「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

可愛い訪問者

2007年01月29日 | 素晴らしい指圧効果
 可愛い訪問者はいつでも大歓迎です。
 Hちゃんは中学生の女の子です。今回、お母さんが指圧を受けるとき一緒に来院しました。

「村岡先生、こんにちは!」

 元気な声は以前とまったく変わらず、声だけですぐHちゃんとわかりました。でも会ってビックリ、ずいぶん背が高くなり、すっかりお姉さんになっていました。

 Hちゃんの治療で、私はとても不思議な体験をしたことがあります。今も忘れることができません。
 彼女が幼稚園の年長さんのとき、小児喘息で苦しんでいるので指圧が有効なのでは、とお母さんから相談を受け、鈴木先生の指導をいただき、四苦八苦しながら治療をしたことがあります。
 もちろん、治療の仕上げは指導通り、「お母さんを圧す」ということで進めました。しかし当時の私の技量では、どこでお母さんの治療に切り替えるか、その判断がなかなかつけられず、様子をみながら圧していました。

 状況から見て、Hちゃんが鼻水を垂らしたらお母さんの治療に切り替えようと考えていました。というのは、喘息の子どもは例外なく鼻を詰まらせていて、体調がよくなってくると鼻水が出て鼻が通るのです。それを判断の基準にしようと考えたのです。
 来院したある日、Hちゃんの鼻の先がかすかに光っていて、鼻水がほんの少し出ていました。私はこれが治療切り替えのときと判断し、さっそくお母さんを圧すことにしました。

 Hちゃんの治療効果は順調だったのですが、ただ一つ気なるのが魚(うお)の目でした。左足裏にある3個の魚の目は、幼児のものとは思えないほど立派で、指圧で本当に取れるのかしら、と思うほどでした。
 そもそも魚の目は、お腹の状態が表れたものです。彼女の身体の状態はきわめてよくなったのですが、魚の目は全く変化を見せないのが不思議でした。
 仕方なくそれには目をつむることにしました。 お母さんの治療をしてみて、子供を産んで育てて、やっと一息ついて、一気に疲れが出たのだろうと感じました。喘息で、命の危険と向かい合っている子を育ててきた心労は、大変なものであったろうと思います。
 身体は詰まって、身長も小さくなっているのが圧してわかりました。お母さんのひどい便秘症、これは治療により改善しました。
 ところがそのあと来院したときには、不思議なことに、Hちゃんの魚の目が取れてなくなっていたのです。Hちゃんの魚の目は、お母さんのお腹の状態を表していたのです。 これは事実です。

 常に鈴木先生から「子どもの指圧治療の仕上げは、母親を圧すこと」と指導されますが、母と子は不思議な絆(きずな)でつながっているのだ、と改めて実感しました。
 改めて言葉にすると、ウソっぽくなってしまうような話ですが、これは本当の出来事で、今も忘れることはできません。

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母を気遣う心、ひしひしと

2007年01月22日 | 素晴らしい指圧効果
 昨年12月19日に、Kちゃんの腹部の異常について投稿しました。ご両親にKちゃんのお腹に直接触れて確認してもらった上で、医師の診断・治療を受けるか、当治療院で治療するかを、家族で相談して決めてください、とお願いしてあったのです。

 お父さんの決断で、指圧による治療を希望されるとのことで、まず隔週で治療を始めました。
 お母さんは、かなり神妙な様子で来院されたのですが、当のKちゃんは嬉しそうにしてついてきました。3人姉妹の長女で、とてもしっかりした女の子です。
 しかしどちらかというと、表情の豊かなタイプではありません。挨拶や立ち居振舞いが、大人びているような印象を受けます。
 ところがこの日は、いつになくニコニコしていました。お母さんも「2人で車で来る途中も、すごく嬉しそうにはしゃいでいました」と言っていました。
 いつも通り、指圧を始めるとKちゃんはすぐウトウト眠ってしまいます。気になるお腹は、硬さの形が多少変化していましたが、まだまだびっくりするほど大きくて硬いので、「少し時間がかかりそう」という感じでした。

 眠ってしまったKちゃんの治療を終え、お母さんの治療に移りました。暮に治療した鼠径ヘルニアは治まっていて、体重の減少は止まっていました。しかし腹部は、「なんと力がない」と驚くほどで、その張り方から“目まい、立ちくらみ”があるのではないか、と感じました。
 聞いてみたところ、「あります」という答え。
「どれぐらいの頻度で?」
「う~ん」

 お母さんが考えていると、眠っていたはずのKちゃんが突然むっくり起き上がり、「1週間に1回ぐらい」と言うのです。
 お母さんに“アカンベー”をしてもらったら、下まぶたの裏が真っ白でした。
「Kちゃん、先生とお母さんと、どっちが白い?」
 2人でアカンベーをして見せました。
「お母さん、真っ白だよ」

 私が「貧血が少しあるかもしれないね」と言うと、Kちゃんの言葉が返ってきました。
「あっ! ほうれん草がいいよ!」
「お母さん、いつも皆に食べさせてばっかりで、自分はちゃんと食べないんだもん。自分の分はちゃんと食べなきゃだめだよ」
「小松菜とか、春菊もいいよね。あっ! あと、海草、ヒジキだよ」

 鈴木林三先生から、Kちゃんのお腹の異常は、お母さんの健康を気遣って、思ったことも言えなかったことの反応だ、子供は親をよくするために働く、と指導をいただいていた私は、「まず、1つ出たぞ」と思いました。お母さんの手を撫でながら、一生懸命訴えるKちゃんに、私もお母さんも少し目頭を熱くしました。

「Kちゃん、お母さん元気になるよ!!」
「うん!!」
 にっこりした笑顔は、本当に可愛いと思いました。
 お母さんは、ご主人に「自分のためではなく、Kのために指圧を受けに行け」と言われたそうです。

 翌日、妹のSちゃんの治療の送り迎えはお母さんのはずだったのに、迎えに来たのはお父さんでした。治療室に顔を出して、
「うちのお母さんは、どうでしたでしょうか?」
 と、激やせの奥様を心配して、様子を聞きたいようでした。
 Sちゃんはいつも元気一杯で、大はしゃぎする子なのですが、この日はとても落ち着いていたのが不思議でした。
  久しぶりのSちゃんの治療でしたが、状態はお母さんを圧した効果からか、いつになくいい状態でした。このときも、「子供の治療の仕上げは、母親を圧すこと」との鈴木先生の指導を実感しました。
 Sちゃんの前歯は、外傷により白濁していました。歯は白いと思われていますが、健康な歯は透明感があるものです。歯科医師ならよく知っていらっしゃいます。
 ところがこの日は、歯に透明感が出て健康な状態に変わってきたのには、私も驚きました。Kちゃんのお腹の治療はまだスタートしたばかりです。この先どんな変化をしていくか、慎重に対応しようと思っています。

 経過をまたご報告します。ご期待ください。

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「基本指圧」の思わぬ効果

2007年01月15日 | 素晴らしい指圧効果

 人間は、肉体と精神の両面から成り立ち、それらが多義に影響し合ってバランスをとっています。

「基本指圧」を学び、実践してくる中に、子どもの心身の健全な発育のために、と指圧を受けに来る方が増えています。子どもたちは指圧を受けることで、素直に伸び伸びして、とても子供らしく可愛らしくなります。
 そんな姿を見ることは術者としての大きな喜びでもあり、やりがいを強く感じる仕事です。

 でもこれは大人にも通じることで、ここ2年ほど、ときどき施術している若い大工さんのMさんも、自分の内面の大きな変化に感動している1人です。
 以前はすぐに何にでも腹を立て、イライラし、それが自分でもいやだったそうです。ご両親も「うちの息子は人一倍気むずかしく、扱いにくくて困ったものだ」と、悩んでいたようです。
 Mさんは、身体の変化とともに気持も大きく変化し、もう、
ちょっとぐらいのことでは腹を立てたりイライラしたりすることがなくなって、基本指圧の思いがけない効果にびっくりしています。「俺、本当!! 変わったもん!!」と、とても嬉しそうです。
 悪かった腰も改善し、身体も以前では考えられないくらいよく動けるるようになったと言って喜んでいます。
 
 このような指圧の効果から、昨年暮より「うちの親方(父親)を指圧してください」と再三依頼されていました。
「親方も、指圧を受けるときっと変わると思うから……」
「指圧は受ける本人の意思が大事だから、親方が自主的に受けたいというなら圧しますけど……」
 今年になってからも彼から何度もそんな話があり、親方本人からの希望だということなので、施術することにしました。この方は、周囲の人達が皆なぜか「怖(こわ)い!!」と言っている人です。
 果たしてどんな方なのでしょうか、楽しみに予約日を迎えました。第一印象は「なるほど!」でしたが、跡取り息子の変化を大変喜んで指圧を認めていたのです。家族・親戚などで、そんな話によく花が咲いているというのです。
   
 指圧は、初めての体験だそうです。施術中「うーん」とやけに感心していました。指圧を受けた感想を聞いてみました。
「何か、こう、身体のまん中の詰まった所に、スーッと気持のよい風が通ったみたいだね」
「こんなに全身ていねいに圧してくれるものなんだ!!」

 普段は施術料を余分に頂くことは絶対にしないのですが、心から喜んで、いくら断っても、「どうか気持を受けて下さい」との申し出で、倍額近い料金を頂いてしまいました。
 次回の予約を、と言われたのですが、私が多忙なため、ご希望でしたらまたお電話ください、と返事して終了しました。
“怖い人”どころか、とても気持の通じる人で、爽やかな充実感を覚える施術ができたことに、感謝の気持ちが湧いてきました。

“力押し”でギュウギュウ圧していた頃には、考えられない技術を伴った仕事ができるようになりました。“基本の圧し方”を学べる幸せをつくづく感じる今日この頃です。


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新年明けましておめでとうございます

2007年01月01日 | 分類なし

  新年明けましておめでとうございます

 
昨年は、出版した本「自然治癒力を高める基本指圧の絶大効果」をきっかけに、新しい出会いが多く、今までにない経験を
たくさんすることができました。充実した1年を過ごせたことに、心から感謝しています。

 新年の月例練習会(1月21日、池袋・勤労福祉会館)には、ナンバ式骨体操の長谷川智先生(桐朋学園大学講師)を迎え、違った角度からの身体の使い方を勉強しようと思っています。このところ練習でも、臨床上でも、新しい広がりを感じています。

 今年も充実した年にするため、1歩1歩積み重ねていく決意です。皆様、よろしくお願いいたします。

             2007年元旦

              村 岡 曜 子
              (村岡曜子治療院院長)
              (NPO法人基本指圧研究会代表理事)


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