んでいた現地人や、アラブ人の反発。ユダヤ人とアラブ人の間で政治的主導権を巡って争いが繰り広げられました。 
 その結果、国連による「パレスチナ分割決議」により、「パレスチナの56.5%の土地をユダヤ国家、43.5%の土地をアラブ国家とし、エルサレムを国際管理とする」という国連決議が採択されました。この決議にはユダヤ・アラブ双方が反発し、両者のテロがますます激しくなったのです。 
 このような状勢の中で、1948年5月にイスラエルが一方的に独立を宣言しました。当然、イスラエルの建国を阻止したいアラブ側はこれに猛反発、第一次中東戦争が勃発したのです。この戦争でイスラエル側が勝利し、独立国家としての地位を築くことになりました。 
 ここではイスラエル建国の是非を言っているのではありません。このようにして新しい国家ができる、ということをお話したかったのです。 
 もしも外国人主導の対馬が独立を企て、「対馬市議会の決議であり、対馬住民の総意だ」と、韓国や中国が独立をバックアップしたらどうするのですか。日本はそれに対抗する武力はありません。いや憲法では軍隊を認めていませんし、「専守防衛のみ」というのが政府の見解です。  

 つづいて第2段階。独立した(と称する)対馬が韓国への帰属を決議する。韓国の後ろに中国がある。手も足も出なくなるではありませんか。すでに竹島(島根県)を、略奪したと同様に支配下に置いている韓国です。しかも、「対馬はもともと韓国領」などと言っているのですよ。  

 中国もまた日本固有の領土・尖閣諸島の領有を主張し、沖縄も中国の大陸棚にある、よって自分たちの領土だ、と言っているのです。対馬の問題は明日の沖縄の問題、一国の命取りになる危険をはらんでいます。 
 小沢幹事長はつい先日600有余人を引きつれ中国詣でをしましたが、まさに「朝貢外交」の見本のような男です。心ある方は、どうか目を覚まして頂きたい。そしてこんなに危険な、「外国人への参政権付与」を、なんとしてもやめさせなければなりません。

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基本指圧の施術で二分脊椎症の排便管理を

2010年01月13日 | 素晴らしい指圧効果
 年末年始はゆっくり休めたので、タップリ鋭気を養うことができました。今年も頑張ろう! と張りきっています。  

 話は旧聞に属しますが、昨年11月、埼玉県久喜市在住の二分脊椎症のSさん(18歳女子)のお母さんから、排便管理について指圧施術を希望する電話がありました。昨年内は予定が一杯でしたので、空きができたら電話をすることにして待機していただきました。 
 患者さんの、それまでのおおまかな経過をファックスで送ってもらいましたが、その内容に強く興味を引かれるものがありました。これも何かの縁でしょう、一度会いたいと思いつつその機会を待ちました。  

 しかし私には、「時間」という大きな壁があります。二分脊椎症の排便管理を基本指圧で行うためには、最低でも週2回の施術が必要です。どう考えても時間の工面がつきません。機会を待つ間、なんとなく指圧を受けに見えている方々に、「これこれしかじかで、こういうお嬢さんがいるんです」と話していました。 
 すると、「ずっとでなければ月1回くらいなら時間を譲ってもいいわよ」、と申し出てくださる方が出はじめたのです。超多忙な私には、とうてい無理と思われた時間の工面が、つきそうな気配がしてきたから不思議です。  

 12月13日、待ちに待った? キャンセルが出ました。久喜市から川越までは車で1時間半近くかかります。親子は予定時刻より1時間も早く来院しました。昨年学会で報告された同じ二分脊椎症の達也クンのお母さんも駆け付け、話も弾み、その親子に初対面とは思えない親しみを感じました。 
 さっそく基本指圧を体験してもらいました。施術後起き上がった彼女の顔がスッキリと素敵になっていたのには一同驚きました。
「わーっ、何か違う!」 
 彼女が驚いたように腰の辺りを撫でていたのが印象的です。 
 彼女は生まれて以来、この18年間に10回の外科手術を受け、全身の19箇所にメスが入っているのです。とにかく、我慢強いとしか言いようがありません。両親はどんな思いで育児にあたってこられたか、想像を絶するものがあるだろうと感慨深いものがありました。  

 私がいちばん心を動かされたのは、彼女の障害に対して家族・親戚一同が一丸となって向き合っているということです。力を合わせて、現実から目をそむけることなくしっかりと向き合っているのです。施術時間の工面に協力くださる方たちや、家族・親戚など、多くの人たちの気持ちが寄せ集められて、新年から治療がスタートしました。大勢の方たちの思いは必ず天に通じ、嬉しい成果になると確信しています。  

 2008年7月に計測された彼女の身長は142.2センチでした。そこで成長は止まったと医師から診断されています。 
 昨年末、2回の基本指圧の施術が叶いました。新年からの排便改善プログラムのために、基本指圧研究会研究員高畑氏が、記録係をかってでてくれました。彼は達也クン施術のときも自主的に記録を担当し、その効果に感動して自らも指圧を志したほどの熱血漢です。 
 年末2回の施術の手応えで、身長が伸びていると私は感じていましたので、高畑氏に身長の計測もお願いしました。私の感覚では、2センチほど伸びていると思いましたが、実際には、145センチになっていました。2回の施術で2.8センチも身長が伸びていたのです。

「生活身長」という言葉があるそうですが、それは145センチだそうです。社会生活に必要な成人の身長なのだそうですが、これを一気にクリアーできたのはとても嬉しい効果でした。しかしまだまだ全身が骨格的につまっています。これが施術により緩んでひろがることで、彼女の身体に内在する能力が引き出されてどのような効果がでてくるか? 本当に楽しみです。  

 色々な痛みも隠れているでしょうし、今後の経過に一喜一憂することなく、将来の彼女の姿に思いを馳せて施術していこうと考えています。やりがいのある仕事を与えていただけることに感謝しています。それに応えられる技術の研鑽に精進して行くことに、力の限りを尽くしたいと思っています。

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所沢航空公園にロウバイを見に行きました

2010年01月12日 | 雑感
 私の治療院は、月曜日と祝日がお休みです。 
 11日の成人の日、時間をやりくりして、所沢航空公園にロウバイを見に行ってきました。かなり寒い日でしたが、来園の人たちは可憐な花びらと甘い香りを堪能していました。ケイタイで撮ったロウバイの写真です。


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司法試験に合格していない最高裁判所裁判官??

2010年01月11日 | 雑感
 唐突なお話で恐縮ですが、裁判官(裁判員制度の裁判員ではありません)になるのにどんな資格が必要かは、どなたもご存知だと思います。弁護士、検察官と同じく、まず司法試験に合格しなければなりません。そのあと1年間の司法修習を経て、修了試験に合格すると法曹資格を得ることができます。その後、まず判事補として職務に就き、およそ10年後に、単独で判決を下すことができる判事(裁判官)に任命されるのです。  

 裁判所には、最高裁判所とそれ以外の裁判所(下級裁判所)があります。下級裁判所は高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所などがあります。最高裁判所は、日本国の司法府を統括する最上位の裁判所であり、最高裁判所の判断が最終的な決定になることから、「憲法の番人」と言われているのです。  

 その最高裁判所の裁判官に、「司法試験に合格していない裁判官がいる」と言ったら驚きませんか。実はいるのです。1例を挙げてみます、竹内行夫という裁判官がそうです。他にもいるのではないでしょうか。 
 彼は京都大学を卒業して公務員上級試験に合格、外務省に入省しました。外務事務次官まで務めましたから、外務省ではエリート中のエリートです。平成19年、外務省顧問のまま政策研究大学院連携教授に就任、20年に最高裁判事に任命されています。  

 裁判所法第41条には、最高裁判所裁判官は、下級裁判所の判事を務めた裁判官だけでなく、検察官、弁護士、行政官、外交官、学識経験者(法学の教授等)からも任命できると定めてあります。これは最高裁判所が法律の運用や解釈に最終判断を下すために、多様な立場の法律専門家の見解を反映するためとしています。裁判官14名のうち10名を法曹資格を持つ検察官、弁護士から登用すれば、そのほかは行政官、外交官、学識経験者から任命してもよいというのです。 
 先ほどの竹内氏は「行政官」「外交官」に該当しますから、法律に違反しているわけではありません。しかし最終の法の番人が司法試験に合格していなくて、果たして大丈夫なのでしょうか。  

 元外交官、文筆家の佐藤優氏は「猫はなんでも知っている」(月刊誌WiLL所載)と題したエッセイの中で、猫の言葉を借りて次のように語っています。

「(前略)飼い主は電話口でこんなことを言っていた。『竹内行夫さんは、司法試験に合格していません。法曹資格を持っていないんです。自動車教習所の教官が運転免許証を持っていないということはありません。医者で、免許なしに手術をするのは手塚治虫の漫画にでてくるブラックジャックくらいです。最高裁では、死刑に関する判断をします。人間の命を扱うわけですから、裁判官が司法試験に合格していないのはおかしい。竹内さんは、まず司法試験に合格して、法律専門家としての最低限の能力があることを世間に対して客観的に示し、それから裁判官になるべきでしょう』 この話を聞いて、僕も驚いてしまった。司法試験に合格しなくても、最高裁判事になれるのである。(後略)」  

 先に述べたように決して法律違反ではありませんが、司法試験に合格していない人が、それも最高裁判所裁判官になる。なんとも納得がいかない思いに駆られるのは、果たして私だけでしょうか。 しかも竹内氏は元高級官僚です。官僚の天下り先として、最高裁を選んだと言われたらどう言い訳するつもりでしょう。  

 日本には「最高裁判所裁判官国民審査」制度があります。最高裁の裁判官は、任命後初の衆議院議員総選挙の投票日に国民審査を受け、その後は審査から10年を経過した後に行われる総選挙時に、再審査を受けるのです。 
 憲法の番人の可否を決する大事な国民投票にもかかわらず、衆議院議員総選挙の陰に隠れて、制度自体があまり浸透しているとはいえません。白紙で投票すると信任とみなされ、名前の上に×印がついた人が投票者の過半数に達したとき、その裁判官は罷免されるのです。これを機会に最高裁判所裁判官国民審査制度にも、もっと目を向けてみてはいかがでしょう? 最終的には、私たち自身を守ることに繋がると確信しています。(写真はウィキぺディアから)

 

 


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可憐な姿、甘い香りが人を誘う

2010年01月10日 | 雑感

 埼玉県内でも各所でロウバイの花が見ごろを迎え、可憐な姿や甘い香りが花好きの人たちを誘っています。毎日新聞(埼玉西版)によると、所沢航空公園でも例年より約2週間早く開花し、市民を楽しませているということでした。 
 そういえば、静岡県下田市爪木崎の海岸沿いの丘陵に開花した300万本のニホンスイセンが、1月中旬までが見ごろとの報道がありました。ここでも例年より2週間早いそうです。今年の冬は寒いと思っていましたが、やはり春はそこまで来ているのです。  

 ところでロウバイですが、「梅」の種類ではないのをご存知でしょうか。漢字では「蝋梅」と書きますので、ついついウメの一種だと思い込んでいる方も多いようですが、実はロウバイ科ロウバイ属の落葉低木で、1月から2月にかけて黄色い花を付けるのです。ウメはバラ科サクラ属の落葉高木ですから、まったく別ものです。

「忙中閑あり」といいます。花好きの私としては、時間を作っても見に行きたい気持ちはあるのですが…。写真は黄色い花をつけるロウバイ。(「季節の花 300」http://www.hana300.comから転載)

 
 


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悪辣極まる反捕鯨の妨害船、政府は断固たる処置を

2010年01月08日 | 雑感

 新聞・テレビ等の報道によると、南極海で活動している日本の捕鯨調査船「第2昭南丸」に6日、反捕鯨団体「シー・シェパード」の妨害船「アディ・ギル号」がさまざまな妨害を繰り返し最後、故意に衝突させたということです。ギル号は大破し、乗組員6人は別の妨害船に乗り移りました。
 この団体は、以前ブログに投稿したことがありますが、反捕鯨を標榜して金儲けの手段にし、生命に関わるギリギリの危険行為を犯しては、同調者から多額の金を集めている悪辣な団体です。 
 昭南丸は放水し、音響装置で撤退させようと防衛措置を講じたようですが、その間ギル号は攻撃を繰り返し、航行する昭南丸の直前でわざと速度を落として衝突させたものです。  

 シー・シェパードは手段を選ばず捕鯨船を妨害することで知られており、乗員に向けて発砲したり、あるいは船に爆薬を仕掛けて沈め、さらには船ごと体当たりさせて撃沈するなど、手段を選ばず攻撃を仕掛けています。最近、地球最速といわれるエコボートを買い取り、各種装備を積んで最新型妨害専用船のアディ・ギル号に改造、日本船の妨害のため、やる気満々で南極海に向けて出航していったそうです。  

 しかも航行不能になったギル号から僚船に乗り移りながら、「日本船はわが船を故意に沈め、SOSを発したのに救助せずに去った」と、世界に向けて発信しました。昭南号が撮影していたビデオをテレビで見ましたが、明らかにこちらは被害者です。故意に衝突事故を招きながら、「救助せずに去った」とはとんだお笑い種ですが、SOSを発した事実もありません。僚船に乗り移ったのですから当然でしょう。 
 ところがギル号にオーストラリア人が乗っていたことを根拠に、シーシェパードはオーストラリア国に艦隊の出動を要請した、というのです。  

 新聞によると、日本の農水省は「極めて遺憾。危険な行為で、断じて許されるものではない」とコメントしているようですが、このような悪辣な行為に対しては、当該国を通じて厳重な処分を申し入れてほしいと思います。 
 過去を振り返っても、日本は外部に対して主張すべきことを十分しない。ところが世界は声の大きいほうを信じるのです。対中・韓で過去の歴史が捏造されつつある事実を振り返ってみるとよく分かります。今回の事件も、悪質なプロパガンダに世界が惑わされないためにも、日本政府の断固たる処置を望みます。 写真は高速妨害船「アディ・ギル号」(GigaziNEのホームページから)

 


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年 頭 所 感

2010年01月06日 | 分類なし

 「綸言(りんげん)汗の如し」という言葉があります。一度口から出た天子の言葉が取り消し難いことを、流れ出た汗が再び体内に入らないのに譬えたものです。上に立つものの言葉はそれほど重い、ということをよく理解しなければなりません ◆鳩山首相はもちろん天子ではありません。しかし今や日本の最高権力者です。孔子は、指導的立場にある人は一言を発する際にも九つの心得を忘れてはならないと、「九思一言」という戒めを残しました。発言の前には熟慮する、これが指導者の最低限の心得ではないですか ◆就任以来の首相の発言を聞いているとあまりに軽い。しかも思いつきでしゃべるから、次の日は正反対のことを言わなければならない。沖縄の米軍普天間飛行場の辺野古への移設問題も、日米両政府と沖縄の地元自治体が10余年かけてたどり着いた結果であることは、誰も否定できない事実です ◆外交問題は、継続しなければ国家間の信用を失います。政権が変わったからといって180度方向が変わったのでは、どこの国が信じてくれるでしょう。しかも「日米安全保障条約」は軍隊を持てないわが国にとって、命綱ではないですか。その基地問題を、一方的に「白紙に戻す」とは何を考えているのでしょう ◆白紙に戻したばかりではありません。発言を次々代えながら、「最後は自分で決める」と述べ、米側に「トラスト・ミー(私を信じて)」と泣き? を入れた。その挙句が「(まだ)決めないことを決めた」というのですから、とんだお笑い種ではないですか ◆「ついしゃべってしまうのはサービス精神の表れだ」というメディアもあります。育ちがいいからついつい話してしまうのかも分かりません。小沢一郎氏と比べてみると良く分かるでしょう。しかしその一言が命取りになることがある。皆にいい顔をしたいという「八方美人」志向が、どれほど支持率を下げているでしょう ◆鳩山さん、日本国の舵取りを任されているのですよ。腰が定まらずフラフラしていたのでは、国民は心配でたまらない。首相の覚悟を見せてほしい、それが新年の私の所感です。


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